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シュペルターと歩む15年記 #19

コラム13:マンカン・ジ・アンリーシュド 



2015年 5つの物語


シュペルターと歩む、のコラム名物(?)マンスリー管理職”!
この度、名称をマンカン・ジ・アンリーシュドと改め新装開店です。

今回は2015年5ネタ一挙公開

2015年に入って、職場の管理職の陣容が変わったせいか、
あるいはマンスリー管理職の執筆当番制度が改められたためかは
わかりませんが、2カ月に1回高頻度
執筆当番を務めることになりました。

2カ月に1回って、コナン君じゃないんだから!
そうそう皆さんに紹介できるような事件に遭遇するはずもなく、
果たして年末まで無事書き続けることができるのか?
少なくともアニメ化は無理そうです。

移ろいゆくテーマが、だんだん苦しくなっていく様子に注目すべく
一気に公開の運びとなりました。

また今見るとnoteに転載しづらいところも増えてきており、
もともと出来るだけ原文を尊重するという方針だったのですが
文字数制限会社内での公開という内容の制約などから解放
手を加えたほうが良いところは積極的に編集していくこととして
名称もマンカン・ジ・アンリーシュドと改めます。

もちろんネーミングは、前回の肩編で少し触れた
PG アンリーシュド RX-78-2 ガンダム
100%パクり、いや敬意を込めたオマージュとなっています。

4月 眼鏡理論


最近減量に励んでいます。おしゃれにいえばダイエット

きっかけは昨年8月の定期健康診断で腹囲急拡大
更に従来から高かったコレステロール値に加えて
肝臓の数値と血糖値も悪化していることが、血液検査で判明したのです。

血圧だけは正常値であったのでメタボ認定にこそならなかったものの、
保健士さんの『血圧正常ですから大丈夫ですよ』
という気遣いのお言葉の“”が余計に不安にさせる。

そこで一念発起と言いたいが、お昼ご飯こそ和食中心にしたものの、
職場にはパチンコ好きの人が景品で取って来るスナック菓子
ご自由にどうぞ”という体(てい)であふれており、
ついつい貪り食ってしまう始末。

そしてとどめはお正月休み。
奥さんの実家と自分の実家での恒常的な満腹状態

実家から家に帰って来て体重を測るとなんと78㎏
服を着た状態とはいえ、これはイカン!
このままでは81㎏超級の選手となってしまうではないか。

(ちなみに柔道男子の体重別階級
 60㎏、66㎏、73㎏、81㎏、90㎏、100㎏超なのです。
 階級別の差は、66㎏-60㎏=6㎏のように計算すると、
 6㎏、7㎏、8㎏、9㎏、10㎏となっています)

さすがに次の90㎏超級までは、9㎏もあるなどと
悠長なことは言ってられない。

急遽減量作戦開始。

まずは一切のお菓子を絶つことから開始。
小腹が空いた時にいつでも食べられる職場環境では辛いが我慢、我慢。

食事も外食を控え、晩御飯もあっさり和食中心でと奥さんにお願い。

カロリー摂取を減らすと同時に消費を促すための運動も同時に行えば
効果は2倍のはず。

休みの日には1時間~2時間の遠出の散歩
近所をうろうろ歩き回ったおかげで、いそいろな近道も発見しました。

会社から家に帰った時にも、マンションのエレベーターは使わず、
階段で8階まで上がる毎日。

最後の詰めは大山式足指サポーター
ボディメイクパッドと謳われているもの。くわしくはネットで!)

あとは日々体重を測ってグラフ化すれば有効性の検証もばっちり。

ちなみに公式の初期値夕食前パンツ一丁で75.9㎏です。
そしてチャレンジ開始後、2カ月が過ぎた3月吉日。
(会社の)診療所で血液の再検査敢然と挑む一人の漢(おとこ)がいた。

この日出勤前に家で体重を測ると71㎏切っていました
(今回は血液検査だけですので、この結果を示せなくて残念)

しかし診療所を訪れるやいなや、保健士さんから、
「体型がすっきりしましたね。」の一言。

問診表には必要以上に詳しく記述する。
(前述のダイエットメニューのもっと詳しい版)
その内容を見て、
がんばりましたねー、2カ月で5㎏も痩せるなんてすごいですね。」
賞賛の嵐!

