なぜ「戦略」で差が付くのか。-戦略思考でマーケティングが強くなる-
はじめまして、あさおと申します。
普段は某ファッションブランドでデジタルマーケティングだったり、海外向けのオウンドECサイト運営だったりなんかの仕事をしています。
さて、早速ですがここでは1冊の本を読んで、学んだこと・実践できそうなことなんかを自分の思考整理も兼ねて、語っていきたいと思います。
単なる書評ではなく、マーケティングやECサイト運営、越境ビジネスなどで使えそうな切り口で、なるべく日々の仕事にすぐ使える形にしていくつもりです。
今回は、「なぜ「戦略」で差が付くのか。-戦略思考でマーケティングが強くなる-」という本について。
この本からは【普段よく使う言葉でも、意味・定義を曖昧なままに使っている】ということに気付きがありました。
この本では、最初に戦略という言葉について、その概念や存在意義について定義されています。ここを読んでいるときに「なるほど、確かに戦略という言葉を使う際に、明確にその意味を意識していなかった」と思ったわけです。
これを読んでくださっている方にも心当たりのある方がいらっしゃると思います。日々仕事をしている中の、会議や営業など様々な場面をイメージしてみてください。そのとき、自分と相手の言葉の認識が本当に一致していると自信をもって言えるでしょうか?
この本に出てくくる内容を例にとってみると、ある人は”戦略”という言葉を”目的”と同義として考えているかもしれない。
別のある人は”方針”や”指針”として考えているかもしれない。
はたまた、”理念”のように考えている人もいるかもしれない。
これらの人が集まって戦略を決めましょうといったところで上手くいきません。そもそも戦略の定義がバラバラな状態で、有効な戦略が立てられないのは当然です。
自分のチームを持っている人は、ここを意識するだけでも成果がでるのではないかと思うくらいに大事なことです。
逆にあなたがチームメンバーの一員であるなら、マネージャーの使っている言葉の定義を正しく理解できているかどうかがとても大切になってきます。
何となくではなくきちんと共通認識として定義すべきことは定義する、ということを持ち帰っていただけたら、それだけでこれを書いた甲斐があります…(笑)
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では、この本でも一番最初にでてくる”戦略”の定義とはなんでしょう。
この本において、戦略とは「目的達成のために資源をどう利用するかの指針」であると定義されています。
つまり、ゴールに到達するために何を使って、どのルートで向かうのかを決めるのが戦略というわけです。
そして、なぜ戦略が必要か?という問いには「達成すべき目的があり、かつ資源が有限であるから」としています。
もし、達成すべき目的=ゴールが存在しないのなら、そもそも何もする必要がなく、当然戦略も必要ありません。
また、どんな手段でも使えて、どんなルートからでも行けるとすれば、これもまた戦略が必要ありません。
なぜなら、その中からゴールへの最短の手段とルートを選べばいいだけだからです。
つまり、戦略的に物事を進めていく為には、目的と資源についての理解が必須となります。
となると、次は目的と資源について考えていかなければならないわけです。
まず、目的とはまさに「ゴール」と言い換えて差し支えないでしょう。
ただし、目的にはいい目的と悪い目的が存在することに注意が必要です。
いい目的とは、一言で言えば「曖昧さがない」ことが条件と本書では指摘されています。
そうした曖昧さがない、他の解釈ができないように目的を表現するために、「SMAC」や「SMART」というものが紹介されています。
どちらも単語の頭文字をとったもので、
・Specific(具体的)
・Measurable(測定可能)
・Achievable(達成可能)
・Consistent(一貫性がある)
・Relevant(関連性がある)
・Time-bound(期限設定)
となっています。
これらの項目を満たすように目的を表現することで曖昧さを回避することができます。
逆に言えば、これらを満たすような目的は、いい目的であるといえるでしょう。
ここで、いい目的を持つことの意義について、本書から引用させていただく。
いい「目的の設定」があることで、どこを目指すべきかが明確になり、それゆえ現状の進捗を把握でき、組織・チームの「目的」達成のもとに結束させられ、その達成確立をあげられるということになりそうだ。もちろん、投下した資源に対する成果は、無目的の状況かよりも満足のいくものになるだろう。
つまり、いい目的を持つことが戦略的である為の第一歩であると言えます。
次は資源について考えていきます。
保有する資源を網羅的に把握するために、2種類の属性を意識すると良いとされています。
