『感謝』

感謝の言葉達が
口をついて出て行く
出るに任せて
相手に浴びせかける

あぁ
もしかしてこれは
私の心を通っていないのではないか
極めて機械的な部分の反射で
或いは蓄積された慣習というシステムで製造された
感謝というパッケージなのではないか

そんな疑念をよそに
また感謝らしき言葉達が
口をついて出て行く
それが相応しい場の
やってくるがままに

あぁ
示し損ねた感謝が一つ
私の心へ降りてきた
自らその梱包を解いてみれば
込められていた想いが確かに
ふわりと空中に溶けて消えた

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