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チェルノブイリ日記 37 ~ まともな道を歩けるという喜び

見よう、クレーンを

 前回のあらすじ。
 チェルノブイリでクレーンを眺めています。

 川沿いでいつ倒れるか分からないクレーンを眺めている我々。これも原発事故により生まれた負の遺産ではありますが……私は廃墟となった街を見るためチェルノブイリまでやって来たんだったはず。重機の類は想定外だったのですが……いやまぁクレーンの足元まで連れて来られんだから見ますけど。
 ということでもうちょっと見ます、クレーンを!

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※ 過去の日記はこちらから。

白っぽいクレーン

 前回のクレーンのそばに立っているクレーンに近付きます。

 前回のクレーンより全体的に白っぽいですね。元々白いクレーンが錆びてところどころ赤くなっているわけではなくて、ガイドが言うには鳥のフンで白くなっているとのことです。

 前回のクレーンと同じ形のようですね。しかし首が垂直に近かった前回と比べるとより生き物感がありますね。

 運転席を見てみます。

 窓が割れています。ドローンを飛ばせば中の様子を見られるんですかねぇ。何か残されているのかな。
 これが映画やドラマなら白骨死体が発見されて、DNA鑑定や当時を知る人に聞き込みを行っていったところ巨大な陰謀を知ることとなり……みたいな話になるんでしょうけどね。いや映画やドラマでもわざわざチェルノブイリに来てドローンを飛ばして運転席を覗くってどんな導入やねんと思いますが。

 首と頭部。

 相変わらず謎のハシゴと足場。いやほんと上ったところで何をしてたんやろね。保険、入ってました?

クレーン回

 よほどのクレーンマニアでない限り皆さんもう飽きてらっしゃると思います。ただでさえ数人しか読んでくれていない日記でこれです。いやまぁクレーンマニアがこの日記に辿り着くなんてことはないのでしょうけど。なんというか書いている私自身がちょっと飽きてもいますけど。
 でもそこにクレーンがあれば見ますし、写真があるなら載せるのですよ。貧乏性なんですよ、ごめんなさいね。

 というわけで別のクレーンです。というか暗い写真だなぁ。
 写真のタイムスタンプは2013年10月13日17時1分18秒。この頃のウクライナの日没が18時過ぎですので、まぁ暗いのは仕方がなかったということで……。

 運転席の窓が割れているのはまだしも、左の全開になっているところは何なのでしょう。扉……なわけないですよね? いや、窓が割れているのも不思議ではあるのですが。
 平屋の窓なら強風で何かが飛んで来て当たって割れたと考えられなくもないですが、クレーンのこの高さではちょっと……。原発事故が起きてから誰かが腹いせに破壊していったのかなぁ。え、こんなところを?

 やっぱり首にはハシゴ。背かごがところどころないのがまたちょっと怖いですね。

 クレーンを何台も集めてここに何を建設する予定だったのでしょうね。

 ところでもう夕方なんですよね。17時過ぎ。ウクライナのこの頃の日没は18時過ぎなので……そろそろ帰りませんか?

行きはよいよい帰りは怖い

 今日は自動車でプリピャチの街へやって来て崩壊した学校のそばを通ってマンションや病院を散策してそれからここまで歩いて来ました。ということは自動車を停めたところまで歩いて帰らないといけないということなのですね。え、歩くの?

 高い電柱? 細くて長い何かが立っていました。

 当たり前のようにハシゴが設けられています。ここまで上って、そして何をしていたのでしょう。見張り台にしては狭過ぎますし何を見張るのかという話ですし、上ったところに重要な何かが設置されているようにも見えせんし……。

 謎の土台? と管を横目に……

 地面に転がる管や木の枝に足を取られないように気を付けつつ……

 木の枝を押しのけて進みます。前を歩くガイドが押しのけていた枝が勢いよくこちらに戻って来ますので顔面を打たれないように気を付けて!
 ねぇ……他に道ないん?

 ここはまだ歩きやすい場所です。
 向こうにイケメンの背中が見えますか。私とイケメンの間にはガイドがいるはずなんですが……いませんね。あれ、さっきまで私の前を歩いてませんでした?

穴の開いた小屋たち

 小屋のそばを通りかかりましたのでパチリ。写真の右側、扉が豪快に倒れています。もう見慣れた光景です。驚きません。
 大きな穴が開いているのは何なのでしょう。車庫というわけではないのかな。土地なんて有り余っているでしょうに、わざわざ地面を掘る理由は……?
 木にはなりますが、イケメンがさっさと歩いて行ってしまうので通り過ぎます。

 この写真は先程とは違う小屋です。外観の写真がないのは余裕のなさか、距離の問題があったのか……記憶にございません。
 この小屋も謎に穴が開いていますね。床下収納という雰囲気ではなさそうですが……。

 ありり、この写真も違う小屋か。それにしてもどうして穴が開いているのでしょうね。小屋が地下で繋がっているとか……何のために?

 また違う小屋の写真です。外観を撮影していないのはもしかして見飽きてしまったからなのか?
 この小屋もよく見ますと左下に穴が開いています。どうして……。

草ヒロとは何なのか

 穴の開いた小屋のそばには……えーと、これは……つまり……。

 燃やされた跡……ですかねぇ? ですよねぇ。なんとなく見覚えのある雰囲気なのですが。

 自動車か!
 これは運転席ですよね。さすがに分かります。えーと、で、どうしてこのような状態に?

 草むらに放置された自動車を「草むらのヒーロー」略して「草ヒロ」と呼んで愛好している方々がいらっしゃるようですが、これも草ヒロなんですかねぇ。まぁ私が言っている時点で違うと思いますし愛好している方々は私の日記など見向きもしないと思いますが……。

 それはそうと写真の右上にイケメンの後ろ姿が。早く追い付かなくっちゃ!

まともな道とは

 まともな道に出れたー!
 嬉しさのあまりスマホで撮影してその場でmixiにアップした写真がこちらです。友人から「まともな道か?」と突っ込まれましたが、植物が苦手な私が草を踏みしめ木の枝を押しのけ歩いていたことを思えば涙が出そうなほどまともな道だったのですよ。
 ちなみにチェルノブイリを訪れたのは2013年10月でして、その2ヶ月ほど前まではガラケーを使用していたのですが、外国でインターネットに接続するためにスマホへ機種変更していたのですよ。
 外国でのいわゆるパケット定額サービスの料金は当時1日あたり2千円か3千円だったと思います。

次回予告

 日が暮れたので帰りましょう。

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