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中国語16ヶ月目-データでみるいち中国語学習者の道筋-


1.データでみるいち中国語学習者の道筋

先月「中国語15ヶ月目」で今までの中国語に対するモチベーションに関して簡単なグラフを作成しました。今まで、なんとなくモチベーションの波があったなぁと思ってはいたけれど、あくまで自身の感覚に依拠したものでしかありませんでした。しかし、今まで書いてきた中国語学習日記を基盤にして簡単なグラフを書いてみたら、今までなんとなくの感覚が可視化され、目の前に提示されたような感覚になりました。
なんとなくで流れているもの、そこにあることは知っていたけれどずっと見えていなかったものが急に見えるようになる、その瞬間の快楽は、言語を学ぶ時に感じる強烈な快感と相通じるものがありました。その時、データも一種の世界をみる見方の一つであることを学びました。
というわけで、今月のテーマは「データでみるいち中国語学習者の道筋」です。

①具体的にどのくらいの時間がかかるのか?

言語を勉強し始めると巷に溢れる合格体験記が妙に目につくようになります。
「◯ヶ月でHSK6級」「この勉強法で中国語がペラペラに」という合格体験記を読むたびに、その人がとてつもなく勉強しているように感じて絶望感を感じる時があります。
どのくらい勉強したか、どのくらい時間をかけたかという点が明確化されていないため目標到達まで”無限に”勉強しなければいけない、そんな感覚に陥ります。
なので、自分はどのくらい中国語に対して時間を使い、それがどのような結果をもたらしたのかということについて調べました。

1つめの点:HSK4級、2つめの点:HSK5級

グラフは2022/3/18に始めてからの時間を集計したもので、丸でHSKを受験した日時を示しています。言語の実力をはかるのはとても難しく現時点では正直HSKしか基準になりうるものを見つけられなかったです。
最初の点がHSk4級244点をとった時は、110h、HSK5級受験時(まだ結果未発表)は286hという結果に。

②モチベーションのブレの可視化

言語を学ぼうとする時に「毎日◯分」と目標を掲げるけれど、実際やってみたらそんな毎日決まった時間で勉強なんてできないとなることもしばしば。毎日安定してできない自分に落ち込むまでが一セットです。けれどそもそも毎日同じモチベーションを保つというのは、不可能なものに挑戦して、敗れて自信がなくなっているようなもの。そもそも目指す場所が違います。特に私は気分の波が激しいタイプなのでよく落ち込んでいました。
そのため、まずは気分の幅を可視化してみることにしました。
各週それぞれの1日平均勉強時間のグラフです。(急激にグラフが上がっているのは台湾留学によって授業を受けているから)

ここでわかった点は3点。

(1)全体的に勉強時間は右肩上がりであること。

→これは少し意外でした。なぜなら最初の方が「勉強やるぞ!」という意志が強かったからです。学んでいる!頑張っている!という感覚が強かったのですが、今の方がどちらかというと「頑張る!」という情熱は低いのに時間としては今の方が多い。
この理由はそもそも中国語を受け入れるキャパが増えたこと。
最初は中国語が異質なものだったため受け入れるだけでストレスが大きいですが、慣れていくことで自分が受け入れられる中国語の量も大幅に多くなること。それによって「頑張ろう」というエンジンが少なくても長く走れるようになります。
また計測しやすく、時間も多くかかる言語交換が後半に増えたというのも大きな要因です。

(2)最近の方がブレが多い。

→これに関しては、理由があります。それは言語交換の周期が基本2週間に一回だから。
私は今言語交換をしている人が3人いるのですが、2人は隔週で同じ週に行い、1人は毎週行うというスケジュールで行っています。つまり、ある週は一回、ある週は3回と大きな差が生じるわけです。そのためモチベーションによるものというよりは、勉強方法とパターンによるブレというわけです。

今後は勉強方法の種類別での勉強時間などより細かいデータを収集したいです。

2. HSK5級の受験

約半年ぶりにHSKに受けてきました。まだ結果は出てないですが所感を少し述べようと思います。一番大きな違いが听力と阅读の手応えの違いです。HSK4級は听力の方が成績もよく手応えもありました。しかし今回HSK5級はその逆。阅读の方が手応えがあり听力に対しては何も聞き取れず危機感を感じました。
おそらく出てくる語彙のレベルの差が大きいと思います。最初の方は簡単な単語が出るため比較的何度も何度も使う単語が出てきますがレベルが上がるほどより難易度があり、使用頻度が低めな単語が登場します。阅读は高いレベルでも漢字さえわかれば大体の意味が推察できてしまう、また私の記憶方法は映像記憶の方が強いので覚える速度も早い。
しかし、听力はそうはいきません。認識するためのヒント(漢字)が奪われ、かつ慣れるのに時間がかかる。そのためレベルが上に上がれば上がるほどこの二つの差が開いていきます。まだ、結果も返ってきていない段階ですがやはりもう一段上がるには「何か」が必要な気がします。

3.中国語コンテンツ  

「以家之名下」(邦題:家族の名において)

あらすじ
血の繋がっていない3人兄妹の⻑男・凌霄(宋威龙)、次男・賀⼦秋(张新成)、⻑⼥・李尖尖(谭松韵)は、それぞれ幼少期のトラウマを抱えながら、李尖尖の父・李海潮(涂松岩)と凌霄の父・凌和平(张唏临)の元で元気に育っていた。本当の家族以上に支え合ってきた3人だが、兄2人が高校卒業後、とあるきっかけで離れ離れになってしまう。9年後、2人の兄と再会した李尖尖は、兄妹として失われた時間を取り戻そうとするが、兄たちに思いを寄せられ、次第に自分の恋心に気付くようになる。お互いを思い合う若者たちが、実の家族との関係を⾒つめ直しながら、新たな愛と家族の形を探していく。

https://navicon.jp/news/63842/

久しぶりに最後までみた中国ドラマ。評判が高かったためドラマのタイトルは知っていたが最後までみると、タイトルの意味がよくわかるドラマでした。



様々な要因で血縁関係のある母、父と一緒過ごせなくなった2人が李尖尖の父、李海潮を中心に一緒に育つ3人兄弟の話。
その後凌霄は血縁関係上の母に苦しめられ、賀⼦秋の血縁関係上の父も「息子」という血縁で結ばれた義務を押し付けようとして賀⼦秋は苦しみます。「家族」は社会通念的には血縁関係で構成されているものだが、家族という名において時に義務や責任を押し付け苦しめられることもしばしば。その社会にある家族の多様な面、また「家族」として当たり前に考えてしまう固定概念を揺らし考える機会を与えてくれる良いドラマでした。
最初は日本語字幕で観て、その後は中国語の字幕でちょこちょこYoutube上にあるクリップを見ました。そして最後にいつものドラマ好きの中国語の先生と語りました。その中でこんな会話が交わされることが出てきました。

“我觉得朋友,家人等等这些的称呼不能表达所有的关系。在世界上,有很多没有称呼的关系”(私が思うに、友達、家族といった呼称は全ての関係を表現するのは難しい。この世界には名前のつかない関係もたくさんある)


また機会があったらドラマ単体でもNoteを残したいと思っています。


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