マガジンのカバー画像

たまのは、あるいは極短詩逍遥。

141
山頭火や放哉風の発句集……のはずが、人さまの言葉を勝手に切り取ったコメントやら何やらの収集になってます。
運営しているクリエイター

#歌

sound edge

sound edge

今日いちにちをどう乗り切ったんだったか
時々わたしは思い出せない
葉の全て落ちるすんでのところ
あの隙間の空が好き
理由はなくて
理由はあるの
わたしはそれを思い出せない

あのひとの歌が聴きたいわ
あのひとの歌に潜む傷痕
痛くなる胸が共に鳴く
目覚めた真夜中
片隅の常夜灯
刹那広がる黒い染み
チリチリ、チリチリ締めつける
わたしはそれを思い出せない

春へと向かう風
この倦怠 この焦燥
覗き込む

もっとみる
紡ぎ歌 (title:by Rio)

紡ぎ歌 (title:by Rio)



背中に絶望
こんな時代だ
諦めるのか
食いしばり生きるのも
馬鹿馬鹿しいような世の中で
生きていたいんだ
馬鹿馬鹿しくも懸命に
あの人のように

いつの時代もそれぞれに
痛み悲しみ耕して
あすの希望の種をまき
望む明日は来なくとも
生きた証の笑み皺を
たたえ見つめるその先の
未来へ放つ
紡ぎうた

命の糸を
想いで紡ぎ
織りの鼓動を感じたら
光の射す日も来るだろう
絶望の闇をキャンバスに
色と

もっとみる
春待ち草

春待ち草



降る雪の白と
音を吸い込んだ静寂の朝
その湿度と
雨に変わる瞬間の空気
少しだけざわつく心
今日の予定を気にしながら
そういった全てのものたちが
あなたを想う理由になる

去年の雪は
白のスノーブーツ
笑っていたね
笑っていたんだ

雪のなごりの雨も今は止み
夜はガヤガヤと
この感傷を解かし去る
遠慮なしに
わたしの惨めな残心も共に

サヨナラ

雪よ
あなたよ
#うた #歌 #詩 #恋愛

もっとみる