経路の作成 【地底帝国の詩 95】

ヤマトは床に両手を置くと
そのまま交信チャネリングを始めた

彼の目には星海せいかいが映り込み
周りには不思議な光が渦巻いていた

その最中さなか
ゾニィは物思いにふけっていた


「コルネの言葉なんて気にしなくても良いわよ。
あなたはここに来た時点で負け犬なんかじゃない」

── テンムス


ゾニィはテンムスの言葉を聞いて
寂しそうに笑みを浮かべた


「コルネのやつ、鏡の断片は研究棟にあるとか
言っていたよな」

── 暴走族長ゾニィ


ゾニィが思い出したように呟いた
ダンジョウが交信チャネリングを終えた


「この建物、表側つまり地上で見えているビルの部分はすべてフェイクだ。
だから上の階層を探しても無駄なんだ。
研究棟は下層にある。
そして、ちょうどぼくたちもこの下層にいる」

── 段城矢真十


ダンジョウは自らの勾玉光輪デザークルを使って
建物の経路を映し出した


「へぇ、こんな使い方も出来るのね。
知らなかったわ。あなた天才?」

── テンムス


テンムスが感心した


「頭の映像を心力に反映させてみたんだ」

── 段城矢真十

「おい、坊ちゃん!
こんなことも出来ちゃうのかよ!
オレは少し見直したぜ」

── 暴走族長ゾニィ


ゾニィも続けて感心した


「そして、鏡の断片はここにある」

── 段城矢真十


皆は顔を見合わせて
静かにうなづいた


◆ 新事実 ◆

勾玉光輪デザークルはホログラムのように映像を投影することも可能。

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