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速いスキップは禁止です

小学生、
なぜ走る。

朝の通学路で
なぜ走る。

下校後に
校門を飛び出して
なぜ走る。

マリオカートの
ロケットスタートのように…
全力で
公道を
なぜ走る。

きみたちは
ほとんど注意力がないのに。

見るべきものも
見えてないのに。

車の動きを予想する能力も
ほとんどないのに。

なぜ
走る。

ほんとにほんとにほんとにほんとに
危なくて…
いつも心配している。



わが子たち(もう中高大学生になった)も、
小学生時代には、
世間一般の小学生と同じく
道を走るのが大好きだった。

これはいかん。

ウチの子たちの注意力では、
絶対
車の前に飛び出して
事故にあう。

特に長男は、
誰よりも
ぼーーーーーっとしていて
なんにも見えてない。

見えてないくせに
めちゃくちゃ楽しそうに
ウキウキで
力いっぱい通学する。

スーパーマリオの曲を鼻歌で歌いながら
門を出ていくのだ。
もう
絶対に
最初のクリボーにぶつかって
ゲームオーバーだ。

これはいかん。
なんとか防がねば…
と考えたわたしは、

わが家では!
道路は走るの絶対禁止!!
走っていいのは校庭だけ!!
他のおうちは知らんけど
ウチではとにかく禁止ーーー!!

と、走るの禁止令を出した。

「えーーーー!」


子どもたちは
ブツブツ
文句を言っていた。

こりゃ、
禁止令を守るつもりはないな。

母ちゃんは
電信柱の陰から見張っているよ…
母ちゃんの知り合いも
見回っているよ…
母ちゃんの知り合いは
母ちゃんにすぐ電話するよ…
とハッタリをかましたら、
なんとか
走らないように努力するようになってきた。


そんなある日。

ねぇ、
走るのはダメだけどさーー
スキップは?いいよね??

と聞かれた。

うーむ、
走るのができないなら
スキップか…

それは…考えたな…

しかしなんで
そんなにやみくもに
通学時の運動量をあげたいのだ…
わからん…

スキップは…
禁止するほどじゃなかろうが…
高速スキップは走るに等しいよね???

そこでわたしは

速いスキップは禁止です

と宣言した。



禁止令を
ちゃんと守っていたのかいないのか
電信柱の陰から見守ってなかった母には
分からないのだが、
そのおかげなのか
親切な運転手さんたちのおかげなのか、
4人とも
一度も事故にあわずに
小学校を卒業することができた。

たぶん
命を救ってくれた
心やさしい運転手さんたちが
いっぱいいるんでしょうね…
ほんとにほんとに感謝しかないです…

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