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シュペルターと歩む15年記 #24

コラム16:三つの約束


口は禍の元といいますが、お酒を飲んだ席での話ならばなおのこと!
うっかりしゃべりすぎると後が面倒です。

夏休みの研究”(娘のです)も仕上がった8月下旬
その日はビルの屋上にあるビアガーデンでの職場の飲み会でした。

自分の職場の中だけなら良いのですが、
定期報告書の提出先であるジョーソーブの方もいらっしゃっておいでです。

とはいえ、対面の席に座ったのは
普段はそんなに気を遣うほどの事も無いプチ・ジョーソーブ
ラインハルト・フォン・ローエングラム候
(誰の事だか尻尾を掴まれないよう、
今たまたまスマホの漫画アプリで見た『銀河英雄伝説』中
ご本人から最も印象がかけ離れた人物の名前を思わず選んでしまった!)

絶対ばれないイメージ像

皆でお盆休みの出来事などを話しているうち、
娘の自由研究を手伝ったという私の話に
想定外に食いついてきたのはラインハルト様

そこから芋づる式にいろいろと話を聞かれ・・・

そして3つの約束をすることになったのです。

その3つの約束とは?

マンカン・ジ・アンリーシュドで、
トトムの職場の事情が分からない人向けに
お話しを再編集したいと思います。

投稿日【2016年11月】


ご存じ、良い人だけどちょっと相手をするのが面倒くさい
ラインハルト・フォン・ローエングラム候
からの圧力により
私に3つ約束が課されてしまいましたので、
この場でその約束を果たしたいと思います。

話の始まりは場末のビアガーデン、時は今年8月下旬のこと

私の席の前にラインハルト様が座られ、
お盆休みに娘の自由研究を手伝ったという話をしたのです。
ほんの酒の席でののつもりで。

こういう時、普通の人リアクションとしては
 何の自由研究ですか? 
  とか、せいぜい
 娘さんと仲が良いのですね
くらいなのだと思うのですが、  

ラインハルト様は、トトム君、なんで娘さんといっしょに自由研究したの?

いやいや”なんで?”って、
私は娘からは『心の友』 と呼ばれており、
日々家では娘のごっこあそびの相手をするくらい
仲が良いが故の行為ですよ。

ラインハルト様納得するでも、反論するでもなく
えっ?心の友ごっこあそび⁉と、
こちらの話に興味を示されまして、
自由研究のことについては既に頭の中から消え去ったご様子。

ゲ、藪蛇。仕方ない。

たとえば娘の妹役を私がすると
『ねえねえ、おねえちゃーん
とかいったセリフをしゃべらされたりするのです。
と説明すると

『トトム君が妹役すんの!?
それをマンスリー管理職に書いたらええんちゃうん! !

ええんちゃうん!”とはアドバイスではなく指示ですね。

1つ目の約束


あまり面白くないでしようが、
トトム家の歴代ごっこ遊びをごく簡単にご紹介。
詳しく書くと皆さんの耳が腐ると思いますので・・・

ちなみに、タイトル設定登場人物ともポコぞうが考案、
トトムはただ従うのみです。

CAT ' s団
おそらく”ジュエルペットサンシャイン”の
ミュージカルだよ!イェイッの巻きで見たキャッツ団
影響を受けたと思われますが、
こちらはウエストサイドストーリーではなく盗賊団

キャッツ団なのに猫はルビーのみ?


お頭はポコぞうで、
トトムは『ルビーさま~、次の獲物はなんですか~?』
とかいう手下の役。

ラブリー海賊
着せ替えシールブックの女海賊からインスピレーションを得たらしい。

右のやつ もっと派手な海賊の帽子とか被っていた


ただし海賊行為は働かず、
敵対する男海賊どもをその美しさでにするのだそうです。

お嬢様学校
お嬢様学校に通う優等生(ポコぞう)がいじめられる話。
いじめといっても階段を下りている時に、
足を引っかける板が飛び出すという大仕掛けを使って
階段から転落させるという、
クラスメートによる大胆な犯行。(殺人未遂⁉)

『私が今から階段を下りるから、
トトはちょうど良いタイミングで仕掛けのボタンを押すんだよ!』
被害者役から犯行を強要される。

王立バレエスクール
なぜ王立なのかは知りませんが、響きがよいから?
トゥシューズ画びょうが入っていたりと
古典的且つお嬢様学校とだいたい同じ図式。

森の粗末な小屋に住む貧しい姉妹
でた!トトムに『ねぇねぇ、おねぇちゃーん』と言わせた、
伝説のストーリー
森の奥深く自然に囲まれ、貧しくとも明るく暮らす姉妹であったが、
姉は病魔に冒され・・・
途中、『ゴヘッ!』と吐血するポコぞうの演技は見もの。

