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里親制度から見えてくる、「親になる」こと、育てること:里親になると決めました。

最近、里親制度のことが気になってるので、里親になることを希望している方のコミックエッセイを読みました。

里親になりたい!と思ってからの具体的なプロセスが細かく描かれてて、とってもいい漫画でした!子供の幸せを第一に考えられてるのは素晴らしいんだけど、里親になるのってほんっっとに大変なんだな〜!!

が!子供がほしいけど(体調や年齢のことなどで)自身で産まないことを考えてる人や、つらい不妊治療に悩んでいる人にもっと届いたらいいのになーと思います。

(『里親になると決めました。』分冊版第一話より引用)

ということで、断片的な記述で恐縮ですが、印象に残ったポイントとか、新しく学んだことを、備忘録も兼ねて書いておきます。

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■審査に通らないと里親候補になることはできず、里親候補になっても何年も子供を迎えられないこともある

子供を受け入れるためには、施設の行事にできる限り参加して、職員さんにアピールしたりする必要があるんだそうで。子供のために必要なこととはいえ、不妊治療を何年も続けたあとの人は心折れちゃうんじゃないかなって思ったりした。。。

■里子を迎えることを検討してると話したら、暗に世間体が悪いと親に言われて著者さんが傷つくシーンがあった

(『里親になると決めました。』分冊版第一話より引用)

「子供を育ててみたい!」と思っている自身の子供の気持ちより、自分が世間からどう見られる方が気になる親って…と思っちゃったなあ…。(そのあとお母さんが考え方変わってよかったけれど…)

でも、里親になるための登録前にも、施設側から「親御さんは里親を希望されてることについて、賛成されてますか?」と聞かれたりもすんのよねー。

親なら子供の生き方を邪魔できるっていうのはおかしいと思う。。。


■学校でも、里親子について先生に理解してもらいにくいことが多い。

(悲劇を「でっちあげる」ための設定としてじゃなく)等身大の里親子のドラマとか漫画がヒットしたら、たぶんだいぶ変わると思う!物語で、身近な存在になったらいいのにな。

先生も新しいことを勉強する時間がなかなかとれない面もあると思うから(部活動指導など先生以外が担うのを進めてるのは、いい傾向だ!)、この漫画がもっと広まったらいいな。本題から逸れるけど、先生の仕事はもっと細分化したらいいと思うな〜。

■里親になるためには、座学や施設訪問など研修がある。(高林さんの地域では)当初研修は土日のみの開催だった。

やっぱり日本社会は、「平均的な」会社員に有利につくられてるなーと思ったり。。。でも、著者の高林さんが要望書を送った甲斐もあって、途中から土日の研修も追加されたのはよかった!諦めないで声あげるの大事だ!

■里子縁組をしてる民間団体もあるが、費用が高い。あと、かなり圧迫的な面接があったり、片方の親が仕事やめないといけなかったりする!

(『里親になると決めました。』分冊版第四話より引用)

もちろん子供が幸せに生きられることが第一だから面接が厳しいのはまだわかるけど、仕事やめないといけないっていうのは変だなと思った…。経済状況調べられたりもするのに矛盾してるなーと…。親だけで子供を育てなきゃいけない、って考えが反映されてるような気がする。里子の子は、親にかまってほしいって気持ちが強い子は多いだろうなと思うけど、それは苦しいなあ。

これは里親子だけの問題じゃないよねー…。一般的に、日本の子育ては家族の小さい単位で完結すると考えられてること自体が、問題だと思う。(ベビーシッターを雇った芸能人が非難されることとか変だよ〜)

そして、里子縁組で行われてる研修とか、本当に育てられる状況か確認される面接(どういう教育方針にする予定かとか収入とか聞かれたり、家の様子を調べられたり(子供に危険がないか見られる))は、ほんとはすべての親に必要なことだと思う。

(『里親になると決めました。』分冊版第五話より引用。これは民間団体じゃなくて、児童相談所の方による面談の様子です)

でも、親ばっかり大変にしちゃう方向じゃみんなつぶれちゃうから、前述したように、「いろんな人の手を借りながら子育てできるようにする」ってことと、セットで。親が苦しかったら、子供は幸せだって感じにくいと思う。

■里子は育てにくいことも多い(学校から何回も呼び出しをくらっている、と話している方が、本編の中で描かれていた)

里子自身が内側から悩むこともあると思うけど、周りにいろいろ言われて悩むこともあるだろうなあ…と想像。本編の中で高林さんも書かれてたけど、夫婦だって血は繋がってないのにね…。

■里親の集まりの中で、生みの親じゃないと告知するロールプレイやったりする。最近は早くから(4歳とか)何回もかけて話をしていくことが多いらしい。

(『里親になると決めました。』分冊版第八話より引用)

ロールプレイでは、子供役になってみたりもするというのが興味深かった!自分で演じてみるとすっと気持ちが入ってきたりするのって、不思議だなあ。「今は〇〇ちゃんと一緒に住めて嬉しいよ」って言ってもらえたら、子供はすごく嬉しいだろうなあ。

■里親は長期の受け入れだけでなく、一年未満の短期の一時預かりもあるらしい。

虐待を受けた子供を一時保護するために預かったりすることがあるとのこと。
最後まで責任持って守ってあげられない子を預かるのって、心が苦しいな…。

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絵もかわいくて読みやすいので、おすすめですぞ〜。今は第一話は無料で読めるっぽいが、この価格がずっと続くのかは不明です…
(ちなみに、Kindleアンリミテッドで分冊版の10まで読めます。図書館に返しに行くのめんどいけど本たくさん読む方には、アンリミテッドほんとおすすめです~月額980円で読み放題!)

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