それが、
・資源の帰属先
・顕在性を示す属性
の2つの属性です。
「資源の帰属先」とは、ある資源が誰のものであるのかを起点に資源を考えていこうというアプローチです。
自分・自社が持っている資源については、特に意識しなくても自然と話題に上がってくるでしょう。
しかし、それだけではヌケモレがでてきてしまいます。
戦略を立てる上で考慮すべき資源には、自らが保有していない資源も入ってきます。
たとえば、取引先の人員や設備もここで考慮すべき資源なのです。
このように、自分を含めて目的達成に関わりのある人や組織がもっている資源をリストアップしていくのが、「資源の帰属先」から考えていくアプローチです。
また「顕在性を示す属性」とは、ざっくり言えば、目に見えている資源と見えていない資源のどちらも意識して考えましょうということです。
もちろん、ここで問題になるのは目に見えていない資源をどうやって把握するかということだと思います。
そのような有用だけど埋もれてしまっている資源を見つけるのに効果的な方法のひとつとして、比較をすると良いと紹介されています。
具体的には、製品や組織構造、組織の構成要素などを過去や競合と比較をしていきます。
このときに、強みや弱みといった評価基準で比べていくのではなく、違いにのみ注目してリストアップしていきます。
そうすると、今まで認知されていなかった資源にも気づくことができるでしょう。
これらの2種類の属性を掛け合わせて、4つの象限で資源を考えていくと、ヌケモレがなく資源を把握することができます。
このようにして、いい目的を持ち、資源について正しく把握することで、いい戦略が立案できるようになります。
ところで、そもそも戦略があるとなにがいいのでしょうか。
なんとなく戦略があると良さそうだ、ということは感じていても、言語化していないままになっていないですか?
本書でもいくつかメリットがあげられていますが、その中でも次の2つのメリットが得られることが大きいと個人的には思います。
・やるべきことが明確になると同時に、やるべきでないことも明確になる
・失敗が経験となるような、いい失敗へ導いてくれる
個人単位で見たときに、時間という資源がもっとも貴重なものだと僕は思います。
色々なところで様々な人が言っていることですが、それだけ言及されるのだから少なくても一定の範囲では真実といっていいのでしょう。
その他の資源と違い、あらゆる人に平等に同じ量が与えられていて、一度使ってしまうとお金などとは違い二度と戻ってくることはありません。
つまり、時間という資源を活用するにあたっては、何をしないかを決めることも非常に重要になってきます。
それを、戦略を持つことで明確にすることができるのです。
正しく戦力を持つことができている時点で、そうでない場合に比べて遥かに有利な条件で戦っていくことができるわけです。
ただ、戦略をもっていれば百発百中で成功し続けることができるというわけでも当然ありません。
成功するまでには、大小様々な失敗を経験することになるのは避けようのない事実です。
しかし、考えなしで行った結果としての失敗と、戦略に基づく行動による結果としての失敗では、天と地ほどに差があります。
平たく言い換えれば、戦略があることでレベルアップに繋がる経験値を、失敗したときでさえ獲得できるということです。
RPGでは、敵に負けてHPが0になってしまった場合は経験値を得ることができずに、最初からやり直しになってしまいます。
これが、戦略がない場合の失敗をあらわした状況です。
失敗の結果は何も残りません。
むしろ、それまでに費やしてきた資源の分がマイナスになっています。
それに対して、戦略がある場合の失敗は、敵に負けてHPが0になってしまったとしても、レベルアップして復活するイメージです。
一つ一つの物事でみたら、わずかな違いかもしれませんが、繰り返していくうちに経験値の差はとてつもなく大きな差となります。
このように、正しい戦略を持つということは、大きな恩恵をもたらしてくれます。
経営者は当然ながら、仕事をしているすべての人の必修科目といっていいでしょう。
ただ、仕事に正しく戦略をもって取り組んでいる人が少ないのが現実だと感じています。
僕もそうであったと自省しました。
だからこそ、日々の意識を変えるだけでも、パフォーマンスに大きな差を出すことができるのです。
そのために、明日からすぐにできることは、常に目的を意識し続けることです。
なぜ今これをしていて、それによって何を達成したいのか。
どんなときにもこの視点を忘れず、自分に問いかけ続けましょう。
戦略的に仕事をこなしていくために、明日からは「目的」について意識し続けてみましょう。
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