見出し画像

炎と命

炎は燃える ゆらゆらと
儚く散った命と対になるように
いつまでも消えることなく ゆらゆらと

あの時と変わらぬ空を眺め人は何を思う
人のために良い子に凪ぐあの海は魚の一つも泳がずに

正義の為に正当化されて消えた命よ 安らかにお眠りください


白黒の爛(ただ)れた皮膚は脳を焼く
夜空の写真 流れ星のような命狩り
私が生きるこの土の下で一体どれほどの苦しみを耐えたのですか

どうして未だに人を傷つけ
どうして未だに人を怖がる
あなた達が残してくれた美しい世界よ私を許して


白黒の流れた涙は意味もなく
逃げ惑い 故郷に帰ることも許されず
私が眺めるあの海の下でどれほどの悲しみと共に沈んだのですか

どうして未だに人は嘆いて
どうして未だに人を蔑む
あなた達が残してくれた素敵な世界はもう汚さずに


恨みたくない 繰り返さない
伝えてくれたことを無駄になんて絶対にしない
消したくない 忘れたくない
美しき心 時間の海に流されてたまるか

どうしてあなたは平和を諦め
いつまであなたは命を冒す
私たちが築くこの世界はなによりも優しいはずなのに

雨が上がる初夏に蝉は鳴きだす
心地良い風がこれからもずっと、どこまでもずっと
続いていきますように


炎は燃える ゆらゆらと
これから続く命を表すように
いつまでも絶えることなく ゆらゆらと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?