東西 七都

東西 七都(とうざい なつ)です。長編やホラーと純文のショートショートを中心に創作して…

東西 七都

東西 七都(とうざい なつ)です。長編やホラーと純文のショートショートを中心に創作しています。 神奈川県出身、その後、幼少期の大部分を千葉で過ごしました。 カクヨムでも作品を何点か掲載しています。 少し考えたり、日常に触れるようなお話が好きです。 よろしくお願いします。

マガジン

  • 言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~ 連載中

    市立善理高校に入学した和渡部 愛唯(わとべ めい)は、幽霊部員だらけの文学部に入部する。そこには、出徳 司(でとく つかさ)と言う女生徒がいて、時々ちょっとした推理や論理を展開して愛唯(めい)を驚かせるのだった。 人の死なないコージーミステリーで、一話完結の連作短編小説。ありそうでない、文学部部員がつづる日常。

  • 純文 ショートショート集

    純文でつづられたショートショート集。名前のない語り手によるお話。

  • 雑記

    作品解説や色々まとめた記事を掲載。

  • 心霊迷図 ~マギ ルミネア編~ 完結済み

    2022年夏に起きた未解決事件を追ううちに、過去に消えてしまった、才能にあふれた人間ばかりを生み出す私立『マギ ルミネア』中学校が、なぜかその影を行く先々で落とす。事件と卒業生達が織りなすストーリー。

  • 幻影記録 完結済み

    ホラー雑誌編集者として働く守美日和は、ある日、差出人不明の手紙を複数受け取る。誌面上で何度も呼びかけるが返答はない。 名前のない語り手によるショートストーリー。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介とサイトマップ

自己紹介 初めまして。東西 七都と申します。 お寄りいただき、ありがとうございます😊 筆名: 東西 七都(とうざい なつ) 出身地:神奈川県出身。その後、幼少期の大部分を千葉で過ごしました。 年齢:ヒミツです。 趣味:読書、旅行、語学勉強(英語) 仕事:事務系のお仕事。いわゆるバックオフィス業務です。 小説を書き始めたきっかけ:以前から短編小説を書いては放置していました。2023年秋~冬頃からサイトに掲載できるような作品をもっと書いて、腕をみがきたいと思い、現在に至りま

    • 「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #02

      第一話 一  四月から時間が経ち、あと三日で五月になるという頃だった。  五月と言えばゴールデンウイークだから、学校の生徒の中には、一週間前から休みの予定を話している者もいるくらいだった。  授業が終わり、部活の時間になって、あたしは文学部部室の中へ入った。  相変わらず、部活動をしているのかしていないのか、不明な部ではあった。  いつ行っても、部長の姿は見えない。  司が言うには、二、三回会ったことがあると言うのだが、塾の勉強をこなすので手いっぱいで、部室にも寄れないと言

      • 「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #01

        プロローグ  学校の廊下を歩き、つきあたりの部屋の扉、一歩手前。  そこで、あたし——和渡部愛唯は立ち止まった。    図書室のそばにある小さな部屋。  ここは、市立善理高校文学部の部室で、部として定員数をやっとそろえたぐらいの文学部にはふさわしい、活動の場所だ。  あたしは、扉に二回、こぶしを軽くぶつけてノックをする。返事はない。  扉には中をのぞく窓があるものの、すりガラスが、ぼんやりとしか中の様子を見せてくれない。  あたしは意を決し、そうっと扉を押し開けた。    

        • 「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」の第二話までカクヨムに先に投稿しました。noteには連続投稿をさけて後で上げます。 内容は全年齢対象、女子高校生二人のコージーミステリーです✨ 略して「コトミス」をよろしくお願いします💕 https://kakuyomu.jp/works/16818093076580109005

        • 固定された記事

        自己紹介とサイトマップ

        • 「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #02

        • 「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」 #01

        • 「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」の第二話までカクヨムに先に投稿しました。noteには連続投稿をさけて後で上げます。 内容は全年齢対象、女子高校生二人のコージーミステリーです✨ 略して「コトミス」をよろしくお願いします💕 https://kakuyomu.jp/works/16818093076580109005

        マガジン

        • 言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~ 連載中
          2本
        • 純文 ショートショート集
          7本
        • 雑記
          8本
        • 心霊迷図 ~マギ ルミネア編~ 完結済み
          16本
        • 幻影記録 完結済み
          18本
        • ほんの少しミステリっぽい日常
          5本

        記事

          「春の夢」The Dreams of Spring #シロクマ文芸部

          「春の夢」  最近、春なのに、あまり良い夢を見ることができていない。  一昨日は、過去に言い争いをした人との夢。昨日は、知らない公園の中を、ぐるぐると歩いていた夢。  夢だから、漠然としか覚えていない。    わたしはベッドから立ち上がり、カーテンを開ける。  見慣れた風景が窓の奥に広がり、わたしはほっと息をつく。  目の覚めるような青空に白雲がたなびいて、夢の世界を吹き飛ばすような、鮮やかな美しさだった。  今日も、かけがえのない新しい一日だ。    ただ、そう思った後

          「春の夢」The Dreams of Spring #シロクマ文芸部

          スキ200回もいただくことができました。皆様ありがとうございます! GW1日目、めちゃくちゃ嬉しいですね😊✨

          スキ200回もいただくことができました。皆様ありがとうございます! GW1日目、めちゃくちゃ嬉しいですね😊✨

          山門文治さん、「今、このnoterが面白い」選考担当マガジンに当ブログ記事を追加してくださり、ありがとうございます!! かぷぷさんのマガジンに追加されたら、わらしべ長者的にマガジン追加されて大変嬉しいです。かぷぷさん、ありがとうございます😊✨

          山門文治さん、「今、このnoterが面白い」選考担当マガジンに当ブログ記事を追加してくださり、ありがとうございます!! かぷぷさんのマガジンに追加されたら、わらしべ長者的にマガジン追加されて大変嬉しいです。かぷぷさん、ありがとうございます😊✨

          当ブログのショートショートを取り上げていただきました!

