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生体実験室 【地底帝国の詩 99】

ダクトは生体実験室へ向かって伸びていた

ダンジョウとギロチヨ
その他の構成員は息を潜めながら
道なりに進んで行った

ダクトの先から
部屋のなかを観察してみると
人の気配はない

「ちょっと降りてみる」

── 段城矢真十

「気をつけろよ」

── 副族長ギロチヨ


ヤマトは先陣を切って生体実験室へ降り立った

培養液のようなものが入った
カプセルのなかには
様々な実験体が眠っており
殆どは元人間と思しき姿形をしていた

部屋は独特の実験試薬のような
鼻を刺す鋭いにおいが立ち込めていた

ヤマトはこの手のにおいは
学校の理科室が想起されて苦手だった

誰も居ないことを確認したヤマトが
手招きすると
後続のギロチヨたちも部屋に降りて来た

しかしながら懸念点としては
部屋の至るところに横たわっている
改造途中の人間たちが
起きないかどうかということだった

「うわっ」

── 暴走族構成員A


ずるっどてっ!


と大きな音を立てて
構成員のひとりが
溢れていた培養液で滑って転んだ

すると
眠っていた改造人間のひとりが目を醒まし
断末魔のような叫び声を上げた
どうやら施術中の麻酔が切れたようだった

「まずい、見つかるぞ!」

── 副族長ギロチヨ


空いているカプセルがないか確認すると
奇跡的にも何個かあったので
ヤマトとギロチヨ
構成員のひとりが入ったが
他は空いていなかったので
あとの構成員はダクトへ帰るよう指示した

外から研究員たちが慌てて部屋に入って来た


◆ 新事実 ◆

・ヤマトは理科室のにおいがニガテ。

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