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【投機の流儀 セレクション】外国人材が再拡大

少子化が進む中で、働き手としての外国人材は重要度が強まっている。コロナ禍で入国は一時ストップしたが、水際対策の緩和で再拡大した。昨年度の外国人労働者は182万人となって、過去最多となった。10年以内に500万人にはなるだろうと筆者は思う。
日本で働きたいと思う外国人はたくさんいるはずだ。しかも、彼らは筆者が見る限り(狭い範囲かもしれないが)非常に真面目で勤勉である。彼らは日本人になりたがっている。そして、入国後3年で350万円を貯金する。そして、その間に証券投資を勉強して、入社後5年以内には投資家としての一面も生活の中に組み入れるという人が比較的多い。

最大の人材を送り出している国はベトナムであるが、一人当たりGDPは3800ドルである。次はフィリピンであるが、これも一人当たりのGDPは3500ドルであり、インドネシアは4300ドルであり、いずれも日本の一人当たりGDPよりははるかに少ない。10分の1だ。

日本で働く外国人は、昨年は182万人で過去最多であったが、2030年にはおそらく2倍以上の400万人、2040年には3.5倍の630万人になるであろう。そして、これは勤労者として一時的にとどまるのではなく、日本人に帰化してもらうのがいい。
滞在期間の長期化などを検討する必要があると訴えているが、滞在期間を20年〜30年に長期化して、出稼ぎ先としての日本の優位性を示して同時に人口増大を図る、これが筆者の考えである。

大和民族は元来、南からと北からと西からの移民で成立している。これを小学校時代から教える必要がある。アメリカが移民をどんどん受け入れるのは、指導者が移民の三世四世だからだ。全員が自分も移民であることを自覚しているからだ。トランプはスウェーデンの移民3世、ケネディはアイルランド移民3世だ。日本も「移民で出来ている国」だということを小学校から教える必要がある

筆者はシンガポール生まれの長野県育ちであるが、長野県の「教育と文化を考える会」に入っていて、そこでは大いにこの「教育の遅れ」を主張してきたが、あまり反応がない。教師自身が、自分が移民の末裔であることを自覚していないのだ。

【今週号の目次】

■ 第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)週末の市況は大幅続伸、8ヶ月ぶりに年初来高値更新
(3)植田体制になってからの最初の決定会合が、為替市場では円安が進行、株は買いへの動意の契機となった。
(4)植田新総裁が難局に挑む。
(5)海外勢が4週連続で買い越した。
(6)“Sell in May.”はまた起きるか?
(7)やはり、サンドイッチ相場・ボックス相場の域
(8)「割安放置株、狭まる包囲網」
(9)PBR1倍割れの企業に、東京証券取引所は改善策を求めている。最も安易な方法は自社株買いだ。これについて、多少の注意は有りたい。
(10)自社株買い、取得枠最高9兆円─自社株買いに対する評価も変わる時が来る。
(11)植田体制になってから、初めての日銀の金融政策決定会合は終わった。
(12)植田日銀「早ければ6月の金融政策決定会合で長期金利目標の撤廃」という見方は当たらない。

■ 第2部;中長期の見方
(1)米銀行の経営懸念、日本景気も「後退期」に向かうであろう。
(2)「連合」(日本労働組合総連合会)は今の会長ではおぼつかない。
(3)東証が1月下旬に出した改革案に対する外国投資家の関心は、極めて高い。
(4)外国人材が再拡大
(5)英国がTPPに参加した意味は大きい。
(6)フランスの在り方は心配不要
(7)基軸通貨であり続ける米ドル
(8)プーチンが駆使する傭兵部隊「ワグネル」
(9)東電の高給に批判、家庭向け電気料値上げ公聴会は堂々巡り
(10)ますます中央集権の独裁政治を目指す中華人民共和国の恐ろしさ
(11)中国共産主義の大きな自己矛盾
(12)日本経済の地盤沈下を止めるにはどうするか?─2023年3月の野村総研未来創発センター戦略企画室長「先進国から滑り落ちるニッポン。復活のカギは社会のマインドチェンジ」より要約する。
(13)アンチ・ケインズの経済学=伝統的な需要管理の経済政策・景気政策ではなく、供給側を増進する経済政策=MSSE

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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