          【感謝】ショートショートの掲載報告 こんにちは! 小説とショートショートを書いている東西 七都です。 当ブログのSF短編小説、「【SS】名前のないディストピア」を他のマガジンに追加していただきました! かぷぷさんの「早く気づいてあげて「発掘」マガジンに掲載されています。 かぷぷさん、ありがとうございます!! ショートショート、書いてきて本当に良かったな、と思いました。 こういうことがあると非常に嬉しいです😊 今後の予定 現在、予告した通りの新作に着手しています。

          当ブログのショートショートを取り上げていただきました!

          スキありがとうございます!! 2ヵ月と少しで150スキいただくことができました😊💕

          スキありがとうございます!! 2ヵ月と少しで150スキいただくことができました😊💕

          【SS】風車 The Windmill #シロクマ文芸部

          「風車」  もう少しで、つまずいてしまうのではないかと思うくらい、わたしは速く走った。  足元には、多くの花々。  色とりどりの春の花が咲き誇り、定番のチューリップが色違いで何重にも列をつくり、咲いている。その他にも、グラジオラス、デイジーやパンジーなど様々だ。    その花畑のずっと奥。  近寄れば、見上げるほど大きな風車が何基もそびえていた。    柔らかな風を受けて、風車はかすかな音を立て、ゆっくりと羽根を回している。  風車を近くで見るのは初めてだ。今にも落ちてき

          【SS】風車 The Windmill #シロクマ文芸部

          【完結】『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』完結しました!

          完結のご報告 こんにちは! 小説とショートショートを書いている東西 七都です。 本日は、小説完結のご報告です。 本日、『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』無事、完結しました! 嬉しいー😊✨ note上で完結させたのは、『幻影記録』に続き、これで2作目になります。 しかも、1か月に1回のペースで書き上げていることに、自分でも驚き…… 『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』は、今月4月1日からスタートして、本日、12日で書き上げてるのでかなりの早書きになってますね。 どちらの作

          【完結】『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』完結しました!

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #16

          エピローグ  研究室からは、時折、波音がしていて耳を傾けると、海の中にいるような気がしてくる。  彼我戸は研究室の椅子に座り、目の前にある窓を先ほど開け放ったところだった。  手元には、いくつかの折った紙飛行機が置いてあり、彼我戸は、その一つに手を伸ばした。    ふと、机の横に置いてある卵型の鏡に目を留めた。  やや明るめの髪色を、肩口の近くで切り揃えた髪型。  白衣を着た女性。  中学の制服を着ていたときなど、まるで、ついこの前のようだ。  昨日、家に帰ったときにテレビ

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #16

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #15

           突然、扉を叩くノックの音も無しに、母親が慌てた様子で部屋に入ってきた。  天降の方を見ると、動転した表情で言う。 「路惟、ちょっと! 今、テレビで」  言葉がもつれて声にならず、上手く説明できない様子だった。  そんな母親の姿を目にするのは初めてだ。  ここまでの動揺を見せるとは、何か事件が近所であったと言うことだろうか。    何回か呼吸をくり返し、ようやく落ち着いた様子で母は言った。 「さっき、夕方のニュースを見ようとテレビをつけてみたらね——テレビで、昨年夏に起こった

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #15

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #14

           樋口の言葉が天降の心に染み込んでいく。  才能。その、忌まわしき言葉。  思ってもみないほどに、『マギ ルミネア』が残した禍根は根深いものがあるのかもしれない。  天降でさえ、その呪縛から逃げ出せたなどと、楽天的に考えることはできない。  いや、卒業生だけでなく、良きにしろ、悪きにしろ、社会にも、その影響力を拡大させているように見える。    天降は、ようやくにして気づく。  はっとした表情で、樋口が示す人物の名前を口にした。 「建木真加——!」  樋口がうなずく。  よう

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #14

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #13

           その日、天降はいつものように、キャンバスに向かって絵を描いていた。  無心になって絵を描いていると、外の世界のことを気にせずにいられた。  部屋の横から見える青々とした庭に、小鳥が来ていて、歌うようにさえずっている。  メロディーのようなものはなく、何かを仲間に伝えているようだ。どのような内容かはわからないが、一心に声を上げている。  姿はここからでは見えないが、おそらく、小首を傾げて、仲間からの返答を待つように、さえずりを響かせている。  天降は庭の方に顔を向け、小鳥の声

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #13

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #12

          第三章 二  あれから、落居はすっかりおとなしくなり、天降にも話しかけて来なくなった。  あんなにも、天降がいると近寄って構ってきたのに、別人のように人が変わって、無言のままだった。  天降も落居にはかえって声をかけづらく、何も話しかけられないままでいた。    そんなときに、ある日の美術部の活動後、双子が天降に近寄って、落居の話を突然始めた。  双子の片割れ、海喜が天降に言う。 「あの子ね、実の両親がいなくて、今の両親は血のつながっていない両親らしいよ」  クスっと幼さを

          『心霊迷図 ~マギ ルミネア編~』 #12