去華就実~中学校教師の教育雑感記~

元公立中学校教師。現在,公立中学校非常勤講師。校内研修や教育セミナーで講義,講演,模擬…

去華就実~中学校教師の教育雑感記~

元公立中学校教師。現在,公立中学校非常勤講師。校内研修や教育セミナーで講義,講演,模擬授業を行っています。道徳教育、道徳授業づくり,学級経営、学年主任としての仕事術,教師論,教育論についての研修やセミナーの講師依頼も承り中です。主な著作は「良い行いを導く道徳授業」(日本標準)

最近の記事

是非とも読んでほしい

先日紹介した『「叱らない」が子どもを苦しめる」(薮下遊・高坂康雄 ちくまプリマ―新書)は,教師だけではなく保護者や育児をしている人たちに,是非読んで欲しい本です。 ノートにポイントを書き出しながら読んでいきましたが,6ページにもなりました。 例えば, ○子ども時代は,できること=可能を開拓,拡大していく時期である。 ○やりたいこと=願望→他者を必要としない ○できること=可能→他者の存在が必要 ○個性とは,他の人と同じことをしていたとしても滲みでてきてしまうもの。 ○自身の「

    • 小さなキセキ

      今週の水曜日は,久しぶりに家族4人が揃ったので,夕食は居酒屋に行きました。 2人の息子の仕事の関係で4人が揃うことは,なかなか難しいのです。 居酒屋に行った理由は,美味しい焼き鳥と唐揚げが食べたいと思ったからです。 酒を飲まない私と妻はジンジャーエール,2人の息子は生ビールで乾杯しました。 さて,「JAF MATE」(2024年春号)に作家の吉本ばななさんのこんな文が載っていました。 その通りだなあと,しみじみ思いました。 こんな小さな奇跡をあと何回経験できるのかとふと考

      • 誠実は信用の基

        「内外教育」(2024年4月12日)に全国連合小学校校長会会長である植村洋司さんが「師に学ぶ校長の心得」について書かれていました。 この中で,植村さんが座右の銘としているのが,次の言葉です。 なかなかいい言葉だと思いました。

        • 「世界からの押し返し」

          千葉県の松尾英明先生が紹介されていた『「叱らない」が子どもを苦しめる』(薮下遊・高坂康夫 ちくまプリマ―新書)を読みました。 著者の薮下さんは,学校現場で働いているスクールカウンセラーです。 この本の中で,気になった言葉が「世界からの押し返し」という言葉です。 現在の子どもは,「世界からの押し返し」された経験が少ないというのです。 柔らかく言えば,良くないところを指摘される経験が少ないことで,不適応などの問題が起こっているのです。 自分の子どもの頃を思い出すと,父親が壁的な

          週案の言葉

          「週案」(授業や教育活動の計画と記録)がようやく届きました。 非常勤講師なので遅くなりました。 さて,この週案の表紙に,毎年,野口芳宏先生の言葉を書いてきました。 今年度の言葉を何にしとうかと,1時間程度,野口先生の本をパラパラとめくってみたとこと2つの言葉が気に入りました。 どちらにしようかと悩みましたが,結局②にしました。 私が成長できたのは,野口先生をはじめとする第一線の先生,一級の先生がたとの出会いがあったからです。 感謝の気持ちを込めて,この言葉を選びました。

          子ども読書の日

          今日は,文部科学省が定める「子ども読書の日」だそうです。 読売新聞「編集手帳」に「不思議の国のアリス」の著者であるルイス・キャロルの言葉が紹介されていました。 私はこんな感じで読書を楽しんでいます。 ①途中でおもしろくなくなったら,無理せずに読むことを止める。 ②数冊を同時進行で読む。 ③他人の書評をあまり信用しない。 ④途中で読むことを止めた本を数年後に読んでみる。 ⑤リンク読書を楽しむ(本の中で紹介されていた本や参考図書で興味を持った本を読む) ⑥気に入った言葉や文は,

          「志事」

          仕事ではなく,「志事」と書きたいです。 「志事」と書くと,自発性が生れます。 「志事」と書くと,希望が見えます。 「志事」と書くと,情熱を感じます。 「志事」と書くと,パワーが出てきます。 「志事」と書くと,仕事に行きがいを感じます。 何よりロマンがあります。 さあ,明日も「志事」をがんばろう!

