日本企業は「オワコン」なのか?

入社初日に「辞めたい」。そう思ってしまう新入社員の気持ちを、いま、どのぐらいの人が理解できているのでしょうか。共感しているのでしょうか。

https://www.businessinsider.jp/post-167237

就職活動を通して、何度かの接点を持ち、それなりにその会社のことを調べ、話を聞き、激しく迷いながら意思決定したのに、そのプロセスが台無しになってしまうような事態は、なぜ起こるのか。

リアリティショックの度合いが増したのでしょうか。企業の採用コミュニケーションの「キレイゴト」化が進んでいるのでしょうか。会社説明会は、いつの頃からかショウアップされ、投資家に呼びかけるかのように自社の優位性、将来性を語ります。インターンシップでは、実際の現場とは随分と異なるシチュエーションが提示されます。OBOG訪問をしても、会社の実態を本音ベースで話してくれる社員は限られるようです。リクルーターは会社の未来を明るく語り、面接の相談に乗り、学生を「その気」にさせることに腐心しています。

そのような、幾重にもわたるコミュニケーションによって学生の頭の中に形成された虚像が、入社初日に粉砕される、、、そんなことが、起きているのでしょうか。

そうかもしれません。そのような経緯によって、リアリティショックの度合いが大きく増しているのかもしれません。拙著「就活エリートの迷走」で、私も、そのような要因を迷走の一因として挙げました。

しかし、そうようことではないような気も、最近はするのです。そのような虚像が仮に形成されなかったとしても、特には社歴の長い日本企業の多くは、いまの若者にとっては、自身の大切な時間を託すに値しない、成長機会がそこにあるとは全く思えない、いわば「オワコン」なのではないか。

「オー人事オー人事」でおなじみのスタッフサービスのコマーシャルが、20年の時を経て復活しています。20年前は、「笑える」余裕がまだありました。しかし、いま、若手社員はこのコマーシャルを「笑えない」状況にあるのではないか。

そんなことを感じずにはいられません。

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