マガジンのカバー画像

詩作集・天網恢恢

35
この世界はみんなで見ている夢にすぎない。そこを出発点として。
¥100
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

#9 祭りのあと、天竺に魂をしずめて

#9 祭りのあと、天竺に魂をしずめて

きみは魂を沈めるのか、鎮めるのか。それとも静めるのか。

心は硝子(ガラス)の器にあふれる濁り水のようなもので。

そっと静かに置いておけば、水を濁らせていた泥は器の底に沈んで、きみの落ち着かぬ心はやがて鎮められてゆき、少しずつ透き通り、いつの間にか澄み渡り、そして体の隅々までも良気が満ち渡る、そうだ、しみじみと高気が冴え拡がる。

扉の向こう、窓の向こうには、眩しいほどの曇天の下に駐車場として使

もっとみる