47年間生きて来て、女性陣に囲まれこれほど誉めそやされたのは
初めての経験でした。

といったことで更にやる気UP
こうなれば一気に70㎏を切って、67㎏を目指します。

会社のミーティングでもさりげなく、
『今ダイエット中なので今度の飲み会では
アルコールはなしでお願いします。
既に1月から5㎏くらいは減っているんだけどね。』
と職場の皆さんにアピールするが、
職場の中の一人(同期入社とかではありません)からショックな一言。
うそ~あんまり…(かわってませんよ)』
 ( )内は私の心の中で聞こえた声。

いやあ、そういうもんですよねー

5㎏ぐらい減ったって、人が見たらそんなわかんないですよね。
自意識過剰でした。

それを裏付けるように後日届いた血液検査の結果は、
”数値は改善方向に向かっているがまだまだ。この努力を続けてください。”
でした。
人から見た自分自意識ギャップってありますよね。

大学時代に“眼鏡理論“を発見した時の経緯を思い出しました。
この理論。文字通りメガネです。

メガネを変えた時に、他人から何と言われるだろうか
ドキドキするのって自意識過剰の典型ですよね。

まさに大学時代にメガネを変えたんですが、
周囲の人の反応3種類に分かれているのに気付きました。

第Ⅲ区分はちょっとだけ面識のある人。
実例ではサークルの2つ上くらいの先輩です。
どういう反応かと言うと”メガネを変えると誰だか気付いてくれない。”

これはあまり顔をはっきりと覚えておらず、
メガネなどの特徴を頼りに識別しているからでしょう。

第Ⅱ区分はサークルの同期。
この区分の方たちは普通に、「メガネ変えたねー。」とか言ってくれます。

第Ⅰ区分は親。
我が息子であるということを見失わないのは当然ですが、
メガネを変えたことにも気付きません。
これはあまりに関係が近いと雰囲気とか佇まいで認識するため、
もはやメガネなどという一部気にしないというか、
目に入らないのでしょう。

変化に気付かないのは関心がないということではなく、
まさに近い間柄なのだという証明に使える理論です。

この理論に則って今回のダイエットの件を考察すると、
変化に気付いた診療所の人区分Ⅱ(まぁプロですし)です。

そして『うそ、あんまり…』の職場の人は区分Ⅰ
ということになるのですが、
彼とは一親等の関係という訳でもないので、
どうやらこの理論にも欠陥がありそうです。

(後記)
眼鏡理論を決して適用してはならない領域があることを
忘れてはなりません。
奥さんが美容室に行った日には、
ヘアスタイルが如何に素敵になったのかを、
明確に言葉で述べることを怠ってはならないのです。

『気付かなかったのは、もっとも親しい間柄である証拠』
などという理論はまかり通りません。  

そして眼鏡理論でカバーできない超常現象。のび太メガネ変えた?じゃなくて目を変えた⁉

フッ!

あと4話

6月 マーフィーの法則


5月22日に北関東に出張してきました。
今回はその出張からの帰途でのハプニング些末な事で恐縮ですが)
についての話です。

事情があり、夜遅くなっても当日中帰宅する必要があったので
電車の乗り継ぎを調べました。
(1)出張先最寄り駅発特急は遅くても19時発の便に乗る必要あり
(2)東京駅発新幹線でできれば新神戸まで行きたい。
  時間が遅くなると新大阪止まりになり、
  そこからは在来線を利用しなければならない。
  新快速ならそれほど時間差はないが、結構遅い時刻まで混むのです。

新神戸行の新幹線(最終便)に乗るとなると
東京駅での乗り換え時間7分間で、ここが最大の鬼門

ネットで見るとJR推奨の東京駅ので乗り替え時間は10分以上となっている。

これまでの経験から、さすがに在来線の特急乗り場から新幹線まで
どう考えても7分もかかりそうにはないので、
乗り換え時間の余裕はないが、この便で切符発券
(当時はスマートEXとかに入ってなかったのです。)

