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ウォームアップと基礎練習の違い

ウォームアップ、どんな内容ですか?
ウォームアップ、していますか?

レッスンでそんな質問をすると、多くの方は「何となくパラパラと音を出して、ドレミファを吹いて、ロングトーンして…」など曖昧な回答が返ってきます。

ウォームアップというよりも「音出し」と考えている方が多い印象で、その流れでいつの間にか教本を使った基礎練習に突入している場合も多いようです。

僕はウォームアップと基礎練習は明確に分けるべきだと考えていて、自分でもそうしています。では具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

ウォームアップとは

ウォームアップとは、自分の実力を常に最良の状態に整える行為です。いつもメンタル面もフィジカル面も問題のない状態で演奏でればウォームアップは必要ないのかもしれませんが、人間である以上それは考えにくいです。何か調子が悪い、昨日と反応や感覚が違う、そうした場合に原因がどこで、どうすればいつも通りになるのかを理論的な側面から解決していくことだと考えています。

「なんか今日、調子悪いなあ」とわかっていながらも修正せずに練習や合奏に突入してしまうと、その日ずっと調子が悪い状態が改善しないまま終えてしまいますし、それを放置して数日楽器を吹いていると、いよいよどうやって演奏していたかわからなくなり、大きく調子を崩してしまうかもしれません。
それに、もし本番当日に調子が悪いのに修正する方法がわからなかったら、せっかく築き上げてきた日々の練習や合奏が台無しになってしまいます。そう考えるとウォームアップをする習慣を持ち、内容を決め、調子を整える方法を把握しておくことは必要だと思います。

基礎練習とは

一方で基礎練習には2つの目的があります。

1.自分の実力というフィールドを広げる
2.自分の実力というフィールドの質を高める

ウォームアップが自分の「実力というフィールド」を整える行為であるのに対し、基礎練習はそのフィールドの面積を広げる行為、もしくはフィールドの質を高める行為です。

そのためにはまず自分が何が苦手で、何ができていないのかを知ることが必要です。具体的なテクニック、例えばトリプルタンギングができないとか、音の跳躍が苦手とか、そういったことです。カンタービレ(歌うように)演奏することが苦手とか、アゴーギク(緩急)を込めたフレージングができない、という表現力の面も含まれます。

もうひとつは、一応できているけれど、もっとクオリティ高いものにするために研究することです。例えば発音(タンギング)がもっとキレイにできるようになりたい、もっと響きのある音色を出したいなど。
クオリティを高めるためには、その指標となる存在が不可欠です。良い音を出したいと思ったところで、それが具体的どのような音色なのかイメージが明確にできていなければ目指すことすらできないわけですから、たくさんの素晴らしい演奏を聴くこと、レッスンを受けることなどが必要です。また、トランペットという楽器だけでなく、様々な奏者の演奏、様々なジャンルの音楽に触れることも大切です。

曲の練習をしている際、どうしてもできない箇所が出てきたら、それは現状の「実力というフィールド」の外にある技術かもしれません。そのような場合は曲練習から一旦離れて、どのような基礎練習をしたらこの部分が演奏できるようになるかを考え、的確な研究や実践をして曲に戻る、というストーリー作りが大切です。そうしないと、何百回もひたすら同じ箇所を繰り返し吹くという非効率的な練習しかできなくなってしまいます。

いかがでしょうか。ウォームアップと基礎練習の違い、おわかりいただけたでしょうか。トランペットを吹く時間の中で、今は何をしている時間なのか、次に何をするのかを明確にすることやあらかじめ決めてておくことが大切です。

今回お話したような内容をレッスンでしっかりと身につけることができます。
ウォームアップの具体的な内容や方法、様々な基礎的な技術を手に入れたり、クオリティを高めるための理論から解説、実践までを丁寧にお伝えします。
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荻原明(おぎわらあきら)

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