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ソーシャルビジネス経営支援_人手不足対策編

一昔前はあまり考えられなかったが「人手不足倒産」という言葉をよく聞くようになった。民間信用調査機関の帝国データバンクによると、2023年上半期は110件発生しており、過去最多ペースとなっている。つい先日、いつも妻と二人で食事をする近くのビアホールに出かけたところ、明らかにお客様へのサービスの質が低下しているのが分かった。オーダーしたメニューがなかなか出てこないのだ。店内のスタッフの動きを見ていると、お客様のオーダーに明らかに追いついていない。

ホールの中を見渡すと、人手不足が大きな理由のようだ。隙間時間を利用したアルバイトのサービスなど、勤務形態もいくつかあるが、スタッフが明らかに不足している。日曜日の夕方、若い人たちは働きたくないのか?時給単価をあげても、人は集まらないのか?単に、きつい仕事は避けたいのか?考えられる原因を探ってみたが、結局のところは分からないまま、時間ばかりが過ぎていく。お店を出たお客様が食事をしていたテーブルには、なかなか片付けられないでいる食器類が残ったままで、イメージも悪い。

どうすれば、ビアホールの人手不足を解決できるのか?明らかにスタッフの数が少ないのだから、例えば、お客様自身が片付けを手伝ったらどうだろうか。お客様自身で、自分たちが使用した食器類をカフェのように棚へ戻し、テーブルを拭いて会計するのだ。店舗側も、ボランティアを期待するのではなく、片付けという行動を起こしてもらうために、ちょっとしたインセンティブを付けるようにする。例えば、片付け割引やクーポンなどを発行するのだ。次回、生ビール1杯無料でもいいじゃないか。そうすることで、ホールで働くスタッフの負担も少しは減らせるのではないか。

これまでは、お客様に片付けなどをさせることは考えられなかったと思うが、これからは、お客様も店舗スタッフの負荷を少しだけシェアリングすることで、お客様と店舗スタッフの間に、感謝の気持ちも循環するような取り組みに変えていくのだ。手伝うことが出来る機会があれば、生ビール1杯以上のメリットがお客様にも店舗運営にも出てくるのではないかと思う。

お客様は神様です。昔よく聞いた言葉だが、フラットな関係があってもいいじゃないか、と思うのだ。

経営アップデート 代表 匂坂俊夫(中小企業診断士/事業構想士)



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