しかしできるだけのリスクに対する備えはしておこう。
・事前に特急および新幹線指定席の車両番号を確認。
 4号車とか6号車なので、乗り降りの時、駅の階段には近いはず。
 (1号車とか16号車だったらホームを歩くだけで死にます。)
・スーツ着用ですが、移動時のフットワークを優先し、
 靴は革靴風のウォーキングシューズ着用
・荷物も最小限で鞄も小さいものを選ぶ

ここまでネタ振りをすれば、この後見事に新幹線に乗り遅れた
というオチが付くのは予想に難くないと思いますが、
実はその通りになってしまいました。

教訓:マーフィーの法則ってあたるんですね。

マーフィーの法則とは、「失敗する余地があるなら、失敗する"Anything that can go wrong will go wrong."」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、絨毯の値段に比例する」をはじめとする、先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかも哀愁に富む経験則をまとめたものである(それが事実かどうかは別)。

Wikipediaより一部編集して引用


なお、乗り遅れたのは私が方向音痴で東京駅で迷ったわけでも、
『東京だよ、おっかさん』とばかりにキョロキョロ見回していたから
でもありません。

一つ前の上野駅で非常ボタンが押されたとかで、
5分間の足止めを食ってしまいました。

ただの遅れではなくてそのような事故的な原因で、
一時全部の電車が停止するという事態なので、
乗り替えなどに対して、何らかの案内ケアがあると思うでしょう?

実は何もありませんでした。(今回だけかどうかわかりませんが)

それどころか東京駅での新幹線ホームへの改札機では
目的地(新神戸)までの最終便は発車しています
という表示が出たうえで、ゲートが開かないし。

こんなとき人は開き直るといいますが、
なかなかどうして見事に慌てふためき、
係員にどうしたらいいの?と詰め寄るが
『じゃあ新大阪まで行って、在来線に乗り替えてください。
窓口で乗車区間変更の手続きをしてください』ってそれだけか!

窓口を見ると長蛇の列
今からのんきに並んで待てとでもいうのでしょうか?

というかそれ以前に『電車の遅れがあったんですか~?』とか、
聞かれる始末。
お客さま案内係のはずが、乗り替えにもろに影響する隣の上野駅
トラブル(非常ボタン)のことを何も知らないのです。

窓口に並んでいては、新大阪行きの新幹線さえ乗り遅れそうでしたので、
結局『そんなことできるか!』と押し通る。
(といってもちゃんと事情を話して通してもらいました。)

ただそんな時でも改札機のゲートは、
開く様子が微塵もありませんでしたので、
無理にこじ開けて通ったのは事実です。

こんな物騒なことをしてはいない!

そして乗る筈だった便の3分後発、のぞみ新大阪行に飛び乗る。
(あれっ?3分遅れということは、JR推奨通り10分間の乗り替え時間を
確保していたら問題はなかったのか?)

まずは自由席3人掛けの真ん中)に座り、
車掌さんの”切符拝見”を待ち構える。
(2015年はまだ切符拝見やってたんですね)

車掌さんに事情を話すと、やはり
『新大阪で新快速に乗り替えするのが一番早いです』とのご案内。
あぁどうせそうでしょう。そのつもりでした。

でも、新幹線の新大阪駅到着時刻から、実際のダイヤで一番早く
自宅最寄り駅へ着く乗り継ぎを調べてくれたうえでのこと。
また東京駅での係員の対応を話すと
『それはひどいですね。すみません』と言われ少し心が和む。

更にこの車掌さん、親切にも、”切符検め”の合間に何回か来てくれ、
切符の発行駅を確認し、駅に問い合わせしてくれました。
その結果を『JRの乗り替え推奨時間よりも短い乗り替えなので、
払い戻しはたったの100円です。』
とすまなさそうに教えてくれるが、これは腹を立てても仕方のないこと。

それよりも新大阪駅は新幹線から在来線ホームへの距離がかなりあり、
また自動改札機には足止めされたくないと相談すると、
改札で係員に見せるとサッと通れるように切符の裏に何やら書いてくれる。
この対応にJRを見直し、更に心が安寧に近づく。

新大阪での新快速への乗り換え時間は7分
(また7分か!験が悪いだけでなく、
 東京駅とは違って、こちらは本当にギリギリ

改札は係員に書付のある切符をサッとみせてOK。
しかし今宵の新大阪駅は一味違う
(いつもにもましてだだっ広くカフカの城のように
進めど進めど在来線乗り場がなかなか近づいてこない

不条理の世界へようこそ

半分あきらめるが、足は緩めず

ホームにつくとギリギリ電車が出たところ
やはりだめだったか! とその場に崩れ落ちはしませんが残念!

