漸進性過負荷の原理
それでは公式LINEにてアナウンスをさせていただいていた
「漸進性過負荷の原理」
について少し深掘りしていきたいと思います。
なぜ「漸進性過負荷」についてなのか
まず、なぜこの記事についてまとめようかと思い立ったのか
から簡潔に説明させていただきます。
これまでパーソナルトレーニングを受けてくださるお客様には初回体験にて40分〜60分カウンセリングを実施したのちにトレーニングに移っていただいてます。
その中でトレーニングの考え方や食事に関しての基礎知識についてきちんと理解していただくようお願いしております。
そこから回数コースを申し込んでいただいた方には
トレーニング種目のフォーム習得
↓
メニュー作成
このような流れでご案内しております。
もちろん皆様のトレーニングの目的というのはさまざまで
重たいものを扱いたい!
ダイエットしたい!
生涯健康でいられるようにしたい!
正しいフォームを習得したい
運動習慣を獲得したい
などなど、理由はさまざまです。
理由が異なるとトレーニングの取り組みが変わってくるのはもちろんですが、その中でも
「筋肉をつけていく」
このことに関してはみなさんパーソナルトレーニングを実施することになるので、共通していくことかと思います。
その筋肉をつけていくための手段として
「ウエイトトレーニング」を実施しているわけなのです。
ウエイトトレーニングですので
「重り」を持ち上げて「負荷」をかけながら実施していくことになります。
この「重り」を「負荷」として扱うことがポイントになってくるので次の章で詳しく解説していきます。
負荷の種類
この負荷というものにもいくつか種類があります。
例えば
インターバル
可動域
重量
速度
セット数
回数
などが挙げられます。
可動域は適切な可動域を確保していればそれ以上増やすことはできません。
例えばスクワットも
「足の付け根が膝よりも深い位置」
までしゃがむことができればそれ以上の可動域を取ると怪我につながる可能性があったりするので基本的には考えられません。
インターバルとはセットの間の休憩時間のことをさしますが、
インターバルも極端な話、1秒以下にすることはできません。
例えば、
3分インターバルを取っていたのに1分にしてしまった場合、これまでと同じ重量で同じ回数上げることはできなくなってしまいます。
そんなことをしていると次のセットの挙上回数が極端に減ってしまい
10回できていたものが3〜4回しか上がらないなんてことも考えられます。
そうしてしまうとトータルボリュームを稼ぎにくくなってしまいます。
そのため、可動域やインターバルを「負荷」の対象にしてしまうとむしろ怪我の原因になってしまったり、非効率になってしまう可能性が高いのです。
そのため負荷をコントロールしやすい「重量」を「負荷」の対象にするのです。
具体的な例
エフェクティブレップ
それではなぜ重量によって過負荷をしていかなければいけないかはご理解いただけたかと思います。
次に具体的にどのようにして漸進性過負荷をしていくのかについて解説していきます。
結論から言うと
「最終セット終了時余力が少し(1~2回)出てきたら2.5kgずつ増やしていく。」
これさえ守って徐々に重量を増やしていくことができれば初心者のうちはほとんど問題なく重量を伸ばしていくことができます。
しかし、たまに
「重量を増やしていくと怪我しそうだから。。」
こういった方を見受けられます。
これは私が指導をしていての経験則になりますが特に女性に多い印象です。
その場合にもう一つの指標を持ってフォームを見ます。
それは「挙上速度」です。
余力がないといっているお客様を見ていて1回目と10回目のスピードがさほど落ちていない場合には、かなり(3回以上)余力があると私は考えています。
イメージしやすいと思いますが、1回挙げることが限界の重量にチャレンジした際にはこれ以上挙げることができないので、かなりゆっくりの速度で挙上することになります。
それにウエイトトレーニングでは
「Effective Rep」(エフェクティブレップ)
という考え方があります。
直訳すると『効果的な挙上』となります。
このEffective Repですが潰れてしまう5回前からのことを言います。
ということは、
つまり、10回で限界を迎えるようなセットを組んだ場合、
効果のあるレップは6~10回ということになるのです。
もし、
「重量を増やしていくと怪我しそうだから。。」
このような理由で重量を増やさずに毎回同じ重量でトレーニングを行ったり、1回目と10回目で挙上スピードがさほど変化のないようなセットを繰り返したところで『頑張った感』のみが得られるようなトレーニングで終わってしまうのです。
みなさんはせっかく時間とお金を使ってジムに来ているわけです。
さらにパーソナルトレーニングも決して安い金額ではありません。
それで『頑張った感』だけを優先してトレーニングをしてしまうのは非常にもったいないのではないでしょうか?
