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不登校と副腎疲労

2023年8月も終わりに近づき、夏休みが終わろうとしています。

2学期、我が子は登校できるだろうか・・・と心配になっているお母さんに、私の経験がお役に立てることがあれば。という気持ちで書いています。

もし、あなたのお子さんが、朝起きられない、学校や友達に対する不満が多い、夕方からは元気。などの兆候がある場合は、「副腎疲労」という症状を知ってほしいと思います。

ちょっと長くなりますが、私と息子の経緯を書きますね。

私の息子は中学1年生の10月から学校に行けなくなりました。

最初は1、2週間休めばまた行けるようになるのかな。という想いで見守っていました。家ではアニメをみたり、本を読んだり、放課後は学校に行って友達と遊んだりすることもありました。

夕方から元気だけど、朝になると起きられない。布団にうずくまって返事をしない息子の様子をみて毎朝ため息をついていました。

もともと息子は学校生活があまり好きではなく、病は気からというように、学校で嫌なことがあると、扁桃腺が腫れて1週間くらい休むことがあったのですが、中学に入り、環境がガラッと変わったことで、さらに苦手なことが増え、精神的に限界だったようです。

毎日パソコンと向き合って、子供の不登校を経験したママさんのブログを探したり、キンドルで児童精神科医の本を買って読んでみたり、ユーチューブで不登校に関する情報を集めたりしていると、あっという間に1日が過ぎていく・・・という日々を送りました。

不登校の子供の気持ちを勉強している期間は自分の方針もブレブレで、優しい対応のユーチューブを見れば息子に対して優しくなれて、厳しめ対応のユーチューブを見れば、いつ行けそうなの?と厳しめに聞いてみたり、とにかく早くどうにかしないと。という想いが募り、まるでカメレオンのような「見た動画で感情が変化する」精神状態でした。

学校からもはやく戻ってくるようにと、電話やメール、面談などが続いて気持ちが焦る一方で、心療内科には行きたがらない息子に対してどうしてよいかわからない状態でした。

年が変わり、1月になると少し息子の気持ちが上向きになり、少し学校に登校することが出来ましたが、

行くたびに先生方からいろんな声掛けをしていただき、
「休んだ分を取り返さないとね」
「追試があるから明日は早朝に登校しなさい」
「わからないところがあれば放課後時間を作るから言ってね」
そんな声掛けが、返って息子にはつらかったようです。

声掛けをする側は、私も含め、「よかれ」とおもってしているのですが、息子にとっては、とても重たいものだったようです。

明日も行かなきゃいけない。
休んだ分を取り返すためにもっと勉強しないといけない

〇〇しなきゃいけない・・・
〇〇するために頑張らないといけない・・・

そんな思いが抱えきれなくなり、2月に入りまた行けなくなりました。

2回目に行けなくなったことで、学校側からの態度も厳しくなり、このままだと留年ですよ。といわれ、迷った挙句に息子にそれを伝えた時、心の中で何かがプツンと切れてしまったようです。
※スイスでは専門家の診断書などがない場合、1か月以上の長期欠席や定期テストを受けていない場合は留年します。

息子の部屋に行くと、ずっと天井をみて考え事をしていました。
話しかけても反応がなく、焦点のあってないような目で宙をみています。

タブレットを持っていき、アニメでもみたら気分がかわるかな?と思い、声をかけても、

「なにも見たくない」「ひとりにして」と言っていました。
どうみても一人にしておけないような、苦しそうな表情で、絞り出すように「もう、ひとりがいい」といいました。

普段おしゃべりで明るい私ですが、そんな私ですら、言葉を失ってしまうくらい、重い空気をまとっていました。

私たちの体はストレスを抱えると、戦闘態勢に入ります。コルチゾールやアドレナリンというホルモンを出して、なんとかそのストレスに対抗しようとします。このときは、生活リズムは乱れ始めますが、まだなんとか持ちこたえている状態。
精神状態は不安定で、何かのきっかけで崩れてしまいそうな危うさがあります。
この状態は副腎疲労の中期です。

ストレスがずっと解消されない場合、ホルモンを作っている副腎が耐えきれなくなり、それらのホルモンを作れなくなります。

それが、副腎疲労「疲弊期」です。

疲弊期のお子さんは、
何もできなくなります。

1.風呂に入らない (実は入るほどの気力が湧かない)
2.歯を磨かない
3.一日中パジャマでごろごろしている
4.夕方から元気になる
5.夜眠れないので、昼夜逆転しがち
6.部屋は汚く荒れ放題

こんな感じになります。

以前、売れっ子芸能人の方が、テレビにでていて、家ではずっとパジャマでお風呂にも入らない。というのを見たことがありますが、しばらくしてその方はテレビに出なくなりました。

無理して過密スケジュールをこなしたり、過度な緊張状態が続いて副腎疲労を起こしたんでしょうね。

息子の場合は、「学校」「登校」「勉強」「遅れる」というこれらのストレスが解消されることはなかったので、副腎疲労が回復することもなく、トイレ以外はずっと横になっていました。

今、日本では不登校への対応もかなり変わってきて
「そんなにつらいなら行かなくてもいいよ。」
といえる親御さんも増えてきている印象ですが、

当時の私はこの一言がなかなか言えませんでした。

ちょっとお休みしたら、また学校に戻ってほしい。
だって勉強しなかったら、この子は将来どうなるの?