と思ったら出発した電車は快速。 
新快速はあと4分後に到着予定。
これはどうしたことだ。

なんと!大阪エリアでも電車の運行に遅れが出ていたのです。

上手い具合に新快速が遅れてくれたので、
定刻通りであったら乗り逃がしていたはずの新快速に
ほとんど待ち時間なく乗ることができました。

家に着くと0:30

東京駅で乗り遅れなかった場合の自宅到着予定と同時刻
疲れましたが、到着時刻はリカバーできました。

・東京駅での判断(押し通る)
・車掌さんの協力(切符裏への書付け)
・新大阪駅で脚を緩めなかったこと
 の3要素が揃って奇跡が起こりました。

教訓:人事を尽くして天命を待てば、マーフィーの法則も克服できる。

(後記)
『マーフィーの法則は神戸牛の対偶である』
(サブタイトル:全国区で言うなら松坂牛だが、
 今回は辿り着けなかった新神戸に敬意を表して。)

マーフィーの法則の解説としては以下のようなものがあります。
・「高価なもの程よく壊れる」に代表されるような自虐的悲観論
・「洗車しはじめると雨が降る」という言葉に共感する人は、
 洗車しはじめてすぐに雨が降ったという出来事の印象を
 引きずっているのが原因だ。
 (実際は洗車しても雨が降らない場合の方が多いのだが、
 そうしたありきたりな結果は記憶に残らないがゆえに
 考慮されることもない)

ここで新たに提唱するのは次の解釈です。
・人が望ましいと感じる状態が、自然状態で起こる確率は低い。
(概ね50%以下)
・高度な望みになるほど複数の条件が影響し、
 それらのいずれもが望ましい状態である必要がある。

わかり難いので神戸牛(松坂牛でも可)で説明すると
牛肉が海原雄山にうまいと認められるには以下のような条件が
考えられます。
・牛の品種を厳選
・牛の飼育環境が適切
・飼料が上質で牛の品種や飼育環境に適したものであること

しかも条件が一つでも欠ければ、海原先生の舌を納得させることは
できないでしょう。

牛の品種、飼育環境、飼料が適切である割合をそれぞれ30%と考えると
すべての条件が揃う確率は0.3×0.3×0.3=0.027
すなわちわずか3%弱になってしまいます。

”良好な条件が揃えば望ましい” の対偶は
”望ましくないのは、悪い条件が一つでもある” であり
命題と対偶の真偽は一致しますので、
マーフィーの法則は”真”であるという論理となります。
(対偶とは?高校生のお子さんに聞いてください)

フッ!

あと3話


8月 キラキラの思い出


6月末に会社の採用面談面接官をしました。
(日本では採用活動が政府の要請に従い
解禁となる前の学生との接触は面談、解禁後が面接となります。
現在は6月1日が解禁日ですが2015年は8月1日だったのです。
なお面談官というのも間抜けなので面接官とします。)

面談を受ける学生さんも緊張するでしょうが、
採用面談においては面接官も気を付けるべきことがあり、
例えば昔は面接での定番である『あなたの愛読書は?』という質問も、
今は”本来自由であるべき生活信条への干渉”ということでNGなのは、
時代の流れというかびっくりです。

ところでこのマンスリー管理職の執筆も隔月というハイペースとなり、
なかなかネタを見つけるのが大変です。

マスコミ関係者は『ネタに困ったら動物園に行け』という
格言があると聞いたことがありますが、
私にとっては
マンスリー管理職のネタに困ったら広州赴任時代を思い出せ』
というくらい、やはり国による習慣の差というのは話題にしやすいもの。

色々とネタがあるのですが、
冒頭の採用面談に関係することから記憶の糸を辿って行きます。

広州の会社でも部長という役職柄、何回か採用面接を行いました。

日本では愛読書NGといいましたが、家族状況などはなおさら
言うまでもなく本当にNGなのですが、
中国では人事担当部門である総務部部長中国人)から
面接応募者に対してまず質問されるのが、『恋人はいますか?

