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谷帽子シャツ個展2022

入場料制のランドリー機能つきブックショップであるWASH AND BOOKS 」は来たる5月20日(金)から5月29日(日)まで、富山県は利賀村で帽子や衣服をつくっている谷和彦さんをお招きしていくつかのシャツの展示をします。


ファストファッションの隆盛と定着は、その価格の安さによって、服そのもの以上に費用がかかるクリーニングに出す機会を奪い、大切にケアし続けて長く着るということを遠ざけた側面があります。
さらにコロナ禍によって、結婚式をはじめとしてあらゆる祝祭的なイベントは自粛され、私たちはお気に入りのよそおいでハレの場に足を運ぶ機会さえほとんどなくなってしまいました。
流行と陳腐化を繰り返すことによって、ノームコアが定着し、過剰に物欲を喚起されていくループから抜け出すことにそれなりの意味はありますが、であればこそ、時代に左右されることのない質のいいシャツを所有することにもまた意味はあるのではないか、と考えています。
つまり、自分で洗い、自分でアイロンがけをしたくなるシャツを持つということ、大切な日に着ていきたくなるシャツを持つということの提案でもあります。


今回、裏テーマとして、「生地と仕立てのいいシャツをおじさんに独占させるわけにはいかない」ということを掲げています。
たとえばオックスフォード地のようなつや感のない生地が、カジュアルで着やすく、より求められている時代であると感じていますが、本当に質のいい生地には鈍いつやがあるというのです。ピカピカ、てかてかしているのはいやでも、品のいい「鈍いつや」はあってもいいと思うのです。


フォルムはいろいろな着こなしに寄り添うための余白を持つ「静かなフォルム」を意識しつつ、女性型・男性型・ボックスタイプの三種を用意します。
ボックスタイプは、ジェンダーレスなフォルムとして、ストリートラグジュアリー的なたっぷりしたものでのご用意となります。


展示の期間中、「WASH AND BOOKS 」としての営業はお休みして、自由に出入りしていただきつつ、本とシャツをゆっくりと見ていただければ、と考えております。


2020年代のおじさんの立場がよりよくなることを期待してやみません。
よろしければ、ぜひお出かけくださいませ。


谷帽子シャツ個展
~生地と仕立てのいいシャツをおじさんに独占させるわけにはいかない~
期間:5月20日(金)~5月29日(日)11:00-17:00
場所:WASH AND BOOKS(ツバメコーヒー併設)
定休日:毎週月火水定休
作家在廊:5月20日(金)〜5月22日(日)


谷和彦  
1978年愛媛県生まれ。2001年に文化服装学院を卒業し、2006年に新潟に移住。2010年より「谷帽子」をはじめて、翌年以降全国各地で「帽子展」を開催。2015年からは富山県南砺市利賀村に工房を移転し、帽子だけではなく衣服の制作を続けている。

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