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【ビジネス】責任範囲と権限について

組織体制を考える上で重要な事は以下3点であると考えています。

①経営戦略→事業戦略→営業戦略と繋がっているのか?
②事業戦略の目指すべき将来像(数字や組織状態)が明確になっているか?
③②を達成する為の営業組織として、必要機能が明確になっているか?

①は大前提であるとして(とは言っても、ここができていないから各部門間で非協力的になる事等が発生するのでめちゃくちゃ重要かつ難しい事です、ここも経営戦略に沿った役割・機能・責任範囲が各事業単位に割り振りがされておらず、それに合わせた権限が明確になっていない可能性が大いにあります)、②③に必要なのは、目指すべき将来像達成に必要な役割・機能を洗い出し、それぞれの役割の”責任範囲と権限”を策定する必要であると考えています。

私は現職にて「識学社」のマネジメント研修を受けさせて頂きました。
識学とは…「意識構造学」からとった造語であり、20年以上前に提唱された組織運営理論との事です(識学社HPから抜粋)、組織内の「ゆがみ」を整えて生産性を向上させるマネジメント方法です。

その一つに「位置」のズレがあります。人には誰しも存在意義を認めらえたいという欲求があります。明確な責任や役割を与える事ができれば、その存在意義は満たされるはずです。個人一人ひとりが与えられた責任をしっかりと果たす事ができれば組織は安定します。しかし、その役割や責任範囲が明確に定義されていないと、自分の位置関係を錯覚する現象がおきます。

部下:上司を評価できる・組織の方針ルールは自分の判断で選択できる
上司:部下には嫌われたくないからこの指摘をするのはやめよう”となる

上司が部下になめられて組織は終わります…と言うと言葉が悪いですが、上司が上司としての機能をせず組織はうまくいかない事は容易に想像できます。

責任と権限はセット

会社全体の経営戦略を達成する為に各事業部門に役割が与えられます。それを達成するために事業戦略や営業戦略をたて実行管理をしていく事が一般的だと思います。当たり前のように聞こえますが、与えられた責任を果たすにはそれに応じた権限が必要となります。意外とここがマッチしていない事が多いです。

例えば、営業部門の責任者で今期数字を達成するために既存社員の育成にプラスして新規採用を2名行う必要がある。営業部門は採用したいが、人事部門が採用権限と採用予算を持っているためスケジュール通りにいかない…等
結構リアルにある話です。

つまり、責任と権限はセットで与える事がマストです!

重要な事は責任範囲と権限を明確にすること

各部門毎、各部門の本部長、部長、課長、メンバー等それぞれの役職に合わせて責任範囲と権限を明確に定義し誰もが見れる状態にする事がとても重要になります。ここで重要な事は下記の通りです。

①責任範囲はどこからどこまでか?
‐新規開拓営業から契約締結まで、契約締結後システム導入完了まで等
②①の責任を果たすのに必要な権限を与えているか?
‐新規集客の予算、営業体制を変更させる権限等
③責任はいつまでにどのうような状態になっているべきか?
期限と達成状態が明確になっている、それぞれのKGI/KPIの明記

下記のようなイメージです。

責任範囲と権限を明確にして組織のゆがみを正す

経営戦略や事業戦略を最大化する為に必要な役割を明確にし、その役割(部門)の責任範囲と権限を明確に定義をする。それを各役職者、各メンバーも同様に明確に定義をする。これを実行すれば、各社員自身がやる事が明確になり、上述した”錯覚による位置ズレ”等も起きる事は少なくなる。

つまい、自身の責任を果たすために行動をする。これが課の成果に、部の成果に、本部の成果へと繋がり事業全体の戦略達成が見えるという事になる。

実際にやってみて、責任範囲を明確にすることは簡単そうで難しい。ただ、時間をかけて明確にしていくことで、ゴールだけを見て行動する事ができるようになった。また、部門間で落ちていた責任等が結構出てくる。こうやって組織のゆがみを正していくことこそが、組織運営なのだと勉強させて頂きました。

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