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【映画感想】 ワイズマン 『ニューヨーク図書館 エクス・リブリス』観ました!

本編の内容に触れています


 先日観たワイズマンの『ボストン市庁舎』(2021年)が面白かったので、その前々作に当たる『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を鑑賞しました。
 前作とは違って、カメラが主役に置く人物がいないのが印象的に感じました。というよりも、それがワイズマンの特徴らしい。映画の筋を集約する先がないために、『ボストン市庁舎』よりも、ニューヨーク公共図書館の機能を、具体的な業務・会議・講演から浮かび上がらせていました。
 また、主要な人物がいないため、各シーンごとに架空のセッションが開催されていて、観客はその会場にふらっと訪れ、話を聴けるような気軽さを感じました。少なくとも、私は各セッションに登場する話し手の話を「ふんふん」と、参加者のように聞いていました。
 図書館の役割、公共施設の役割、また現代のデジタル・ネット社会に図書館はどのように対応するのか、といった様々な問いに、図書館スタッフたちが頭を悩ませていました。
 上記問い以外に印象的な考えが語られていました。図書館の主役は、知識を求める人であり、本は知識を獲得する手段に過ぎない。そのため、図書館は一般的に考えられているように、単なる書庫ではない。と。

 一部講演で、語られるように知識を得たい人にとって、図書館について思考したい方にとってはピッタリの作品ではないかと思います。興味がありましたら、上の予告編や以下の公式サイトをチェックしてみてください。


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