2022年”Berkshire Hathaway”株主総会とウォーレン・バフェット③

昨年のBerkshire Hathaway株主総会での質疑応答の一部、今回が最後です。

(バフェット)月曜日に株式市場が開いたとき、私たちはどうなるかほとんど分からない。私たちのどちらも(←バフェットとチャーリーのこと)、市場がどうなるか、経済がどうなるかに基づいて投資すべきと言ったり考えたりしたことはない。
ウォール街は、みんなが投資をしている時よりギャンブルをしている時の方が儲かるんだ。誰かが1日に20回も売買を繰り返し、スロットマシンのレバーを引くような興奮を得ている時に、より沢山儲かるんだ。
私たちはそういう取引はしない。賢いからではない。正気だからだ。
⇒市場をギャンブルの場にして金儲けをするウォール街を痛烈に批判しています。
バフェットはかつて「デリバティブは金融の大量破壊兵器」とのコメントを残しています。デリバティブ取引によって株式市場の流動性が高まるというメリットは確かに存在します。しかし、昨年から今日に至る激しい市場環境を振り返ると、強烈なボラティリティを市場にもたらしてしまうというデメリットの方が、市場の流動性を刺激するというメリットの役割を遥かに超えてしまっている様に見えます。
バフェットが指摘しているのはこういうことなのだと思います。

<中高生ぐらいに見える女子学生が、インフレ高騰など難しい投資環境の中で最良の1銘柄を教えてほしいと質問したことに対して>

(マンガー)老後のための資金運用でアドバイザーにビットコインを勧められても「ノー」と言いなさい。

(バフェット)たった1つの株の銘柄より良いことを教えよう。あなたが何かの活動でみんなから選んでもらえるようになれば、それが歌・野球・弁護士、なんであれ、あなたから奪うことができない能力であるなら、あなたがインフレで目減りすることもない。
他の誰かが育てた小麦・綿花、なんであれ、あなたの能力と売買したがるだろう。
だから、ダントツで最良の投資とは、自らを成長させることだ。しかも、それには税金もかからない。あなたが本当に好きで、うまくやれ、社会にとって有益なことにたどり着いたなら、ドル札の購買力なんてどうでもいいことだ。
町で一番の医者なら、能力とそれが生み出す購買力を奪い取ることなどできない。
⇒聴衆が感嘆の拍手とタメ息を響かせた瞬間。この日一番の圧巻だったそうです。
若すぎる段階での資産運用は、損益が気になり他のことが手につかなくなる恐れがあります。長期投資は時間がモノを言う側面が強いので、年齢が若いうちに始める方が経済的なリターンにとっては有利ですが、自分自身をCash創出マシーンとして成長させるには、自己投資が欠かせないことは言うまでもありません。

さて、今年のBerkshire株主総会ではどんな含蓄が飛び出すでしょうか。楽しみにしたいと思います。

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https://www.cnbc.com/2022/04/30/berkshire-hathaway-annual-meeting-live-updates.html

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