沼を作る〜豆皿つまみの愉しみ〜
実家がトランクルームになるのはよくあるあるで、娘たちも衣替えのシーズンになると、洋服を入れ替えにやって来る。
二人で住むには十分な広さの部屋を借りていて、ひと部屋余っているぐらいなのに、家具を置いていないのでしまうところがないらしい。
まあそれはいいとして。
先日、難関試験を終えた娘2が来て、衣替えはしたいものの、午後から学校に面談に行かなければならないので、その荷物を持って出るかどうかで悩んでいた。
うちから学校まではそう遠くないので、「また戻ってくれば?」と言うと、そうするわということで、夕飯もうちで食べることになった。
夫は夕食後に出かけて行ったので、娘と二人の夜。
「八時半ぐらいのバスに乗れば、そんなに遅くならずに帰れるんじゃない?」と言ったら、娘、「え?そんなに早く帰らせられちゃうの?」
・・・・。
明日仕事なのに?
このところずーっと試験勉強に忙しくて、うちに来たのは三ヶ月ぶりぐらいだし、ふだんほとんど連絡を取り合わないので、積もる話もある(?)のだろう。
まあゆっくりしていけばいいだろうと、リビングでお茶を飲んでいる時に、ふと、(そうだ、昨夜飲み残したワインソーダがある)と思い至り取ってきた。
私も娘もアルコールに弱いので、ほんの少しあればけっこういい気分になれる。
「ママ、ちょっとこれ飲んじゃうわ」と、切子のグラスでちょびちょび。
一応、もう一つグラスを置いたら、娘もちょびちょび。
「美味しいね」と言いながら、あら、これいいじゃない、と思ったのだ。
その日はもう夕飯を済ませていたし、日頃アルコールを家で飲む習慣がないので、おつまみらしきものはない。
缶の底に残っていたワインソーダを娘と分けてちびちび舐めていただけなのだが、リラックスできて、とてもいい気分だったのだ。
これにちょっとしたおつまみがあれば、なお嬉しいよね、癒されるよね、と思った。
桃の季節なら絶対にモッツァレラ。
今は柿があるのでカマンベールをフライパンでさっと炙ってのせたり。
ナッツを少しに、ちょっとポリポリつまめるようなフリット。
トロッと煮込んだお肉の残りでもあれば上等上等。
自家製ひじきたっぷり入りのポテトサラダなんかも絶対に美味しい。
いいじゃない。
娘たちがごはん食べに来るというと、私はよそのお母様方とは違って(・・・・め、面倒・・・・)と思ってしまうクチなのだけど、何も大きなものをバーンと作らなくても、冷蔵庫の中にある余り物や残り物でささっと豆皿つまみ。
いいんじゃない?
ちょっと研究してみようかしら。
俄然、夕飯のメニュー考案が楽しくなってきた。
昨日は、帆立貝柱をさっとバターで焼いて、刻んだキウイにオリーブオイルと醤油を少し垂らしたソースで。
鶏のささみと大葉・チーズのミニ春巻きには甘酸っぱいチリソース。
お米はガーリックリゾットにした。
野田琺瑯にストックしているキノコのマリネと茄子とピーマンの揚げ浸しもあり。
ワインソーダを開けて、夫と乾杯。
笑うなかれ。
我が夫婦、ワインソーダ1缶を二人で一晩に飲めない。
ラップをして、再び冷蔵庫へ。
どんだけ弱いの?
それでもいいの。
美味しいから。
今度娘たちがくる時には、「夕飯ーーー」とやらないで、「ちょっとこまごま並べるから、のんびりちびちびやろ」ということにしよう。
豆皿つまみを極める。
楽しみだ。
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