ビジネスマンに勧める資産形成(株式投資)⑧~キャリア戦略に資産形成が有効な理由~

今回は「個々人の株式投資が国をエナジャイズする因果関係(正の循環)」について考えてみます。

(↑は当日のPPTスライド)

前回までは株式投資が個々人にもたらすメリットについて考えてきました。この様に個人のメリットだけに範囲を絞って株式投資の話をすると、「金銭に卑しい」「金の事ばかり考えている」「真面目に働くことを否定している」といった意味不明な解釈に歪曲して取られることがあります。
そういう方々に対して主張したいことが今回の内容であります。

まず、個々人が株式投資に取組み、きちんと成果が出て金融資産が増殖すると、セーフティネットが構築されます。これは、英語が得意とか、財務分析が出来るといったスキル的なアセットではなく、「困った時に即座に発動できる具体的で確実なアセット」であります。
これがあるとキャリア上のリスクを取り易くなります。ここまでは、これまでも主張してきた通りです。ポイントはこの先です。

大企業の社員で転職のリスクを取る人が増えると、ベンチャーやスタートアップへの転職者が増加します(自分もその内の1人です)。
ちなみに、資産形成の話とは関係なく、現実に大企業からベンチャーへの転職は年々増えているという統計もありますが、資産形成に取組む人が増えると、ここに拍車がかかります。

人材市場、特に転職市場の流動性が高まることが予想されます。人材の流動化が進むと、当然ながら国内の労働市場が活性化します。高学歴で基礎能力が高く、特殊能力も具備しているものの、社内の出世争いに敗れ、鳴かず飛ばずで力を持て余してきた大企業の多くのサラリーマン。
こうした人達が生き甲斐や遣り甲斐を求めて一気に転職市場に流れ込んでいくことで、適材適所が実現されていくことが予想されます。
これまでベンチャーやスタートアップでは人材不足に悩み、逆に大企業ではオジサンの活用方法に困っていたところ、このミスマッチの解消が進んでいくという話です。

また、個々人が株式投資に取組むことで、それを見た周りの人達も引っ張られるように株式投資に取組むことが予想されます。
そうなると、それ自体が国内の株式市場を活性化させ、マネーの流動性が高まり、成果を出す個人投資家が増えることでこの正の循環に入っていく可能性が高まります。
この様に、個々人が株式投資に取組むことは、決して個人だけが潤う話でもなければ、自分だけが得をするという話でもなく、マクロの観点で見てもとても良い影響があるということがお分かり頂けたかと思います。

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