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【アート旅】フェルメールと17世紀オランダ絵画展 in 東京都美術館

こんにちわ。TRIP_YUKOです。

 今週は東京都美術館の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行ってきました。

 レンブラント、フェルメールなど国立新美術館のメトロポリタン美術館展にも展示されていた画家の作品があるので、深く掘り下げているような感覚でした。

 こちらの展覧会は、ドイツのドレスデン国立古典絵画館が所蔵する絵画たち。
 フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」が目玉となっています。
 この作品は、私のような門外漢でもなんとなく見たことがあるかも!というほど超有名なフェルメールの作品。近年、背景の壁が第三者によって無地に塗り潰されていたことが分かり修復が施されました。その修復後の絵画が来日!しかも所蔵館以外で公開されるのは世界初!なのだそうです。

 昨晩の時点で空いていたのは最後の回のみ。まぁいいか、とチケットを購入しました。

 東京都美術館は桜の名所として親しまれる上野恩賜公園の中にあります。冬枯れていた桜の木も薄っすらと蕾をつけようとしていました。桜の開花に向けて並木道の整備も既に終わっているようです。2週間後には今年も美しい桜並木が楽しめそうですね。

■音声ガイドは女優の小芝風花さん

 前回の利用ですっかりハマった音声ガイド(600円)をレンタル。私のようなズブの素人にはコレです。いやぁ〜、今回も借りて正解でした!その理由は後ほど。
 ナレーションはドラマなどでも活躍する小芝風花さん。柔らかくて可愛らしくも知的な語り口がピッタリでした。 

■当時のマーケットが分かる風俗画が中心

 絵画展は肖像画から始まり、人々の生活をモチーフにした警句的な絵画、邸宅に飾るための風俗画や静物画などが中心。
 文化的教養の高い人たちによって売買されていたのだろうと想像され、マーケットの傾向を汲んで描かれているという説明が度々聞かれました。
 今回の目玉である「窓辺で手紙を読む女」の画中画(←絵の中に描かれた絵のこと)が塗りつぶされていたのも、思想云々ではなく市場の好みに合わせて消されたのではないかと考えられているそうです。
 今は巨匠フェルメールの作品になんてこと〜!!って感じですけど当時は何とかして売るには、、、と試行錯誤されるくらいの扱いだったんですかね。

 モチーフも、生活のワンシーンが基になっているものが多くて分かりやすい。
 上流階級とは言え、一般の人が趣味でコレクションしたり飾ったりしていた、大衆人気のあった作品と考えると親しみを感じます。単純に好き嫌いで観ても良いんだな〜と気が楽になりますね。

■心惹かれた作品TOP3

 ※写真は購入したポストカードです

第3位  「白繻子のドレスをまとう女」ヘラルト・テル・ボルフ

 女性が纏うサテンドレスがまるで本物!!生地の質感が手に取るように感じられ、本当に光を反射しているように見えます。
 後ろ向きの女性が支度している部屋は薄暗く、サテンドレスの光沢が一層艷やかな印象をもたらしています。哀愁なのか儚さかを感じ想像を掻き立てられる作品です。

第2位「手紙を書く男」カスパル・ネッチェル

 頬杖をついて、思いを巡らせながら銀の羽ペンで手紙を書く若い男性が描かれています。この作品、単品ではそれほど惹かれなかったのですが、音声ガイドと合わせて聞いた途端に絵の中の人物が動き出しました。
 今回の音声ガイドでは「手紙を書く男」に合わせて描き下ろしたテーマ曲、Anonymouz「Unbreak」をBGMとして聴くことができます。
 この曲がとにかくこの絵画にピッタリ!!フル尺3分半、絵画の前から離れられなくなりました。

 AnonymouzはJ-POPを英語に落とし込んだカバー作品で知られる話題のアーティストさんだそうです。RADWINPSの野田洋次郎や、今をときめく藤井風からも英訳が上手いと称賛されているのだとか。

 この曲をBGMに、この男性は窓から外を見上げている。窓の外は小雨が降っていて、少しだけ小康状態になったところで、明るくも暗くもない。恋仲の相手を思い書こうとしている手紙はなかなかペンが進まない。恋人と言ってもウキウキした関係ではなくて。そんな情景が私は浮かびました。
 曲とともに動き出した絵画作品。今回音声ガイドをレンタルして正解だった!と思った理由です。

第1位「窓辺で手紙を読む女(修復後)」ヨハネス・フェルメール

 今回の展示の大目玉!「窓辺で手紙を読む女」。壁に掛けてあるキューピッドの画中画が、何者かに塗りつぶされていました。上塗りされた絵の具を取り外されたのがこちらの絵です。
 愛を表すキューピッドが仮面を踏みつけていて「嘘や欺瞞には誠実な愛だけが勝つ」という意味があると捉えられるそうです。フェルメールが本当に言いたかったことが強く主張されていますね。

 修復前の真っ白な方が、たしかに見る側に余韻があってそっちのがカッコいいなぁなんて思ったりしますが。ごめんねフェルメール巨匠。

 画中画の有り無しではなく、私が素敵だと思ったのが光の描き方でした。窓辺から差し込む光が当たっている手紙や手の描き方が素晴らしすぎる!!
 光が当たった手紙は良い知らせにも、穏やかな日常にも、悲しい別れの手紙にも取れます。光にあたる手は窓側だけが白く反射していて、こちらも複雑な感情を表しているようにも見えました。
 光のキラキラ具合が本物じゃないと本当に伝わらない!目玉が目玉たる、フェルメールって凄いんだな!と思わせられた作品でした。
 あと、私はどうやら「布地」が好きらしい、、、。左手前の赤い布がめちゃくちゃキレイです。

■次回の東京都美術館は「THE GREATS 美の巨匠たち」

4月の後半からは、スコットランド国立美術館が所蔵するルネサンス期から19世紀の作品を展示。
ベラスケスや、レンブラントもまた見られるようです。ベラスケス見たい!

■最後の入場回はオススメしません

今回失敗だったのが、入場回。空きがなかったので最後の回になったのですが、時間がなくてザッと見したところや複製版画はほぼ飛ばしました。
 1時間では見きれませんので、遅くとも15:30までの回に入ったほうが良いです。絵画も割と小さいものが多いので列待ちもあり。しっかり見るなら2時間は見たほうがいいかも。

以上、日帰りアート旅でした。

「フェルメールと1世紀オランダ絵画展」


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