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私の詩集

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自作の詩をここに纏めます。 不定期更新です。
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記事一覧

詩「プリズム世界」

詩「プリズム世界」

とある透明な三角柱
そこに白色光を通せば、あら不思議
光は多色のスペクトル
白色光はあらゆる色で構成されているのが暴かれる
この現象を起こす物体はプリズム
実はプリズムが通すのは光だけではない

とある樹木を通せば、直ぐに果実が手に入り
とある肉牛を通せば、直ぐに希少部位が手に入り
とある鉱石を通せば、直ぐに宝石が手に入り
とある映画を通せば、直ぐに名場面が手に入り
とあるラジオ番組を通せば、直ぐ

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詩「待合列車」

詩「待合列車」

俺たちの生きる世界にはある都市伝説が存在するのさ
ある日、相方が怪我を負ったとか
ある日、相方が病気に罹ったとか
ある日、相方が罪を犯したとか
ある日、相方が粗相をしでかしたとか
ある日、相方が新天地で頑張ろうと決意したとか
ある日、相方が新しい命を授かったとか
それらは全て例だけど、この世界に取り残される時が来る
まだ別れを決めず、膠着状態を選択する時
とある列車の乗車券を手渡されて案内されるん

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詩「最後に意味を付け足させてください」

詩「最後に意味を付け足させてください」

檻から放たれた2匹のモルモット、まだ見ぬ世界へ
2匹のモルモット、それぞれ性格が相反する
一匹は寡黙で何を考えているのか分からず、孤独を恐れず、されど立ち振る舞いは優しく
一匹は多弁で何も考えておらず、独りを恐れて、あらゆる敵をなぎ倒す
価値観、距離感、責任感、他にもあるものの思想や生き方がそれぞれ異なる「茄子」と「唐辛子」の2匹は仲が良いと言う

旅を続けて辿り着いた華やかな大都市
都会は夢が叶

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詩「生きる物」

詩「生きる物」

この世には玻璃の箱がある
一見、全て透き通って見えるものの、よく目を凝らすと澱みの泥が顕在する
それは距離によって左右され、近き物には箱が見えず澱みのみ存在すると思い込み、遠き物には泥が見えず麗しき玻璃のみ存在すると思い込む

だから、ある時玻璃の箱が崩れ澱みの泥が露出した時、人はそれを手のひら返しに拒絶する
澱みは金であり
澱みは性であり
澱みは時であり
澱みは力であり
澱みは質である

これは

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詩「星になった悪魔への手紙」

詩「星になった悪魔への手紙」

天使が地上で泣いている
しとしと涙を流している
突然の別れは受け入れ難い
あれから一年が経つ
悔しさは未だに燻って
まだ世界は悲しみに包まれたまま
代わり映えのない新しい日常の中で
悪いけど一度は考えた
愚痴にしかならないけど
地上に甦ってほしいと
サンサーラの船に乗って

私は謝らなきゃいけない
確かに面白いと思っている
しかしながらお気に入りには届かなかった
はっきりと覚えている
悪魔のように

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詩「僕の旅」

詩「僕の旅」

行き先知らないバスを乗る旅
誰が始めたかは知らない
辿り着いた場所は都会かもしれない
田舎かもしれない
あるいはどちらでもないかもしれない

バスを降りて所持金がない
まだ旅は終わっていないのに
ヒッチハイクをするのか
たまたま見つけた食堂に住み込むのか
あるいはこのまま足を止めないのか

これは夢ではない
夢と思うなら試してごらん
自分の頬がジンジン痛むのが分かる
何故こんな現実にいるんだ
誰も

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