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作業療法士が伝える精神疾患の作業療法

今日は精神疾患の作業療法について。
私のフォロワーさんには精神疾患の方が多いです。
私も双極性障害の当事者です。

「作業療法受けてるけど、何をみてるの?」
「作業療法って意味あるのかい?」
なんて思っている方、多いのではないでしょうか。

それぞれ作業療法士によってみている箇所は違うと思いますが、
私が思う作業療法について考えてみようと思います。
あくまでも一例なので、ご参考程度にお願いします。


作業療法とは

私は考える作業療法とは、一言で言うと
「個人がその人らしく生活できるよう支援すること」

例えば日常生活動作(入浴・トイレ・着替え)
手段的日常生活動作(家事・洗濯、金銭管理、服薬管理、公共交通利用)、
社会活動(就労、社会参加)
などがその人らしく行えること だと考えています。

精神疾患の作業療法

精神疾患の作業療法では精神的な健康を支援するために
その人の目標やニーズに合わせて行っています。
作業療法士は何を見ているのでしょうか。
私の復習も含め、解説していきます。

個人での活動

例えを出すと

  • 読書

  • パズル

  • 塗り絵

  • 裁縫

  • 音楽

  • 自分の好き、興味のあること などなど

自身でできそうなものを選択して行ってもらいます。
気分転換やストレスの解消、
どれぐらい集中して行えているか?

ということを確認しています。
また、パズルや塗り絵などの場合は
考えながら行うこと(認知機能の低下がある場合)
ができるか確認をしています。
それから生活リズムの安定化なども図っています。

集団での個人活動

上記の個人活動を何人かのグループや
少し刺激のある場所(静かではないところ)で行ってもらいます。
ここでも

  • ストレスの具合はどうか

  • 感情や表情に変化はみられるか

  • ストレスや感情の変化にどのように自身で対処するか

  • 違う環境で集中できるか

  • コミュニケーションがうまく取れる状態か

などを見ています。
集団での個人活動はやや難易度が高くなります。

集団での作業療法

個人活動が安定してできるようになると、集団での活動に移ります。

  • 集団で散歩、運動、レクリエーション

  • みんなで一つの作業を行う などなど

ここで見ていることは

  • 集団での作業に集中できるか

  • ストレスや疲労の変化を知る

  • コミュニケーションの取り方

  • 個々の役割を持つ、行う

  • 感情の変化

  • 社会活動への参加で自信をつける

などが挙げられます。
よりストレスがかかる環境での対処法などを学びます。

社会活動へのアプローチ

  • 農作業やホチキスの詰め作業

  • 外出しての買い物、金銭管理

  • 服薬管理

  • 公共交通、自家用車での移動手段

  • 当事者で集まり、勉強や情報収集

などが挙げられます。
作業療法士がみていることは

  • 疲労度、ストレス、感情の変化

  • 社会的な活動への意欲

  • 認知機能の低下がないか

  • 再発しないような生活方法が学べているか

  • 身の回りのことがある程度行えているか

  • 自身でのいろいろなことに対する対処法があるか

などを見ています。

デイケア・リワークでの作業療法


こちらは生活習慣の構築や
仕事や家庭復帰に向けての作業療法を行っていきます。
自身の病状の振り返り、
仕事を模擬的に行う練習(グループワーク、デスクワーク)
継続して通うことができる

などですかね。

こちらは通うことに自己判断がついてきます。
疲労が出れば休む、行ってみようと意欲がある。
もちろん、無理は禁物です。

終わりに

作業療法と一言で言っても色々なことを行い、
作業療法士が細かく観察しています。
不安や疑問があれば、
担当の作業療法士にどんどん聞いてみてください!
きっと答えてくれるはずです。

改めて、今回の記事は
私だったらここを見て、考えている
といった個人の見解ということをご了承ください。
全ての作業療法士がこのように考えているわけではないですし、
それぞれの作業療法士によって考え方・アプローチは異なります。
対象の方一人一人によって目的や意味は異なりますので、
ご理解いただきたいと思います。

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