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パイオニアたちの物語『世界を変えた10人の女性科学者』

先週はノーベル賞ウィークでしたね。

真鍋淑郎さんが、ノーベル物理学賞を受賞といううれしいニュースも聞くことができました。

ノーベル賞ウィークに図書館の新刊書コーナーで、面白そう!と思って借りたのが『世界を変えた10人の女性科学者』です。

登場する女性科学者は?

・アプガー指数を導入した医師のヴァージニア・アプガー

・『沈黙の春』で環境汚染について言及した生物学者で作家のレイチェル・カーソン

・ラジウムを発見した物理学者のマリー・キュリー

・白血病やマラリアといった難病の治療薬発明したガートルード・エリオン

・ノーベル賞を受賞した化学者のドロシー・ホジキン

・天文学者で死後ノーベル賞の候補者にもなったヘンリエッタ・リービット

・戦争中もナチスの目を逃れて研究を行っていたリータ・レーヴィ=モンタルチーニ

・ウランの核分裂を発見したリーゼ・マイトナー

・栄養学の分野を開拓したエルシー・ウィドウソン

・放射線物理学者の呉健雄(ウー・チェンシュー)

以上10名です。

読んでいてすごいと連発してしまう科学のパイオニア達です。

女性科学者として思い浮かぶのは?

錚々たる名前を出していながら、タイトルを見て名前が出てきたのは、キュリー夫人こと、マリー・キュリーのみでした。

登場人物では、キュリー夫人と『沈黙の春』を書いたレイチェル・カーソンしか知らないという無知ぶりを発揮してしまいました。

自分たちの生活に意外と密着している発見や研究もあり、この人たちがいたからこそ、今の自分たちの暮らしがあるという気付きもありました。

文系の私からすると、全員ただすごいに尽きるのですが…。

特にすごいと感じたのは?

尊敬すべき人生の大先輩たちの中で、すごいと思ったのはドロシー・ホジキンとリータ・レーヴィ=モンタルチーニです。

ドロシー・ホジキンは、単なる研究者ではありませんでした。

化学者として、ペニシリンやビタミンB2 、インシュリンの研究を行うとともに社会活動にも力を入れていました。

第二次世界大戦後まもない時期から、国際的な結晶学を研究するための組織を作ることに尽力を尽くしていたのです。

東西冷戦といわれていた時代に、科学で国際貢献をしていたことを考えると本当に素晴らしいなと思いました。

リータ・レーヴィ=モンタルチーニは、ユダヤ系ということで職を失ったりと不遇の時代もあったのですが、戦争中も自宅で研究を続けて、神経成長因子を見つけることに成功しました。

リータ・レーヴィ=モンタルチーニの研究がなければ、今日のガンやアルツハイマー病など治療法は誕生しなかったかもしれません。

研究にかける情熱は、戦争で命の危機が迫っていても変わらなかったというか、苦難をバネにしたからこそ、後のノーベル賞受賞につながったのでしょう。

登場した科学者は、全員すごいのですが、この2人は特に印象に残りました。

世界は変えられるのだろうか?

ドロシー・ホジキンがノーベル賞を受賞した時、3人の子供がいる主婦が受賞という見出し文句だったそうです。

女性の地位向上は叫ばれているけれど、1964年にドロシー・ホジキンがノーベル賞を受賞した時と女性が置かれている立場はそんなに変わっていないように感じます。

女性初といったことを謳い文句にするのは、日本だけではないのかも知れません。

素晴らしい先輩たちに続く女性研究者が登場したら、もっと世界は良くなるのではと思わずにいられません。

それは、理系、文系関係なく、素晴らしい女性研究者が誕生したらいいなと思います。

『世界を変えた10人の女性科学者』は、多くの人に読んでほしい本です。

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