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スタートアップネイション・イスラエル人の考えていること…あるカフェでの出来事

マニュアル化と個性と

先日、外回り仕事の合間にちょっと時間があいたので、カフェで一息つきました。その時に、接客サービスについて考えたことがありました。

「接客する人」の仮面をかぶらないサービス

半端な時間帯だったということもあり、カフェは割とすいていました。入り口を入ると目の前がレジなのですが、人が見えるのはカウンターの奥の方。レジには誰も人がいないんです。カウンターの奥の人に、客が来たことを、客自ら伝えます。
日本ではありえないよなあ~。と思いつつ、 レジのあたりから勝手にメニューを取って注文を物色。

しばらくすると、レジの人がやってきました。

日本とイスラエルの暮らしで大きな違いを感じることの一つが、接客サービスの質です。日本の接客サービスは懇切丁寧で大変素晴らしいのですが、実は私はどちらかというと、多少粒ぞろいが悪くても、「人間味」が濃いめのサービスが好きなのです。

個性的なレジのお兄ちゃんとの会話

「人間味が濃い」というのは、私の個人的な定義では「接客があまりマニュアル化されていない」ということ。そして、接客する人が素でサービスしていること。 私は、日本のお店に入ると必ず受ける「いらっしゃいませ~っっっ!!!」攻撃が、とっても苦手なのです。 親しくもなければ知り合いでもない私にあんなに愛想がいいのは、「マニュアル」に従っているから。「素」の自分を隠して、「人間味」を消しているからなのです。

イスラエルの接客も多少はマニュアルはあるのでしょうが、独特な言葉遣いまで統一されているとか、皆がニコニコとても明るく元気良くなどということはありません。
めんどくさそうなサービスもあれば、調子に乗ったサービスもあったり、その辺の人間観察も、私は結構楽しんでいるのです。

やっと現れたレジのお兄ちゃんは、後者のお調子者派。

「ねえ、ここのパンって、ペサハの食物規定が守られたパン?」と聞くと「そうなんだよ~。ごめんね~、うち、食物規定守るカフェなんだ。申し訳ないなあ、もう。」との答え。

これが日本だったら、多分どの店員さんに聞いても、「ただ今、ペサハ期間となっております~。大変に申し訳ありませんが、当店では食物規定が守られたお食事をご提供させていただいております~。」という、全然申し訳なくも思ってない上に、次の会話に進みようもない「セリフ」が返ってくるんだろうな、と思いつつ「なんでごめんなの?あなたのせいじゃないじゃないし、私が食物規定を守るタイプだったら喜ぶわよ。」と言って、この後、ひとしきり会話を楽しんだのでした。

コーヒーを受け取って、「やっぱり、マニュアルづくめじゃないサービスっていいな♪」などと楽しい思いで休憩していたのですが、店を出る前にトイレに立ち寄ったところ、ものすごくショッキングなものを目にしてしまったのです。

マニュアルよりも個性よりも大切なもの

なんだか汚い…。汚れまくりというほどではないけれど、お世辞にも気持ちよいトイレとは言えない。トイレットペーパーもちゃんとあるけど、しっかりホルダーに収まってなくて置いてあるだけだし。トイレの掃除は、マニュアル化されている日本の方がいいなあ…と思いつつ、そそくさと用を足し、手を洗いに行ったところ、鏡にステッカーが貼ってあります。

「従業員へ。トイレの後は必ず手を洗うこと!!!」

ええええー!?!?!?そんなステッカーって…。しかも客も使うトイレに貼ってあるなんて…。それって、手を洗わない従業員がいるってこと???あ、でも注意を促してるから、皆ちゃんと洗ってるんだよね?いや、問題はそこではない気が。

私、かなり動揺しましたよ。(動揺のあまりそのステッカーの写真を撮らなかったことを後悔しています。)

コーヒーを飲んだ後だったので、あまり深く考えずに結論を出すことにしました。

結論:「マニュアル通りでも、個性的でも何でもいいから、衛生観念だけはしっかり身に着けてほしい。」


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