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意外と拾い物。 ~ 舞台 ビロクシー・ブルース(BILOXI BLUES)~

全くノーマークの舞台でしたが、先週の半ば位に「オトク情報メール」がチケットサイトから流れて来ました。

正規購入の方に申し訳ないので詳細は伏せますが、ケチとしては「でしたら、ぜひ♪」とチケット申し込みをポチリ。

席の予約が出来る申込だったので、良い席確定!

ホームページにて予習をして、いそいそとシアタークリエ(日比谷)へ出掛けました。

舞台の終わりにトークショーが有るとのことでしたが、演者さんは小島聖さんのみ存じ上げていたので、場合によっては舞台後は帰ろうかなっと。

ここからはネタバレありの感想となります。

これから観劇予定の方は後日お読み頂けましたら幸いです!


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舞台は喜劇作家のニール・サイモンの自伝的戯曲です。

舞台は第二次世界大戦中の新兵訓練所。

作家志望のユージンこと濱田龍臣さんは列車に乗って新兵訓練所へ向かっています。

「回顧録」と銘打った身の回りで起こる出来事を、その時に思った気持ちで逐一書き付けています。

列車に数日間乗りっぱなしで到着した新兵訓練所。

ここで2カ月半の訓練を受けますが、そこには生真面目に規律を守らせる、鬼軍曹のトゥーミーこと新納慎也さんが指導官として待ち構えています。

同室の仲間には・・・

ご陽気なセルリッジこと鳥越裕貴さん、寝言で歌うカーニーこと松田凌さん、体格の良さでジャイアン気質なワイコフスキこと大山真志さん、彼女っぽい子がいるけど関係性に悩むヘネシーこと木戸邑弥さん、理屈っぽいけど自身の信念は曲げないエプスタインこと宮崎秋人。

性格も考え方も様々な6人は理不尽な軍の規律の元、物凄く不味い食事を無理やり食べされられ、蚊に刺されヒルに血を吸われる沼地の訓練に従事させられ、鬼軍曹の気分ひとつでやたら腕立て伏せをやらされます。

これらの理不尽に唯一「自分の信念」に基づいて発言する宮崎さん。

そんな宮崎さんに鬼軍曹は訓練所内の最悪なトイレ掃除を命じます。

これに抗うと思いきや「命令」には飄々と従う宮崎さん。

この態度に鬼軍曹はイライラが禁じえません。


数日の後、新兵たちに週末の休みが与えられます。

ですが、この際に大山さんのお財布からお金が抜き取られている事件が起こります。

鬼軍曹はルームメイトに「抜き取った者は申し出ろ。さもなくば連帯責任で休み無し」と言い渡します。

すると宮崎さんが一歩進み出て「自分がやりました」と"抜き取られたお金"を自分の財布から取り出します。

誰の目からも彼がやっていないことは分かりますが、鬼軍曹は「申し出られた」手前、他のルームメイトには休みを与え、宮崎さんには休み無しでトイレ掃除を厳命します。

濱田さんは、宮崎さんに違うのに何で?と聞きますが、彼は「誰かひとりのせいで全員の休みが無くなるより、ひとりの犠牲でみんなが休めればそれで良い」と答えます。


濱田さんはこの訓練期間中に目標を立てていました。

その内のひとつとして、仲間と一緒に娼館へ出掛けて既婚の娼婦ロウィーナこと小島聖さんに童貞を捧げることで達成します。

勢いに乗って「ステキな彼女」をゲットすべく、ダンスパーティーに参加します。

娼館もダンスパーティーにも慰労的な少数の女性が派遣されている状態。

その出会いの少ないダンスパーティーで、奇跡的にカトリック学校に通う美少女デイジーこと岡本夏美さんと出会い、あっさりと恋に落ち、忙しい合間を縫っての逢瀬に束の間心弾ませます。


2カ月半の訓練を終えて、それぞれが命令を受けて戦地へ旅立つことになります。

様々な場所へそれぞれに命じられた戦地。

濱田さんは数年後に、みんなのことを思い出します。。


かなりあっさり味のストーリーに見えますが、鬼軍曹の新兵達への理不尽に近い規律順守の姿勢は異常なレベルでした。

少しでも自身の意に沿わない琴線に触れた者には容赦ありません。

絶対的な存在であるはずの自身に、暖簾に腕押し的な態度を取る宮崎さんへの仕打ちはエグイです。

そして当時の同性愛に関する厳罰具合も法的措置が取られる容赦の無さ。

その中で濱田さんの青春謳歌っぷり、ブレ無い純粋な人間性には救われるものがあります。

でも戦中のお話ですから、訓練を終えた新兵達の戦地での出来事など、戦争の理不尽さは全編に流れていました。


展開がポンポンっと小気味良く、ヤング同士のおバカな会話や、気取った回りくどさなどに笑えるシーンが多く、会場では随所随所で大笑いが起きていました。

宮崎さんの鬼軍曹への一発逆転は清々しいものがあります。

自分もかなり楽しませて頂いたので、トークショーは残留。

濱田さん、宮崎さん、松田さん、鳥越さんが出演されていましたが、素でも割と役柄とオーバーラップしていて面白かったです。


書き方は悪いのですが「オトクに取った」だけのつもりだったので、外しても良いやと薄っすら思っていましたが、思わぬ拾い物でした。

鳥越さんが熱く「まだ残りの公演に多少席があるそうなので、ぜひお知り合い、お友達に宣伝して下さい!!」と仰っておられたので・・・

11月19日まで上演されておりますよ!

お時間の合う方はぜひ足をお運び下さい♪


帰り道、もうクリスマスツリーのイルミネーションが。

年末ですわねぇ。

ヤングガールたちもついでに激写。


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