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【歴史概要43】ブルネイ王国の話

①ボルネオ島の北東部にある小さな国家がブルネイである。住民はマレー半島やスマトラ島から移住してきたマレー人が7割で華人が2割ほどを占めている。

②10世紀ごろには存在が知られており、ボルネオ島を中心に各地の港を結ぶ交易活動で繁栄していた。

イスラーム教を受容したのは15世紀である。フィリピン南部を中心とするスールー王国と経済的利権を争っていた。

③18世紀になるとフィリピンを拠点にしたスペイン、インドを拠点にしたイギリスがこの地域へ進出した。ブルネイ王国はイギリスの協力を得て海賊討伐を行った。

④この海賊討伐で活躍したイギリス人ブルックやイギリス北ボルネオ会社がブルネイの東西とサラワクやサバを領有していく事となる。ブルネイは19世紀末にイギリスによって保護国となった。

⑤第2次世界大戦下では日本の占領であったが戦後は再度イギリスの保護となった。

1959年には国防・外交・治安を除いて自治が認められた。

⑥北ボルネオで一つの国家を目指す動きがあったがこれには同調しなかった。マレーシアとの連邦結成の要請も拒否した。理由としては領海で産出される石油や天然ガスの利益であった。

⑦ブルネイ王国は1984年に完全独立を果たした。サウジアラビアと同じような王族体制である。

⑧フィリピン南部のスールー王国は15世紀ごろからイスラーム教が普及した。16世紀にフィリピンがスペインの支配下となるとこれに抵抗し海賊行為などを働きながらスペインに打撃を与えた。

⑨19世紀末からアメリカの支配に抵抗するようになるが戦間期にアメリカに屈した。こういったイスラームの伝統が「ジェマ・イスラミア」などのイスラーム過激派組織を生む土台となっていった事などを学びました。

■参考文献
『ライバル国からよむ世界史』 関 眞興 日本経済新聞出版社

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