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映画感想文:ファースト・マン

※ネタバレ少なめに書いているつもりですが、気になる人はご注意を。




ララランドのスタッフと主演俳優が作った新しい映画。
この監督さんの過去作は好きだし主演のライアン・ゴズリングも好きだから期待せずにはいられなかった。

人類初の月面着陸に成功した男、その輝かしい功績の裏側にあった苦悩と家族との物語、、といった感じのストーリー。
全体的に暗いトーンで作られていて、緊張してから落ち着いて、の連続。ロケットとかの乗り物に乗っているシーンは基本コックピットの中だけを映していて、それがとても狭くて暗い。観客に乗組員になった錯覚に陥り、不安感を煽られる。

最初から娘が亡くなっていて、その後の生活もどこか虚ろげな表情の主人公。
打ち込んでいる仕事でも仲間を事故で亡くしたりとどんどん悲しい状況に。幸せなはずの家族との時間も心から楽しめない様子でどんどん追い詰められていく。それでも月に行くことをやめない彼を、何がそうさせるのか不思議だったのだけど、クライマックスのシーンでその疑問は補完され静かな感動がやってきた。脚色されている実話ではあるが、とても好きだった。

振り返ると、何かを成し遂げるような人は常に孤高である、ということを感じた映画だった。支えてくれる人々はいるけれど真の意味では独りでの戦いをしているんだなあと。自分はそんな風にはなりきれないけど、そのような姿にすごく魅力を感じる。

あと何より、緊張感や不安感を煽るBGMがとても良かった。出過ぎず引っ込みすぎず、それでいて頭に残るメロディ。ララランドのようにミュージカルの華やかな曲も良かったけど、今回のような静かな曲も素晴らしかった。

派手な映画ではないと思うから好き嫌いは分かれると思うけど、僕は好きでした。

7/10点

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