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コンドミニアム市況、過去10年間の繁栄は地獄に変わるか?

コンドミニアム(日本ではしばしばタワーマンションと呼ばれる)のマーケットは過去10年間に著しい成長を遂げた住宅分野で多くの都市でコンドミニアムの建設が続いてきた。しかしながらそのような熱狂は悲劇をもたらすかもしれない。

象徴的なのが、ニューヨークのセントラルパークの南側にあるビリオネアズロウである。1部屋数億ドルでコンドミニアムの1区画が取引されていたが、多くのコンドミニアムのオーナーは不動産投資のためにそれらの居住する意思のないコンドミニアムを購入してきた。そのため、ビリオネアズロウはしばしば「エンプティロウ」と呼ばれることもあるのだが、果たしてこれはニューヨークだけなのだろうか?

過去10年間に多くの都市で不動産価格が高騰したが、マイアミや上海のように世界平均を大きく上回って上昇した都市の多くは投資用でのコンドミニアム取得が急増していた。そして何らかの理由でコンドミニアムの投資家が売却を迫られた場合連鎖的にコンドミニアム市況は崩壊する可能性が高い。多くの都市で3コンドミニアムの価格はピーク時の値段から30%は下がる可能性が高く、上海やニューヨークのように投資が熱心に行われた都市では50-70%の下落が起こる可能性も否定できない。

不動産バブルの崩壊と言えば似たようなことが1991年の日本と2007年のアメリカで発生し厄介な経済的問題をそれらの国にもらたしてる。しかし、これはその2つよりも深刻な問題になる。過去の事例においては日本やアメリカの国内の不動産マーケットの崩壊であった。しかし今回はサンパウロからロンドンに至る世界のほぼ全ての都市がダイレクトに問題を抱えていて、全てが爆発する可能性を秘めている。これは異常な低金利、巨大な債務や著しい不平等によって成立していたが残念ながら持続可能なものではなかった。よってこれらのコンドミニアムバブルの崩壊は世界的な経済的問題を引き起こす可能性が高く、実体経済に与えるマイナスの影響は2007年の問題をはるかに上回り、おそらく今を生きる我々にとって史上最悪の不景気を引き起こすだろう。

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