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【No.32】採用工学のススメ ~その仕事選びの軸は「誰」を見ているか~

No.32

━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━

        その仕事選びの軸は「誰」を見ているか

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 みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。

 さて、世界的に大きなニュースとして、フランス大統領選の決選投票が7日にあり、エマニュエル・マクロン前経済相が当選を決めました。反EU・反移民を掲げていたマリーヌ・ルペン氏を退けた形です。フランス内務省の集計によると、マクロン氏の得票率は64.4%、ルペン氏は35.6%とおよそ2倍近くの差があり、マクロン氏の完勝という結果になりました。また、ルペン氏は39歳という若さも特徴の一つであり、現行体制になってからフランス史上最も若い大統領ということになります。

 各所で取り上げられているように、このマクロン氏の経歴は極めて個性的です。先に述べたように、フランス現代史上最年少大統領であり、2大政党の出身ではなく、今回が初めての選挙という異例づくしです。両親が医師という家系に育ち、エリート養成の国立行政学院(ENA)を卒業後、仏財務省を経て、ロスチャイルドの仏投資銀行に転身するなどエリート街道を突き進み続けてきた男性です。オランド大統領の側近として大統領府に入った後、36歳の若さで経済相を務めました。

 また、奥様はマクロン氏が高校時代の先生であり、25歳差の恋愛をしているとのこと。(奥様の長女がマクロン氏の同級生でもあるらしい。)どこを切り取っても話題になるマクロン氏ですが、大統領になってからの路はまさに茨(いばら)と言えるでしょう。

 そして、彼の政策方針は一言で言えば「規制緩和」。まずは国内の雇用と格差是正が期待されています。現状、フランスの失業率は2017年3月時点で10.1%(ユーロ圏平均は9.5%)、世界金融危機前の最低水準だった2008年2~3月の7.2%よりも遙かに高い水準で下げ渋っているなど、国内から不満が噴出している状態です。加えて、今回の選挙において極右のルペン候補と急進左派のメランション候補などの候補に対して、マクロン氏は「右でも左でもない」という立場で票を伸ばしました。

 結果的に、2大政党のバックアップなしで勝ち取った大統領の座になるのですが、その分政治活動を円滑にすすめるための議会の議席を十分に確保できるか、という点は一つの重要なポイントです。6月に控える国民議会選挙において、自陣営で過半数が獲得できないとなれば、マクロン大統領の政権運営には、他党との協力が不可欠になるなど、前途多難な側面は否定できないでしょう。

 EUとの連携・協力を重視するマクロン氏が大統領になったことを、EUはもちろん、アメリカなど世界の主要各国は歓迎する姿勢を示しています。が、一方で「フランスのトランプ」とも言われる極右のルペン氏が一定程度の票を得たという事実を鑑みると、いつフランスのEU離脱や自国保護主義待望論が出てくるかわかりません。まだまだ世界情勢を揺るがす可能性を残しつつ、ひとまずは調和に目を向けた大統領が誕生した週末でした。

 とはいえ、世界では30代の大統領が登場してきたことを考えると、低成長の先進諸国にはこれくらいインパクトのある就任が必要なのかなとも思いますね。ビジネス界においても、世界を牽引する企業のCEOは若返りが続いていますし、若くエネルギッシュなリーダーが早く台頭してきた所から、将来の繁栄に近づいていくんでしょうね。

■仏大統領選決選投票、マクロン氏が勝利 

http://toyokeizai.net/articles/-/170755

■【1分で説明】フランス新大統領エマニュエル・マクロンってこんな人。

https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/em?utm_term=.ia26MB9xMQ#.yd5xN9BvNW

 さて、それでは今週の内容です。

【今週の目次】

1.その仕事選びの軸は、「誰」を見ているか

2.今週のトピックステーマ

3.気になるアイテム

4.お悩み人生相談 Q&A

5.読者感想コーナー

6.終わりに

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1.その仕事選びの軸は「誰」を見ているか

 前回、「仕事選びの軸は何だって良い」ということで、自分の気持ちに素直になって自然体で仕事を選んでみては、ということを論じました。同時に、世の社会人の先輩の多くは「仕事選びの軸が大切だよ」と学生や後輩を諭したり、求職活動をする人も「仕事選びの軸がはっきりしない〜」と嘆いていたりします。この状況に対して、個人的には仕事選びの軸をはっきりさせることは無意味であり、不要であると主張しました。

 そうは言っても、「面接で聞かれる機会は多いし、仕事選びの軸についてハッキリと纏めておいた方が選考の合格率は高いでしょ」という意見も頻繁に耳にします。仕事選びの軸は何だって良いと言っても、内定がもらえなければどうしようもない、という意見も確かに最もだと感じます。という訳で、今回は自分自身の素直な気持ちで仕事選びをしながらも、面接や選考を通過するために抑えておきたいポイントを整理しましょう。

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