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社会的処方に必要な理論(覚書)

社会的処方とは?

地域のつながりという観点で、今「社会的処方」という概念が注目を集めています。『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』(西智弘編著、2020年、学芸出版社)によると「社会的処方」とは「薬を処方することで、患者さんの問題を解決するのではなく『地域とのつながり』を処方することで、問題を解決するというもの」

「社会的処方」とは?社会的孤立の解決策と方向性| 環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報サイト おしえて!アミタさんより
西 智弘 編著 西上ありさ・出野紀子・石井麗子 共編 藤岡聡子・横山太郎・守本陽一・森田洋之・井階友貴・村尾剛志 著

   地域の方の大半は、はじめから集いの場などの地域づくりの必要性について疑問を持つ人は少なく、なぜ必要なのか・・というところの説明としての啓発活動が重要となっています。
 啓発の初めの一歩としては、やはり予防的な側面が強くある「ポピュレーションアプローチ」を主軸としたかかわりが求められます。
 健康状態に置き換えれば、症状が出てからの治療段階では、医療機関や公的サービスの出番ですがその前段階(セルフケアの段階)で何とか孤立や孤独などの不安を解消出来たらと思うところです。

 その行動変容前に使える理論を一つピックアップしてみました。
 われら地域包括支援センター職員には必要な視点かと思います。

■健康行動理論

①健康信念モデル(集いの場に必要なこと)

人が危機感を感じるためには,次の2つの条件が必要だと考えられます。
① 可能性:自分が病気になる可能性
② 重大さ:病気になった場合の重大さ
人は自分が病気になる可能性と、なった場合の重大さを感じると,危機感を感じる。
バランスとは,健康に良い行動のメリットとデメリット(妨げ)のバランスのことである。
人は,健康に良い行動のメリットとデメリットのバランスが、メリット側に傾いていると感じる時は、行動へのやる気になり、デメリット側に傾いている時は、やる気にはなりにくいということになる。

②コントロール所在 (集いの場に必要なこと)

自分の健康状態をコントロールしているものがどこにあると考えるかをいう。
◆コントロール所在の2つ
(1)内的コントロール所在:自分の健康状態は、自分の努力次第だとする考え方
(2)外的コントロール所在:自分の健康状態は、強力な他者や運によって決まるとする考え方 健康状態はすべて運で決まるのではなく、本人の努力で決まる部分があることを強調する必要がある。

③計画的行動理論(はなしあいの仕方や企画(計画)に必要なこと)

やる気の条件として「よいことだ」「周りからの期待「できそうだ」の3つを挙げている。
「よいことだ」:その行動を行うことが自分にとってよいことだと思うこと
「周りからの期待」:その行動を行うべきだと,自分にとって大切な人が期待していると感じること
「できそうだ」:その行動をうまく行うことができそうだと思うこと
指導で勧める健康行動について、そうすることがよいことだと思ってもらい、そうするべきだという周りからの期待
を感じてもらい、できそうだと思ってもらう必要がある。

④社会的認知理論 (実施から参加)

やる気の条件として期待と自信の2つを挙げている。
期待とは、ある行動をすると自分にこんなメリットがあるだろうという期待のこと。
自信とは、ある行動をうまく行うことができるという自信のこと。
勧める行動への期待感と自信をもってもらうような働きかけが必要となる。
→自信を高める方法としては,次の4つ。
(1)自己の成功経験:自分でうまくできたという経験
(2)代理的経験(モデリング):モデルとなる人がうまくできたという経験
(3)言語的説得:言葉で説得されること
(4)生理的・情動的状態:行動を行うことで,身体や気持ちの状態が変わること

そのほか、沢山の手法がありますが主体はあくまで対象となる方。
理論はそれを補うツールという解釈のもとに使用していけたらと思います。
実際にこのあたりを使って地域支援にいかせたなどのお話も今後盛り込んでいきますね(*^^)v

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