最新作はテーマとして娘から
三角関係四角関係ややこしい四角関係のどれがいい?
と聞かれ、”ややこしい四角関係”を選んだ恋愛ものです。
結局ややこしい四角関係には突人しませんでした。

ラインハルト様、ごっこ遊びの話で耳が腐ってしまったのか
急に話を変え、
『この間の私がマンスリー管理職で書いた
" 私の世界観"―イタリア編“読んだか?
トトム君のこと書いたぞ! !』

あぁ!もしかして先ほどマンスリー管理職
ごっこ遊びの話を書くよう言及したのは・・・

さては、ご自分の書いたマンスリー管理職のお話に
触れてほしいという”振り”だったのか!
いやいやこれは気付きませんで・・・

確かに、出張で何回かラインハルト様とともに
イタリアミラノにいきましたねぇ。

ミラノ・リナーテ空港からの帰国便が欠航になり、
ともに1日ミラノで足止めを喰らった仲として
ご期待に応え、即答せねば。

いいえ読んでません!』
だってあまり他の人が書くマンスリーって読まないんですもの。


2つ目の約束

ラインハルト様のマンスリー管理職( 2016年5月分)
日を改めて拝読いたしました。

ちなみにリナーテ空港からの帰国便欠航の事は
書かれておりませんでしたのでちょっとこの場で補足をしておこう。

当然Alitalia航空が次の日のフライトチケットを手配してくれたのですが
それ以外にもミラノ市内への往復運賃ホテル代
空港のカウンターで請求させてもらいました。

ただし、ラインハルト様が、
『欠航が無ければ今頃日本に着いていたはずなので、
当然日本料理を食べる権利がある』
という一見正しく聞こえる理屈とともに
その日の無駄に高い(冷奴3.5ユーロとか)日本食レストランでの
夕食代まで請求するのは、さすがにちょっと引きましたが

トトムはアリタリアカラーというだけでアリガタヤなのですが

こちらのほうが”イタリアの中の(特殊な)日本人観
としてよほど面白い記事になると思うのですが、
書かれていたのはラインハルト様が同行していないミラノ出張で
トトムが遭遇した事件についてでした。

ラインハルト様は、マンスリーの中で
イタリアでは常にスリには気を付けるものだと、
旅行の達人さりげアピール。

だがトトム君が出会ったのはスリというより強盗のようであった
というオチで締めくくっている。
(だから仕方ないww、ということか?)

あれは確か2007年の事。
ずいぶん昔のことを持ち出しやがったものだ。)

チッチッチッチッ!
確かにスリとはいえませんが、強盗でもなかったのです。
いわば”敵と書いて友と呼ぶ”というか。

この事件を遅ればせながら当事者として語ることが
2つ目の約束になるのですね。

私が被害(何も盗られてませんが)に遭ったのは
ローマ市内のコロッセオからローマ中央駅への地下鉄の車内。

でもそもそも海外出張地下鉄なんか乗ります?って思いませんか?
まあ長期間駐在して余程慣れたのであれば別ですが
出張では乗りませんね。

イタリア出張4回目だからといって、
気が緩んでいたわけではなく、ちゃんと理由があったのです。
なぜ”コロッセオ”という観光スポットから乗り込んだのか?
も含めて。

ミラノの外注先フォローの出張にあわせ、
さらに建設現場訪問という別の用事でローマ近郊
チビタベッキアという町に行きました。

GenovaがジェノVeneziaがネチアなのに、
Civitavecchiaだけチヴィヴェッキアなのはおかしい


ローマ・レオナルドダビンチ空港から
ッキアの建設現場までタクシーで行き、
当然帰りもタクシーの予定だったんです。

建設現場に到着し、日本からの駐在者(現場監督)のご様子伺い。

『でもローマ近郊に滞在っていいですよね。』

『観光だったらええわさ!
仕事に関しては、もうイタリア人のいいかげんさってひどいんよ。
わし今プチ引き籠りやねん。』

日本では豪胆だった人がすっかりメンタルやられている⁉

でもその割には現場事務所事務員をやっている
イタリア人女の子楽しそうに話をしている。
まぁ大丈夫なのではないだろうか。

この女の子、お尻のところがライジングサン柄
ローライズデニムパンツを穿いたダイナマイトガール
(死語か、死語なのか?)。

ここまで露出度は高くはないが、こんな感じ


私に『いいスーツ着てるね』と話しかけてくれるので、
エルメネジルドゼニアの生地なんですよ。』とホクホク答える。

こういう時は『Grazie!』だけで十分。
解説してはダメなんでしょうな。知らんけど。

本日中にミラノに戻らないといけないので、そろそろ失礼いたしましょう。
事務員の女の子にお願いしてタクシーを呼んでもらう。

しばらくして、いや結構待たされて、やってきたのは
私と同行者の2人が乗るにしては、ずいぶん大きいバンでした。

女の子はわざわざ事務所から出て我々について来てくれます。
お見送り

タクシーから降りてきたダンディーな運転手のところまで行って
何やら話している。
運転手さんに行先を伝えてくれるのかな?

