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スタートアップネイション・イスラエル人の考えていること...イスラエル、ただいま内閣組閣中。

4月9日に行われた21期イスラエル国会総選挙の最終的な結果が発表されました。
投票率は68.46%、前回、2015年の選挙よりも約4%投票率が下がったとのこと。

個人的に驚きだったのは、ベネット(元教育大臣)とシャケッド(元法務大臣)が結成した新党「新しい右」が最低投票数を得られず、1議席もとれなかったこと!あの美しさと残忍さ(!)を併せ持った彼女、こうまで簡単に消え去るとは驚きでした。
イスラエル人の多くも同じ考えだったようで、「彼女なら何らかの方法で内閣に入り込むのでは?」という仮定で様々な方法があちこちで語られましたが、どのような方法であっても無理であるとの結果。今日、ベネットは敗北宣言を発表しました。

メレツの惨敗は痛いながらも、ここ何年かはそれが当たり前になってしまった感有り。とてもとても残念です。

けれど、それよりも痛かったのは労働党の得票率の低さ。一時は、歴史に名を残すような首相も輩出し、リクードの最大の競争相手であった労働党。たった6議席を獲得したまでに過ぎませんでした。史上最低の議席数だそうです。シャスの8議席よりも少ないのです!危機感を憶えます。

注目だったリクードと新党「青と白」の戦いは、両党とも35議席を獲得。ただ、連立内閣を組むには、中道から左側の政党の獲得議席数が少なすぎました。どう頑張っても、過半数は超えられません。それに引き換え、リクードは少なくとも65議席はとれる計算。
イスラエル大統領リブリンは、リクード党に内閣を組閣するよう指示を下しました。

ここで、「青と白党は、せっかく結成者3人が安全保障のプロ集団だというのに、安全保障政策に関して、タカ派に勝る明確な政策を強調せず中道右派を巻き込むことに失敗し、リクードにみすみす勝ちを与えた」との意見もあるのですが、私はそんなことはないと思います。

(私の記憶では)古き良き時代のアメリカの作家、マーク・トウェインが言ったと言われるように、「おしめと政治家は時々変えなければならない。なぜなら汚れるから。」は、真実であると思います。
「青と白」はリクードに反対する野党であることが、一番重要な役目なのではないでしょうか。
ネタニヤフが政権に期限を設けることをせず、汚職疑惑にまみれながらもここまで大勝してしまったのは、国民の、有権者の大敗だと思います。
私は個人的にはネタニヤフ首相を支持しません。それでも彼がとった政策に良い部分が全くなかったとは言えません。また、汚職疑惑も、疑惑であるうちは彼は罪人ではないのですから、それをもって首相にふさわしくないということはできません。
それらを踏まえても、「おしめと政治家は時々変えなければならない」のです。

ネタニヤフ首相はキャリアの最高な場所で、最高の政治家として首相でいることをやめるべきであったと私は思います。
彼に残された道は一つ、一番下まで落とされることではないでしょうか?
結成からまだ3カ月しかたっていない「青と白」党。彼らの勝利は、野党としてどこまで国に影響力を及ぼせるか、そこにかかっていると思います。

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