見出し画像

idol is dead

君は何かの間違いで
生態反応だけを頼りに生きている
宗教にも流行にも興味がない
信心の真実なんていらなくて

腹が減ったらジャンクフード
自分自身がゴミだと思っている
セックス 注射器 錠剤に対しても
罪悪感なんて感じてはいない
なぜなら劣等感がそれらを上回るから
塗りつぶされた壁に劣等感

君は流れ星を追いかけて
ロシアの針葉樹林で死にたいと言った
配給制のパンが食べられなくても
凍り付いた心臓のまま死ねるならそれでいいと
安い詩人の言いそうな陳腐な台詞
死んだ目でうわごとみたいにつぶやいた

焦燥感は消えてしまって
カロリーに操られるだけ
ミルクキャラメル舐めては
あたしは甘くなりたかったのと
アルカイックスマイル浮かべて それから泣いた

空の色が魚の海 鳥はそれを食べ尽くそうとして
流れた血が夕焼けをつくる
僕の眼は彼女と景色を分別して
分析して やがて疲れて閉じるだけ

君はテレビの液晶に ぴたりと顔をつけて眠る
嫌いな自分を写すために
劣等感に囲まれた空間で彼女は刃にキスをして
溜め息の代わりに傷をつける

彼女の今日は死人のように
彼女の今日に僕は寄り添う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?