えっ?そんなこと聞いて良いの?

面接で聞いて良いとか悪いといかいう以前に、
いきなり失礼では?と最初はびっくりしたのですが、
面接応募者も気にする様子もなく、『います』。と平然と答える。

総務部長はさらに突っ込んで『恋人はどこに住んでいますか?』

そんなことまで踏み込んで大丈夫なのか?
もはやプライバシー侵害を通り超えてストーカーレベル

総務部長の隣に座っている私の胃がキリキリと痛みます。

しかし中国での労働者雇用事情を理解すると、
そのような質問も興味本位どころか、
会社にとっては非常に重要なものであるとわかります。

中国では内陸部田舎)から沿海部都会)への出稼ぎが多いのですが、
企業においてはそのような出稼ぎ労働者の定着性が重要です。

会社周辺のお相手と結婚すれば定着してくれるし、
逆に内陸部の故郷に恋人がいれば、
いずれは田舎に帰ってしまうことも多い。

恋人はどこに?』の質問の答えは
腰を落ち着けて仕事を続けてもらいたい” という会社の要求に対して
直接的に返される言葉での返事以上に確かな確証なのです。

さらに会社は社員の定着のために、
採用後の社員に対しても対策を講じています。

総務部が作成した業務規則の台帳を見ていると、
日本の本社でも見た事のある業務規則に交じって、
合コン管理規則』というものが載っているではありませんか!

なんだこりゃ!

初めて見た時にはまず我が目を疑い
合コン”という紛らわしい日本語訳をされる特別な中国語の言葉が
あるのかと思って辞書を調べるがそんなものは載っていない。

やはり”合コン”ってあの合同コンパのことだよなぁと思いつつ、
就業規則の本文に目を通すと
地方政府の主催する合コン(的なイベントで
平日の昼間にあるんだなぁこれが!)に参加する場合は、
会社は参加対象者を人選し、
その時間帯は業務時間とみなして給料を支払う
という驚愕の内容でした。

社員の定着性を上げるには地域を上げて現地で結婚させ、
家庭を持たせるという活動を行うところが
ものすごく直接的で日本ではちょっと難しいですね。効果はあるにしても。


その他に中秋(“中秋の名月”の中秋です。
中国でも休みではないけれど、重要な季節の行事です)の会社行事
思い出深いものがあります。

中秋節といえば月餅



その日は定時時間中はみんな一応真面目に働きまして、
定時時間後にその会社行事は開催されたのです。

名付けて“中秋節“(そのまんま)。

会社の食堂に総経理(中国での社長)、副総経理私達部長を含む
150人くらいの社員が集まります。(日本人は7人)

果たしてどのような催しなのか?

総務部が秘密裏に計画していたようで、
部長といっても内容は事前に聞いておりません。

なんとメインイベントは、
『会社近隣の保育園保母さん参加での椅子取りゲーム』でした。

司会者の紹介とともにぞろぞろと食堂に入場する若い保母さんたち。
(こんなむさくるしい食堂で申し訳ございません)

司会の総務部長からは、
『保母さんは優しく包容力があり、付き合うにはとても良いです』
とまたもや直球発言

して、我が社からの参加者は?ゴクリ
『ゲームに出たい人!手を挙げて。』と司会者が高らかに宣言。

いや、なかなか手を上げる人いないだろ
一応社会人だろ大人だろ!と思うが、
ハイ、ハイ!そこら中から元気な声とともに手があがり、
応募者多数につき総務部の独断で選ばれる。
(基本陽キャでイケメン中心で選ばれたような…)

いや中国の人は変に気取らず、自分の気持ちに素直で本当にいいな~。
保母さんと一つのイスを巡り、めくるめくひととき。
タイミングが良ければ、おしりとおしりがコッツンコするかもしれません。
いや~楽しそうだな~)などと思っているうちにイベント終了

椅子取りゲームで検索すると何故か幼児の画像しかヒットしないのだが!

ここで保母さんは退場です。

あの後保母さんとつき合いましたと言う話は聞かないのだが。
うちの子達のどこが気に入らなかったのだろうか?
プンプン!結構イケメンダンスがうまい若者がいるんですよ)

メインイベント終了後は、カラオケ大会

普段ほとんどしゃべらない朴念仁部長さん中国人)が参加。
彼の持ち歌は?
なぜかギターの演奏歌ってませんやん

カラオケって娯楽、知ってます?


