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【投機の流儀】今はバブルの欠片もないが、将来は必ずバブルめく時が来る。その時のために、今から心構えを練っておきたい

第1部;当面の市況

(1)記録ずくめの「2023年度」は、斯くて終わった。

1.記録ずくめを列挙しよう。
〇 日経平均の上昇率は3年ぶりの44%高(1972年は95%高)
〇 上昇幅は過去最大の12327円幅
〇 円安幅は18円幅、2000年以来の大きさ
〇 長期金利の上昇幅は05年以来の大きさ
〇 キン先物の上昇率は過去最高13%
〇 33年ぶりの全国不動産の上昇

2.世界的なインフレ傾向と米経済の好調が背景にあった。

3.「30年ぶりの賃上げ」が実現して「分配の好循環」に尽くした。
(34年度は「33年ぶりの賃上げ」)

4.輸入価格上昇のコストプッシュ物価高を契機として「30年のデフレマインドからの脱却」(インフレマインドへの「メガトレンドの変化」を背景とした)

5.岸田政権が標榜する「分配と成長の好循環」が現象面に出て来た。
(「分配」=賃上げ 「成長」=2%インフレ)

6.この機をとらえて、じぃっと睨んできた慎重居士の策師である植田総裁がマイナス金利を撤廃した。事実上、長期金利の0.1%上昇に踏み切った。「異常な経済」から「普通の経済」に戻した。デフレ脱却は道半ばだが、その端緒は確実に捉え、それを表明したに等しい。

7.半導体関連が指数を押し上げた。SCREEN Hr(7735)年間3.4倍、東京エレクトロン(8035)2.4倍、三菱重工(7011)243%上昇、フジクラ(5803)143%、荏原(6361)124%という調子で、オールドエコノミー重厚長大イメージ銘柄も活躍した。総出演の循環買い相場が演ぜられた。

斯くて、新たな年度を迎える。

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