それであれば、本当の意味で『頑張った』トレーニングにするためにも適切な重量設定をし、日々のトレーニングを積み重ねていく方がよっぽどトレーニングの効果を高めることができるのではないでしょうか?
トータルボリューム
そしてエフェクティブレップよりも優先していただきたいのがこちらの
「トータルボリューム」という考え方です。
僕のパーソナルを受けてくださった方には初回体験の際にお伝えすることが多いです。
例えば、
Aさんは
50kgを10回3セットやろうと意気込むものの
1セット目10回
2セット目8回
3セット目6回
このようにセットごとに回数が落ちてしまってトータルで24回しか扱えなかったとします。
一方で、Bさんは少し抑えて45kgで
1セット目10回
2セット目10回
3セット目10回
このようにした場合には1セット目の余力が2~3回
2セット目は1~2回、3セット目は1回もしくはギリギリか
これくらいでセットを重ねることができます。
そうすると30回上げ切ることができます。
トータルボリュームは
Aさんが50(kg)×24(回)=1200(kg)
Bさんは45(kg)×30(回)=1350(kg)
このようになります。
どちらがトータルボリュームを稼ぐことができているかは一目瞭然ですね?
そのためエフェクティブレップをきちんと確保しつつ、トータルボリュームを稼いていく必要があるのです。
そのため、初心者のうちはなるべく早くフォーム習得をしたいということもあって動作の反復回数を少し多めに設定しつつ、多過ぎず、少な過ぎずのポイントを狙って10回。
そして、1セットではエフェクティブレップを稼ぎにくいので3セット。
このような狙いがあって10回3セットとしています。
その他の理由もありますが、もし気になる場合はパーソナルのインターバルなどでお尋ねください!
漸進性過負荷のために
それでは具体的に徐々に負荷を高めていくためにはどのようにすればいいかというと
簡潔にまとめると
最終セット終了時に余裕が1~2回出てきたら重量を2.5kg増やす
これだけ抑えていただけたら問題ありません。
ポイントは2.5kgずつというところです。
よっぽど余力がある時しか5kgずつ増やすようなことはしません。
「え、それだけでいいの?」
そう思ってしまう方もいるかと思いますが
10回3セットの場合、
1セットあたりのトータルボリュームが25kg増えることになります。
3セット終了時には25(kg)×3(セット)なので75kgの差が生まれます。
こう考えるとそこそこの差が生まれませんか?
それにこれがベンチプレスだけでなく、
スクワット・デッドリフトも同様に2.5kgUPで考えてみると
1種目あたり75kg×3種目なので225kgの差が生まれます。
ここまで考えると逆に2.5kgでいいかな?となるかと思います。
まとめ
ここまでの話をまとめると
ウエイトトレーニングでは負荷の対象を「重量」にする
Effective Repは潰れる5回手前から
トータルボリュームをある程度確保しておく
このようになります。
そして今回の本題である
漸進性過負荷をかけていく
これら4つのポイントを忘れずに今後のトレーニングに取り組んでいくことができれば半年〜1年くらいあれば中級者くらいまで到達することも決して難しくないでしょう。
逆に言えば、どれだけ頻繁にジムに足を運んでいたとしても、どれだけ頑張っていたとしてもこれらのポイントを抑えることができていない場合には思うように重量を伸ばしていくことはできないということになります。
よく、
「私はダイエット目的なのでそんなに筋肉はいらないんです」
「今より少しメリハリのある身体を作りたくて」
などなど、さまざまな理由でトレーニングをしている方もいると思います。
ウエイトトレーニング歴が10年以上の僕だからこそ感じることですが
「そんなに簡単に筋肉はつきません。」
それであれば、最低でも先ほどあげた4つのポイントを抑えてトレーニングを実施していただきたいですし、むしろこの4つのポイントを抑えずに実施していてはとても効率が悪いのです。
簡単にはつかない筋肉ですのでせめて効率の良いトレーニングを行い少しでも早く理想の身体に近づいてみましょう!!
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