社員の連帯感を高めるという目的で、やはり定時後に
ラジオ体操大会が開かれたこともあります。

工場の作業員が班別ラジオ体操中国版ラジオ体操の第七
2022年時点の情報では最新版第八で、
既に中国の若者は第七はあまり知らないらしい)
正確性息の合い方を競うというもので、
出場者は事前に練習していたらしいのですが、
私には『本日定時後にラジオ体操大会があります。』
といういつもながらの唐突なお知らせ。

もう慣れっこなので、『へーそんなのやるんだ?』と思っていると
『部長は採点です。』
本当に”聞いてないよ~”です。(採点ってどうやるんだ!)

会社のエントランス前に採点者用の机とイスが並べられ、
いつの間に用意したのか『广播体操比赛(ラジオ体操大会)』という
立派な横断幕まで掲げられている(イヤいつものことだ、言いますまい)。

一同揃って行進して入場、体操を披露して退場
これを全ての班が終わるまで繰り返す。
いったい私は何を見せられているんだろう?』と
気持ちが異世界にトリップしながらも、なんとか採点はやり終えました。
 

(後記)
こんな具合に、とにかくやることなすこと自由な会社で、
今の若い人であれば馴染めないのかもしれませんが、
私にとっては、
なぜかその破天荒さが昭和50年代の日本を思い出し、懐かしい。

あの頃は、みんなノーヘルで原付バイクを乗り回し、
自動車はシートベルトをする必要もなかったですし、
電車の灰皿は吸い殻でいっぱいで、
食べたお弁当殻は座席の足元に置いておけばよいと親が指導する。

そんな無茶苦茶で勢いのある時代が日本にもあったのです。

フッ!

あと2話


10月 ロード


困ったことに皆さんに是非伝えたい!という話題がないのです。
前回投稿の後、一応家族イベントなどはあったものの、
これは!という心の琴線に触れる出来事がなかったというべきか!
それでは2カ月後にお会いしましょう。

というわけにもいかないので(半分本気で言ったのですが、
やっぱりそういうわけにはいかないですか?ですよね)、
今回は文章表現の限界を追求するという企画でやってみたいと思います。

わかりやすく言うと、内容は実に何でもないような事なのですが、
図や写真に頼らず、いかに文章だけでその詳細な状況
皆さんに臨場感をもって伝えられるか?という実験です。

テーマ
“人生において思わず『びきかよ!』という言葉を
口にしてしまうことが有り得るのか?”

私は電車で通勤しており、会社からの帰宅時には私鉄で東向きに移動し、
自宅最寄り駅で下車してからは、
家の位置の関係で駅から西向きに歩いて少し戻ることになります。

したがって自宅最寄り駅の西口と東口の二つの改札のうち
西口改札西向きに出ます。

改札を出た後は、東西に走る線路に沿って、
北側と南側にある歩道のどちらを歩いてもいいのですが、
朝は南側の歩道を歩いて駅に向かうのに、
なぜか帰りは北側を選んでしまうので、
改札を出るとまず右に曲がり歩道に出ると再び左に向きを変えて
歩道を西向きに、線路を左手に見ながら歩いて行きます。

実のところ線路は高架であるため、左手に見えるのは
実際には高架下にある店舗です。

まずはパン屋のリトルマーメイド
その次は工事中(9月29日ローソンとしてオープン)
そして順にケンタッキーフライドチキン
ドトール
J-COM
サークルKサンクス
ヘアカット専門店QBハウスとやら、
串カツ屋さん、
ギョーザの珉珉と続き、我が町の駅ビル(?)もなかなか賑やかです。

駅ビル店舗群しんがり定食のやよい軒です。

歩いていると串カツ屋の前くらいから
やよい軒四角い看板が見えてきます。

この看板は床置き型高さ1.2m幅0.6mくらいのサイズ、
歩道を歩く人から見えやすいように看板の面
歩行者の進行方向に直交するように置かれています。

それがやよい軒入口の前程よい位置に置かれており、
お腹を空かせたお客さんを店内にいざないます。

更に進んで行くと看板の向こうに、
これまで気付かなかった縦長ののぼりが見えてきました。

のぼりの字が書かれた布の部分の地面からの高さは
目測で下端は0.6m上端は1.6mといったところでしょうか?

