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さえずり(恋愛)

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過去のTwitterの投稿とnoteの記事をまとめました。 「恋愛」がテーマです。
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記事一覧

山羊さん郵便

山羊さん郵便

昔、5年付き合っていた人とは遠距離恋愛だった。
就職した彼の配属先が地方だったからである。
お互い就職したばかりでなかなか会うことも難しく、接点を持つとすれば夜に電話するくらいだった。

相手はどうか知らないけれど、就職したてで恋人と離れてしまった私の方は忙しく満たされない毎日を送っていた。長々メールを書いたところで返事もなく、電話できる時間も限られている。

だから気が向いた時に葉書を送ることに

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むっつりと、愛

むっつりと、愛

私はありふれた主婦であるが、この頃Twitterでは意識的に恋愛がらみのツイートをしている。
今日はそれについて書きたい。

記憶は曖昧だが偉大なシンガーソングライターの方が恋愛の曲を書くためにファミレスに長時間滞在して隣の席の女性客の恋愛話に聞き耳を立てて気持ちの揺らぎなどを取材されることがあるという話を聞いたことがある。
それと同じと言うにはおこがましいけれど私の場合も聞き耳を立てて感じたこと

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好き嫌いの理由

好き嫌いの理由

あるスポーツ選手のことを「私苦手なのよ」とおっしゃる先輩がいる。「え、何でですか?」身を乗り出す私は人の好き嫌いの理由を聞くのが大好きだ。

Aは好きでBは嫌い。全うな理由もあるにせよ、そこには必ず本人しか通じない理不尽な理由がある。
もちろん本人にとっては筋が通っている。
他人のそんな話を聞くのが面白い。

彼女がその選手を嫌いな理由は
○正統派優等生キャラなところ
○自分が印象良く見られる仕草

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恋とか愛とか名前がついた偽物もあるし、あえて呼ばないだけで本当は恋や愛の気持ちもある。
もちろん等身大の恋や愛もある。
さて、あなたのはどれ。

手が簡単に届くってだけで雑に求められるのは面白くないし、届くのに放っておかれるなんてもっと嫌よ。
手が届かなくても求めてほしいし、簡単に届いても、いつだってありがたがってほしいわ。
わがままかしら。
でも、お互いそれができれば、一緒にいても楽しいはずよ。
お互いよ、お互い。

遠い誰かを思いながら、ぼんやり過ごすのも良いと思うのだ。
ただ思うだけで心癒される時もある。
たとえそれが、叶っても叶わなくても。

優しさを分け合うのも温かいけれど、誰にも話せない孤独を分け合うのも温かいなあと思う。

ずっとこのままではいられないのだと気づく時って、たいていはすでに変わり始めているか失いかけているかもう戻れない時だ。
そんな時は心が痺れて途方に暮れる。
もっと早く気づけたらどうにかなったのかしら。いや、どうにもならなかった。気づけても止められる変化なんてあまりない気がするから。

叶わぬ恋の良くないところは、冷凍保存ができてしまうことだ。
焦らないから、いくらでも待ててしまうし
忘れた頃に思い出せてしまう。
タチが悪いから気をつけて。

もしかして、この人のこと好きかもしれない。
自覚するきっかけは、その人を目の前に、食事するのが恥ずかしくなることだったりする。
今までバクバク食べていたのに口の開け方すら忘れる。挙動不審になるからスプーンで食べれば済むドリアを選んだりする。
よく考えたら食事って、官能的ですよね。

以前、素敵だなあと思っていたその男性は、私の運が落ち込む(体力や気力も)時に限って不思議と接点が増える人だった。
不運を呼ぶ人なのかもしれないし、不運を癒やす人なのかもしれないが、どちらにしても、彼と接点が増える時は良くない兆候だと警戒していた。
(好きだから嬉しかったけれども)

幸せにはいろんな種類があって、ごちゃごちゃうるさい幸せと儚さの上に成り立つ幸せがあると思うのよ。
時間が経って思い出した時は、ごちゃごちゃした幸せの方が、儚い幸せよりも切なげで泣いてしまうものかもしれない。
ごちゃごちゃした幸せは健康と同じで、失って初めて気づくものだと思うのよ。

内容問わず手紙をポストに投函した後やメールの送信ボタンを押した後の
「ああ。もう取り返しがつかない」
という絶望が好きだ。
手紙がポストにことんと落ちた後のもう取れないのにまだそこにある感じとか、せっかく送信ボタン押して絶望しているのにエラーで戻って来たときの拍子抜けも好きだ。

昔の恋人を思い出すのは、疲れている証拠。