なぜこの人と結婚したのか つづき

父はアル中でギャンブル依存DV、自己愛性の母からは結婚生活のありとあらゆる不満を聞かされながら育った出自を隠してした結婚。

向かない子育てをしていた結婚15年目くらいに、トラウマフラッシュバックがキツくなり、怒りの感情を抑えきれなくなったわたしは、夫にとうとう「普通の家庭の出身ではない」と白状した、という話を前回書きました。

白状したのですが、夫は「騙したな!」ということはなく、「回復できるように協力する」と言いました。

愛され育ちの夫は、世の中に機能不全家庭というものがあるとも知らず、アダルトチルドレンと言われる症状の大人がいるということも知らなかったとのこと。

なので、夫からのアドバイスは、「トラウマに向き合って嫌な気持ちを思い出すのはよくない」などと、最初のうちは頓珍漢なことが多かったのですが、書籍を読んだりして知識をつけてからは、大きく的を外すことはなくなってきました。

夫と対話するにつれて、愛され育ちの人たちには、自己受容というものが自然に備わっているらしい、ということがわかりました。

また、愛され育ちの夫は、親というものについては、「親に育ててもらったことはもちろん覚えているけれど、人生のある頃からその存在を感じなくなっている。もちろん、思い出せば思い出せるし、たまには顔を出そうかなと思うけれど、いつもは親のことは全然考えていない」と言っていました。

それを聞いて、びっくりしたのです。わたしは、常に親のことが頭から離れず、こうすればああ言われるのではないか、とか、過去にこういう時にああいうことを言われた、悔しい、とか、

親のことが頭から離れない、まるで、頭の中で親を飼っているような状態がデフォルトだったので、「親のことなんて全然考えに浮かばない」という夫にびっくり仰天してしまったのでした。

話せば話すほど、アダルトチルドレンと愛され育ちでは持っているものが全然違うということが浮き彫りになり、とても落ち込むこともあったのですが、

最近、結婚20年目を目前にだいぶ調子が良くなってきた私と話しているときに、夫はとても喜んでいる様子なので、

よくなってきて本当に良かった、と思うと同時に、辛抱して待っててくれてありがとうございました、という気持ちでいっぱいになるのでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?