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「本と大学と図書館と」-49- 個人蔵書と今後の読書傾向 (Fmics Big Egg 2023年6月号掲載)

 最近の読書傾向は,若者向けの軽い内容の娯楽小説のラノベが多くなりました。会話が多く,文章は短く,気軽に読めます。AmazonのKindleで買って,病院の待合室など,タブレットがあれば,いつでも,どこでも気軽に読めます。スマホの契約時にオマケでもらったiPadが便利です。コミック(マンガも読書)も愛読し,アニメ(ラノベやコミックのアニメ化が多い)も視聴します。
 こんな読書の最中に,在職中の読書イベントの際に女子学生から薦められたバーネットの『秘密の花園』が出てきました。ちょうど発売された『小学館世界J文学館』(2022)に収録されていました。なんと125作品をインターネットの専用サイトにアクセスして電子書籍として読めます。作品を紹介する紙の本を1冊買うと,登録用のシリアルナンバーが付いていて,パソコンやタブレットを3台まで登録できます。ダウンロードできないので,WiFiなどインターネット環境が必要で,配信保証期間は2030年8月までです。
 娯楽系の本は電子書籍の方が読み易いので,紙では買わなくなりました。読みたくなったらすぐに全巻揃いで買えて,請求金額が跳ね上がるので要注意です。そして,紙媒体でないので,物理的な場所を必要としない点が優れています。
 数年後に引っ越しの予定があり,個人蔵書の管理・処分と,今後の読書スタイルの検討が今年度の課題になっています。押し入れや本棚をひっくり返して,全体量を把握すると,SFと時代小説などの小説類が44.65m,研究用図書の図書館・高等教育関連本が17.1m,論文などの資料コピーが11.7mになりました。全長73.45mを本棚に換算すると,90cmの棚が81.6段,通常の本棚を7段で組むと約12本になります。今後の生活からザックリと考えて,最終目標を1/4まで削減とし,本棚3本に整理することとしました。内容からの選別は判断に困るので,収納スペースから結論を下しました。
 小説類はブックオフなどで処分し,どうしても読みたければ,Kindleで改めて買うことにしました(http://toyohiro.org/sf/に結束した本の画像がありますので,欲しい方はお声がけください)。持っている研究用図書や資料コピーは選別して減量し,絞り切れない部分はスキャナーで自炊して,紙から電子媒体への変換で辻褄を合わせるしかありません。今後の個人の立場での研究は,時間的にも,新たな研究資料へのアクセスも困難な点から,活動範囲やテーマを縮小が妥当でしょう。改めて,読書や本,研究とは何なのか考え込んでしまいます。

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