やよい軒の看板の影にのぼりに書かれた文字下側の一部
隠れてしまっています。

のぼりは縦書き2行文章がかかれており、
文章の書き始めとなる右側の行は看板から右にはみ出しているので
上から下まで全部読むことができます。

そこには“9月4日までステーキ定食”と書かれています。

左側の行は看板で隠れて途中までしか読むことは出来ません。

なになに?見える範囲には“100”と書かれています。
最初から続けて読むと、”9月4日までステーキ定食 100…”
(まさか100円ではないよねぇ。)
という思いがチラと頭をかすめますが、
都合の良いことに進むにしたがってだんだんと下の方まで読めてきます。

それは以下のような算数の計算で説明できます。

のぼり看板の向こう側5mの位置にあり、
私が看板手前を歩きながら近づくことで、
私から看板までの距離χが減少します。

私の目の高さ1.55mですが、
看板の上端1.2mの位置で水平に引いた線と
私の目看板上端斜めに結ぶ直線
そして私の目の位置のぼりの位置でのそれぞれの鉛直の線が描く
相似な二つの直角三角形の関係から、
のぼりに書いている字がどれだけ看板に遮られているかを計算すると、
地面からの高さで1.2-1.75/χ(m)より下の文字が読めない
ということがわかります。(簡単な計算なのでやってみてください)

したがってχが5mの時は0.85mより下の字が読めなかったものが、
あと2m進むχ=3)と、
陰となる範囲は0.62m以下、
すなわちのぼりのほぼ全ての字が読めるようになるというわけです。

ということで歩きながらのぼりの文字目が釘付けです。
100”の後にさらにもう一つ0が付いて、1000円とかになるのかな?
などと思いながら歩いていると、あろうことか予想に反して
次に来る文字は“”ではないですか!

9月4日までステーキ定食100円” マジ!?
ドキドキ‼
食べて行こうかな?

しかし文章はそれで終わらず、その後に現れた文字は“”。
思わず『びきかよ!』と叫んでしまいました。

皆さんの中にも『引きかよ』と声に出てしまった人が
一人でもいらっしゃったならば、
文章表現の追求であるこの企画は成功です。

これは実話であり、確かこの事象に遭遇したのは8月28日のことでした。

その後1週間は帰宅時にやよい軒の看板とのぼりの位置関係に
注目する日々が続いたのですが、
やよい軒店員がのぼりを置く位置も少しづつ違い、
風向きによってのぼりがはためく方向も様々です。

結局二度と『びきかよ』と叫ぶチャンスには
巡り合うことができませんでした。

そういう意味では冒頭”何でもないような事”と言いましたが、
この出来事は意外と記憶に残る私好みの事件だったと思うのです。


(後記)
これがマンスリー管理職全話の中で意外にも最も反響があった記事でした。
ってあとは落ちていくだけかーい!

フッ!

あと1話


12月 にくきもの


にくきもの。 
急ぐ事ある折に居て、行く手を塞ぐ駅の清掃。
遊びたる人ならば、「退いて」とてもやりつべけれど、
働く人、いとにくくむつかし。
空港バスの席の横にモップがぶらさがりて揺れたる。
また、電話工事の折に「おい、客」と呼ばれたる。

ききなり雅な古典から始まりましたが、
いつものマンスリー管理職byトトム(すなわちくだらない内容)は
これで終わりです。

あれあれ!前回と同じ掴みではないですか?
よっぽどネタがないんですね。と思う勿れ。

ネタがないのは事実ですが、今回は少し真面目な内容にしたいと思います。

顧客満足が大切と言われていますが、
どうすればお客様に満足してもらえるのでしょうか?