大丈夫。『エアロポルト ペルファボーレ』くらい言えますよ。
と思っていたら、女の子がこちらを振り返り、『父です

えっ、お父さん? 運転手さんお父さんなんですか?。
いきなりなぜお父様を紹介いただけるの?
そういうことはお付き合いしてからでは?

などと思っていると、その女の子もタクシーに乗り込み
『私も今日はちょっと早いけど帰るので、一緒に乗っていきます。』
まあ、あなたのお父さんの車ですし、どうぞ
ん?なんか間違ってる⁉

(ホントにタクシー?それとも自家用車?
時間がかかったのは自宅から来たのかな?)
謎の空気で満たされたタクシーは、やがてローマに到着。
そうローマです。ローマの街中です。
明らかにローマ空港ではありませんな、
『ここどこですか?』

コロッセオの近くだよ、 われわれ親子は買い物をするのでね、
近くに地下鉄の駅もあるからね。チャオ!
タクシー代を支払い、そこに置き去りにされる。

フム。建設事務所の彼が”プチ引き籠りになった”というのは
イタリア人のこういうところですな。

なるほど、なるほど。まぁ落ち着こう。

確かに近くにコロッセオがある。地下鉄の看板も確認。

一応”お父さんお薦め”のコロッセオを外から眺めた後、
地下鉄でローマ中央駅に向かうことを余儀なくされたのです。

置き去りにされた日のコロッセオと地下鉄のホーム


夕暮れ時とはいえ1月なので、通勤ラッシュにはまだ早い時間帯。

こんな早い時間なのにあの娘堂々と早退して買い物に行ったのだな、
しかも他人の出張費で。と改めて思うが、怒りはない
なぜなら”イタリアだから”。

乗りこんだ車両には、何故か乗客が一杯でギュウギュウ詰め
繰り返しになるが、通勤ラッシュの時間帯ではない筈である。

扉が閉まり、発車するや否や、四方八方がら手が伸びて来て、
体中をまさぐられる

なんだなんだ!

車内は本当にすし詰め状態で、かえって隣にいる人の顔も見えませんが
どうも”混雑の中にスリが紛れている”というよりも、
スリ集団が乗っているため車内が混雑している
というほうが的確だと思える。

まぁいわばスリ列車、助け求めでも無駄。って感じですね。

スリというのは気付かれずにサッと懐から財布を抜くイメージですが、
彼らは大胆というか、 モロ、ゴソゴソやっとるやん

だだその触り方には
『わたしは決して痴漢ではありませんからね。
スリとして正しいことをしてしているんですよ』 というような
自信プライドが感じられました。

そっちがその気なら、こちらも旅人として正面から闘ってやる
俄然ファイトを燃やす

混雑する人をかき分けてわずかに移動し、伸びてくる手を躱すが、
移動した先でもまた手が伸びてくる。

そうだ、ここはスリで満たされたスリ列車だったのだ。

むしろ異分子はノコノコ乗り込んだ我々二人の日本人のみ!

考えろ考えろ

周りをスリ達に囲まれた状況で、 常に相手と相対速度を確保して
伸びてくる手を躱し切るには!?!

そうだ、その場で回転すればいいのだ!

日本ではマネをしないでください。


私はローマ中央駅につくまでに15分くらいその場で回り続けました
おかげで何も盗られず、 闘いの後の清々しい余韻に浸る私でした。 

それは回転防御の効果だったのか?という話ですが、
迂闊にもコートの内ポケット
現金パスポートを入れていた私は無事で、
回転防御をしなかった同行者のヤン・ウェンリー君は、
出張用カバンのファスナーを開けられたうえで
会社の携帯を盗られてしまったので、
やはり効果は絶大だったのだろう。

携帯をスラれ、うなだれるヤン君


9月になり、新しいマンスリー管理職配信されました。
念のため、チェックしておこう。

虫の知らせが当たる。
!やはりラインハルト様の担当記事が載っている!

