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やっぱり、「環境設定」と「待つこと」は大事ですね

この仕事をしていると、いつも感じることがあります。

こだわりのある方たちの支援をしていると、
環境設定がいかに大事か、そして、こだわりを持った本人が、落とし込むまでに時間を要することをです。

先日も、そのようなことがありました。

送迎車の中。

年齢によっては、チャイルドシートを使用しなければならない方がいます。
ところが、中学生の男児が、そのチャイルドシートにこだわりを持ってしまったのです。もちろん彼は、それを使用する体形ではありません。

チャイルドシートは3つ。常に使用できるように車の中に常備しています。
その日は、一人だけチャイルドシートを使う状況でした。

帰りの送迎車内。
ふと見ると、2つのチャイルドシートを重ねて、その中学生の児童が座っています。これでは、危険で車両は出発できません。
それを見て、当然チャイルドシートを外すように、彼に話しかけます。
でも、一向に彼はそれを外すことをしません。
送迎中ケガをする危険性があるため、半強制的にチャイルドシートを取り上げました。
その後は、甲高い奇声が車内で5分間続きました。
この日は、仕方なく1つだけチャイルドシートをして、ご自宅へ送迎しました。

翌日、この状態を解消すべく、すぐに環境設定をしました。
予備のチャイルドシートを、車内に置かず、彼のこだわりとなりそうなものを全て取り除きました。
そして、迎の送迎車の中。
当然のごとく、彼は乗車するなり、チャイルドシートを探し回りました。
ワゴン車の中には、当然彼の期待するものはありません。

捜して、無いことを悟った彼に、無いことを説明しました。
しばらく小さな癇癪があり、出発できませんでしたが、そのあとは言葉がけをせず、彼の心が治まるまでただひたすら待ちました。

そして、5分後。
ようやく状況を落とし込んだ彼は、席に座ってくれたのです。

世の中には、「こだわり」があるから、では済まされないことが多くあります。これから大人になってゆく過程で、たくさんそのようなことに突き当たってゆきます。
もしそれが、可能である内容ならば、
個々の特性を考え、環境設定してゆくことは重要だとあらためて感じました。
そして理想は、納得するまで待ってあげることができれば、本人も一つ習得できます。

これは、なかなか難しいことだと思います。

そのためにも、普段から一人ひとりの行動の変化に、いち早く気づき、チームで対応してゆく必要があると、あらためて感じた出来事なのです。

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