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己の「無知」を知ることから始めよ

2月15日配信のNHKニュースより。

新潟を拠点とする地域航空会社で、先月31日に丘珠(札幌市)と新潟空港を結ぶ路線の運航を開始した「トキエア」の公式ウェブサイトに書かれた表現が、国土交通省により問題視された。

報道によると、トキエアはウェブサイトにおいて、「知的障がい・発達障がいのお客様は付添いの方の同伴をお願いいたします」と記載していたという。

この文章を読むと、知的障害や発達障害のある人は、その症状の程度や本人の意思にかかわらず、同伴者が必要であるかのように読み取れてしまう。

国土交通省からの指摘を受けトキエアは、記載内容を変更し、「知的障がい」「発達障がい」というワードの代わりに、「安全に関する説明を適切に理解出来ない方」、「身の回りのことが出来ない方」という表現を使い、上記に当てはまる方は付添人と同乗してほしいとした。

発達障害(ASD)の当事者としてこの問題を考えると、やはり当該文章を書いた社員に、知的障害・発達障害に関する知識や、当事者への配慮が不足していたことは言わざるを得ない。

とはいえ、人員の少ない企業であるし、国交省の指摘を受けて即座に記述を変更しているので、これ以上この会社を断罪するつもりはないし、する必要もない。

さて、SNS(X)上では早くも、知的障害者の付き添いは必要、じゃないと健常者が困るといったような、「私は障害について何も知りません」と自己紹介しているような書き込みも散見される。

そもそも、知的障害や発達障害を抱えているからといって、皆が皆同じ症状を抱えているはずは到底なく、健常者とほとんど変わらない人もいれば、付き添いがいないと外出、移動が困難な人もいる。

前者のような人については、当然付き添いは不要だろうし、後者であれば、他の乗客やスムーズなフライト運航も考慮して、付き添いと一緒に同乗する必要が出てくるだろう。

私自身も飛行機には何度も乗っているが、受験で札幌に行ったときを除いて、全て同乗者なしで乗っている。

SNSで的外れなことを言っている人は、某掲示板などで見られるような「ステレオタイプ」的な障害者を想像して、勝手に仮想敵を作って憂さ晴らししたいだけで、それが自分の無知を晒しているとは露とも思っていないことだろう。

今回の件に関わった人も、SNSで的外れなことを宣う人も、障害や障害者に対する知識が圧倒的に不足している。

まずは、己の「無知」を知ることから始めたらどうだろうか。
無知であることは仕方がない。今から勉強すれば良いのだ。

航空業界は鉄道とは違い、発達障害のある人(精神障害者保健福祉手帳所持者)でも障害者割引が受けられるようになっているし、ホスピタリティもしっかりしているので、トキエアにはこれからも頑張っていってもらいたい。

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