どれどれ。

先日のビアガーデンの事を書いちゃってるじゃありませんか!

う~ん、マンスリー管理職執筆担当月の直前だったとは
タイミングが悪かった
いや、執筆担当月があと2~3ヶ月遅かったとしても
彼は決して忘れたりしないだろうな。

何々!
親が子供の宿題を手伝うことに関して教育的見地からどう見るか?
ですと!

面倒くせぇ

ビアガーデンでの会話ではいやにあっさりとスルーしたと
思っていたのですが、
まさか後日時間をかけて論理構築するためだったのか⁉

当日は話題にならなかった、この舌戦に応じる事は、
時限爆弾のような約束ですが、

3つ目の約束

と致しましょう。


子供の宿題を手伝うというか、
今年の夏休みの自由研究で小学3年生の娘と一緒
紙粘土で板の上に山脈等を立体的に表現した日本地図をつくった
という取るに足らない話がなぜか変貌を遂げ、
何やら軽く教育論でたたみかけられているような気がするのですが、
まずは白旗を揚げさせていただきます。

不戦不敗!

ラインハルト様マンスリー管理職で書かれているように、
”子供を補助して実力以上の高度な事をさせる”意図があったのだとか、
逆に”任せて子供の自主性を養うのが正しかった”のだとかといった
教育的見地から振り返るまでもなく、
娘と一緒に工作をしたかっただけなのです。

主なところは娘がやり、 親は手を出しすぎないように遠慮しつつも、
ついつい本気になってしまったりしたのですが、
楽しい時をすごしました。

ちなみに父親が子供の工作に本気を出してしまうのは
憲法で保障されている基本的人権の一つです。

最高裁判例としてこんな事(実話)がありました。

娘のポコぞうと一緒に近所の海水浴場に行った時のこと。
ポコぞうのお友達、渚カヲルちゃんとばったりと出会ったのです。

プライバシー保護のため性別と年齢を変更しています。


ポコぞうカヲルちゃんとで砂遊びをし始めましたが、
『お父さんも手伝って!』と言われ砂遊びにジョイン

当然小学校低学年カヲルちゃんも一人で海に来ている筈もなく
気が付けばカヲルちゃんの父親らしい男性が近くにたたずんでいる。

『あっ、どうも』
『どうも・・・』

カヲルちゃんのお父さんはクールな人のようで、
子供たちの砂遊びに加わる様子もなく
ただ傍らに立ち、だまって娘を見下ろすのみ。

砂遊びはトトムの強力なリーダーシップもあり、
定番のダムへの海水引き込みから、山づくりに移行。

そして山がそこそこ大きくなった時に、
トンネル掘ろうぜ』とトトム提案。
『(トトムは)ポコぞうと一緒にこっちから穴を掘るから、
カヲルちゃんは反対側からお願いね!』

模範的なトンネル山

砂浜の砂がいくら十分な水分を含んでいるとはいえ粘土質ではないので、
山を崩さないようにトンネルを開通させるには細心の注意が必要。

トンネルが深くなっていくに従い天井の強度が落ちるのだ。

こちら側はトトム中心に少しずつ砂を削り取るように掘り進めるが
カヲルちゃんのほうは、さすがに大胆な掘り進み具合。

このままではトンネルが崩落してしまう
(まぁ子供の遊びなので、それはそれで楽しいけれど)

その時!
『カヲル、お父さんに代わりなさい!

さきほどまで冷ややかに我々の様子を見下ろしていたカヲルパパ
突然の参加

結局、大の男2人の共同作業により無事トンネルは開通。

さてカヲルちゃんのお父さんの判決は?

無罪!

無罪ですよね~

さてラインハルト様も同じ状況になったら、
トンネル掘りを我慢できますかな

後記【2024年】

当時直属の上司、いわばライン長であったラインハルト様に関して、
note文章中では結構無茶苦茶書いてます。

当然、職場内で公開するオリジナルマンスリー管理職では
皆さんの手前もっと遠慮した表現だったのですが、
note版のマンカン・ジ・アンリーシュド化に際して
”知っている人には見られない”と陰口を書いている訳ではなく、
実は普段から私と彼との関係はこんなものなのです。

ラインハルト様は顔が若干怖いうえに、遠慮なく正論を宣うので
みんなは怖がってあまり率直な会話をしません。

どうも彼はそれがさみしいのでしょう。
ズケズケと言ってあげるとそれが結構うれしそうなのです。

今回noteで、本来あるべき表現を用いることができ
ラインハルト様草葉の陰で喜んでおられることでしょう。
(いやいや、ラインハルト様は
今は私の上司のポジションではありませんが、ご健在です。)

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