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仮定法の認識を改めよう。仮定法=あり得ないこと、ではない

仮定法を使わなくても、ノンネイティブとして十分なコミニケーションはとれるので、仮定法を学ばなくても英会話は可能です。たた、使えるとよいことは間違いなく、特に、話者の「気持ち」を繊細に表現する手法として仮定法は非常に強力です。

まず、仮定法=あり得ないことを仮定する、って覚え方はよくないです。正確には、仮定法は、話者が「距離感」を感じていること、動作を表現する時に使う手法です。たとえば、以下の例は十分ありえますが、話者が「それはちょっとなあ...」と思っているので、時制が過去に押し出されています:

A McDonald's burger and a cup of Japanese tea wouldn't go well.
マクドナルドのハンバーガーと日本茶はちょっとなあ...

ハンバーガーと日本茶を一緒に食すことはもちろん、現実としてありえます。大事なのは、話し手がどうとらえてるかということで、言い換えれば、仮定法が出るかどうかというのは、話し手の主観に100%依存するということです。

さらに、仮定法はif節を伴わないといけないわけじゃありません。仮定法=if節と主節の文、ではないということです。むしろ、ifを伴わないパターンのほうが多いと思います。

そして、仮定法で最も大事なポイントは、時制を過去に押し出す「気持ち」を理解することです。この気持ちが、「距離感」のことです。

別の例として:
You will be punished.
You would be punished.
ではどうでしょうか。前者の現在形は、リアリティ、生々しさ、えぐみがある一方で、後者の方は、距離感、他人事、よそのこと、当事者意識の欠落があります。

どちらも正味の情報はほぼ同じなのですが、メッセージの「強さ」がまったく異なります。前者には、助動詞を伴わない現在形ならではの「強さ」があり、遅れたらもれなく処罰されるという怖さがあります。

一方で後者にはえぐみがありません。「~かもね~」といった、よそよそしさがあるので、リアリティや怖さを感じないためです。

最後に、仮定法を使わなくても意味が決定的に変わってしまうことはまずありませんが、現在形オンリーだけの場合、常にえぐみのある表現になるので、そこのところを理解する必要があります。

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