          中教審素案に思うこと(その2)

          中教審素案を見て思ったことの続きです。 ③全中学校に生徒指導担当教員を配置 →条件付きの賛成です。 その条件とは,その担当に授業をさせないでフットワークを軽くさせることです。 そして,警察などの関係機関と連携して素早く動ける立ち位置にすることです。 生徒指導は初動が重要になることが多いからです。 ④教員調整額を10%以上に引き上げ →現状よりはいいので,まあ,賛成です。 給特法を廃止しなければ,定額で働かせるだけ働かせるという意識は変わりません。調整額が上ったから,もっと

          中教審素案に思うこと(その2)

          中教審素案に思うこと(その1)

          19日に,文科省の中教審で教員の働き方改革をすすめる素案が発表されました。 そのポイントに対する中学教師の考えを書いておきます。 ①すべての教員の残業を45時間以下にする。将来的には月20時間を目指す。→情報セキュリティの関係で文書や教材,資料等を自宅に持ち帰ることはできません。ということは,学校で仕事をするしかありません。 若手教員は教材や文書のストックが少ないため,学校に残って仕事をするしかないのです。 →土曜日の部活動指導時間を,平均3時間とすると月12~15時間とな

          中教審素案に思うこと(その1)

          1週間ようやく終了。

          新しい勤務校であるS中学校での1週間がようやく終わりました。 ようやくと感じたのは,とても疲れたからです。(腰痛を我慢しながら授業をした日もありました。) しかし,3時間の授業を行った2年生(2学級)は,授業システムに少しづつ慣れてきて,授業に活気が出てきました。 学習意欲が高い生徒も多く,毎日の自学ノート提出も増えてきています。 朝から自学ノートを提出する生徒もいます。 ちなみに,今日の提出冊数は,22冊(2学級で75名)でした。 また,担任の話では,「社会科の授業が楽し

          「勉強」か「啓発」か

          呉智英(くれともふさ)さんの「健全なる精神」(双葉社文庫)は,何回読んでも知識が増えます。 さて今回は,教育についてです。 「勉強」という言葉の本来の意味は,勉めを強いることです。 つまり,何らかの強制力が必要だということです。 この本の中で,呉さんは,学校を「強制装置」という言葉を使って説明しています。(p80) 確かに,学校は,(行くたくもない)子どもを一か所に集め,(好きでもない人間と一緒に)学級に所属させ,(受けたくもない)授業を受けさせ,(好きでもない)給食を食

          学びのモチベーション

          2年生の社会科授業も3時間目となりました。 私の新しい授業システムに戸惑う生徒もいましたが,ようやく軌道に乗ってきました。 私の授業システムの大きな柱は3つです。 ①全員参加 ②学びのモチベーションを持続させる ③個別即時評価(生徒のがんばりをその場ですぐにほめる) この3つを実践することで,生徒は授業が楽しく感じるようになります。 生徒の学びの意欲も高まってきています。 今日の2年1組の自学ノート提出は17冊でした。(37名中) 最初に指示したことをすぐにやるという生

          「ハイエース一人旅」

          毎回楽しみにしているyoutube動画が,インパルス板倉俊之さんの「ハイエース一人旅」です。 一時期,ソロキャンプが流行りましたが,板倉さんはそこまでガチガチではありません。 火を起こして料理を作ったり,バリバリのテントをはったりはしません。 車内で旅館の弁当を食べたり,買ってきたパンをトースターで焼いて食べたりします。 そして,車中泊をします。 失敗や愚痴が多いところが人間味を感じさせます。 この動画を見ていると,心が穏やかになります。 忙しい時こそ,この動画を見てほしいと

          始動!社会科授業

          S中学校での勤務が始まりました。 渋滞に巻き込まれないために,朝6時50分に自宅をでました。 7時15分に到着。 学校内を巡回(トイレの使い方や教室の配置,掲示物の実際などの確認)MEETで全校生へ着任のあいさつ。 2年生2学級の社会科授業は,授業開きをしました。 前任校の最後の授業が3月15日でしたから,ちょうど1か月ぶりに授業をしたことになります。 さて,授業の主な内容です。 2学級とも説明を顔を上げて真剣に聴く態度が良く,中には,うなづきながら聴いている生徒もいま

          世界に1つだけの企業

          今日の読売新聞「ニュースの門」は,レコード生産に関する記事でした。 現在,レコード人気が再燃していることは知っていました。 その原盤である「ラッカー盤」をつくっている企業は,世界に1社しかないことが知りませんでした。 この「ラッカー盤」をつくるためには,高度な技術と技術が要求されるそうです。 さて,その企業が,長野県にある「パブリックレコード」です。 この企業がなくなると世界中のレコードが生産できなくなるのです。 CDの登場によって,レコード生産が著しく減少し,企業の数も激減

          ヒンナ!ヒンナ!

          2月の初旬からアニメ「ゴールデンカムイ」を見てきました。 しかし,現在のところアニメ版は第4期までで,最後まで見れません。 どうしても続きが知りたくて,ヤングジャンプのアプリで無料漫画を読んでいました。 (ただし,1日1話コツコツ読んでいました) しかし,これも最終巻である31巻は,無料ではありませんでした。 (さすが,集英社さん,商売上手) ここでも,どうしても最後まで読みたくなり,結局,31巻だけコミックで読みました。 感想は,西部劇や「スターウォーズ」や「インディージ