製品品質やサービスの向上もありますが、
その根底には私達一人ひとりがプロ意識を持つことが必要です。

ただしこのプロ意識というのは意外と曖昧で、
人によって持つイメージは様々でしょう。

私が広州の会社にいた時も、品質向上の活動として『プロ意識を持つ
に取り組みました。

結果としては有意義だったのかもしれませんが
私にとって取り組み方については疑問が残るものでした。

プロ意識というのが、中国語で“職業化”と訳されるのですが、
それをみんながインターネットで調べ、そこに書かれている通りに、
”作業の標準化が必要”とか”技術を追求”とかなんとか言い出したからです。

確かにそれは重要ですが、どうもピンとこない。

やっぱりインターネットに書かれていることを鵜呑みするのでは、
それこそプロ意識がない。

自分で考えよう。

まずプロの対義語はアマチュアですが、
趣味の世界ではプロではない人高い技術を持っていたり、
人気があったりするのです。

ではそのような至高の技術をもったアマチュア
プロ意識があるというべきなのでしょうか? 

やはり最終的な違いは自分の好きな事にただ打ち込むのか、
お客様のことを理解して対応できるのかという違いだと思います。

お客様に対する礼儀は当然として、
何をすればサービスに付加価値がつくのかというのは
難しくてなかなか思い浮かびません。

でも逆に自分がお客として何をしてほしいかというと
結構簡単に思いつくのではないでしょうか?

買い物では、今はインターネットでなんでも買う事ができますし、
駅では新幹線も自動販売機で指定席の切符購入も結構簡単に出来ます。

それでも店舗へ行ったり、みどりの窓口にならびますね。
機械は正確無比なのになぜでしょうか?

例えばスマホとかを買いに行った時の店員の対応で、
新機種の情報や使い勝手などをあまり知らない店員がいたとしたら、
これはプロとしては0点です。

ではスマホマニアでいろいろな機能や機種毎の違いを教えてくれれば
かなりの満足度が得られるはず。

でも一番お客として求めるのは、
自分がスマホをどのような使い方をしたいのかを理解してくれて、
そのうえで、それは世間でも同じニーズがあるので
たくさんの機種がありこれだけの選択肢から選べるだとか、
そのニーズは特殊なので種類も少なく価格も高くなる
と教えてもらえれば非常に満足できるし、
それこそがプロ中のプロなのではないでしょうか?

逆にプロ意識の足らないと思う事例も思い浮かべれば、
反面教師になります。

冒頭の文章は私の記憶に残るそういうことを敢えて
枕草子第28段の冒頭のように書いてみたものです。
(なぜとは聞かないで)

解説を書きますと
いらっとするもの
駅で急いでいるのに行く手を塞ぐ掃除のおじさん。
ふらふらしている人ならば、「ちょっとどいて!」といえる
(かもしれない)けれども、働いているのでなかなか言いづらい。

⇒掃除をすることだけに集中して、
電車の発着時間に乗客が急いで通ることを考えていない。
そもそも掃除をするのは乗客が気持ちよく駅や電車を使えるため、
駅がきれいになればそれで良いというものではない。

空港バスの席の横で掃除のモップがぶら下がって揺れているのも嫌だ。

羽田から成田への空港バス(片道3100円!高い)
花の都なのにバスが汚い。
しかも後方の席に座ると真っ黒に汚れた掃除用モップ
隣にぶら下がってぶらんぶらん揺れている。なんかヤダ

電話線敷設工事の時に「おい、客」と呼ばれた。

⇒あれは結婚して社宅に入った時でした。
NTTから電話線敷設工事に来て、作業が終わった時、
工事のおっちゃんが私に向かって「おい、客」と呼ぶのです。
いやあ、超優良企業のNTTなのにびっくり。
でも実際は工事業者下請けでNTTじゃないんですよね。
でもNTTの看板をしょってるんですよ、やっぱり
みなさんもいろいろと考えてみてください。

(後記)
いや~、ネタに詰まると、古典で誤魔化すという方向性が
今(前回のシュペルターと歩む#18)と一緒ですね。

それにしても痛いところをついてくるな。

シュペルターをいくら丁寧に作り込んでも、
完成まで15年もかかるのでは、プロとしては0点ですね。

アマチュア万歳!

あれ?真っ向からテーマに反する締めでした。

フッ!

そしてすべての話が終わった!


すべての蝋燭が消えた時!
それはやって来た!

次回予告!

シュペルターやレッドミラージュ、ルミナスミラージュシリーズとは別の読み切りです。



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