そんな不安が真っ先に頭に浮かんできたからです。

でも、息子の不登校を3年間経験して思うことは、

もっと早い段階で彼の生きづらさや繊細さに気づいてあげて
学校以外の選択肢を模索していたら、当時の彼の心を軽くしてあげられたかもしれないな。ということです。

副腎疲労の疲弊期を経験して、動けない状態だった息子ですが、そこから人が変わったようにゲームにのめりこみ、私や主人が止めるのも聞かず昼夜逆転してゲームやアニメの世界に没入していきました。

息子は私につらさをわかってほしかったのに、SOSを発しても、まったく理解のない母親の返事にガッカリして、そこから私にいろいろと話をすることをやめました。

「アドバイスはいらなかった。
ただ、僕の話を否定せずに聞いてほしかった。
学校もママもパパも、結局は僕のことなんかどうでもよくて、ただルールを守って言うとおりにする、自分達にとって都合のいい子に育てようとしてるだけだってわかったから、もう一切信じるのやめよ。と思った。」

息子が再びわたしのことを信頼し始めたときに、ポツポツとこうして昔のことを思い出しながら話してくれるようになりました。

そんな息子の心のうちを聞いていると、実は私が思ってた以上に精神が成長していて、繊細で、いろんなことに気が付いていて、私の浅い考えなんてとっくに見抜いて、見過ごしてくれていたのか・・・と、驚くことが多かったです。

息子が昼夜逆転して荒れていたのは大体半年間くらいで、その間にバッチフラワーレメディに出会い、レメディの力を借りて徐々に親子の信頼関係が回復してきました。

息子の私への恨み節はかなり強かったので、まさか半年で昼夜逆転がよくなるとは当時は思っていませんでしたし、わたし自身も息子の言動に対して否定の感情が入ることが多かったのですが、「傾聴」できるようになり、息子もいろんな話をしてくれるようになっていきました。

副腎疲労から回復するためには「楽しむ」ことが大切になります。
面白い動画を見る、笑う、喜びを感じる、おいしいものを食べる。喜びや幸せのポジティブな感情も副腎でホルモンが作られるのですが、それは副腎の「負担」にはなりません。むしろ体を回復させていきます。

私はゲームは苦手でしたが、アニメを一緒にみて笑ったり、おいしいものを食べて楽しい時間を過ごし、主人はゲームや最近みた面白い動画について息子とよく話をしていました。

最初は口もほとんど聞いてくれない状態からスタートし、半年過ぎたあたりから徐々に変化が起き、1年後には割と楽しい会話ができるようになっていきました。

相変わらずスイスの厳しい不登校対応は続いており、時には息子に嫌な話もしなければならなかったり、面談や心療内科など行きたくない場所にもいかなければならず、その都度、息子の気持ちを最優先しつつも、会いたくなくても、会わないといけない人がいたり、行かないといけない所もあるからね・・という話をするのは、細い穴に糸を通すように難しかったので、いつも話をする前に必ずレメディを摂るようにしていました。

ここで、私が不登校1年目のころによくとっていたレメディを2つご紹介します。

私が気を付けていたのはこの2つです。

●失った時間を取り戻すには、それなりの「時間」が必要。
あせらず少しずつ、楽しい時間を共有する。
●親の意見はちゃんというけど、子供が言う通りにしなくてもよい。
という前提で意見を言う。

この二つは実は私が一番苦手とすることで、
それに対応するレメディを飲みながら、少しずつ苦手を克服してきました。

せっかちな私はすぐに結果を知りたがったり、先走ったり、期待しすぎて言わなくていいことを言ってしまったりしていました。
そんな性格な人にはインパチェンスのレメディを。

自分の意見に従ってほしくて、相手を誘導するようにいいくるめるというのは、複数のレメディが該当するのですが、
とくに私は熱血・説得タイプなのでバーベインのレメディをとっていました。

長くなりましたが、不登校から副腎疲労になり、そこから回復していった私たち親子のストーリーが不登校で悩んでいるママさんへ参考になれば幸いです。

今、家にいて動画をみてわっはっはと笑っているお子さんがいらっしゃる場合は、あ、今回復中なんだな。と思ってあげてください。

そしてママさんも、ご自身の心が喜ぶことを見つけて、楽しんでくださいね


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