唇の平和を守る戦士たち

大学生時代、「なんかポーチが重いなあ」と思って中身を出してみたら、リップが12本入っていたことがありました。

12本て。そりゃ重いよ。

そりゃ12本もリップをポーチに詰め込めばパンパンになるし、重量感も出るでしょう。外出先で使うのはせいぜい1~2本。それなのに全部持ち歩いてた。なんでだろう?

わたしはもともと血色がよくないので、メイクをするときはチークとリップが欠かせません。チークを頬にのせないと具合が悪そうに見えるし、リップメイクをしないと幸薄そうに見えるからです(黒のロングヘア―で白いワンピースを着ていた夏の夜道で、幽霊に間違われたこともあります)。

そんなわけでリップはわたしの相棒とも言える存在なのですが、使いきれる分だけを持つようにしようと心を改めてから、だいぶ時間が経っていたせいか、喉元過ぎれば熱さを忘れておりました。

昨日暇を持て余して部屋の片づけをしていたら、使っていないメイク用品がたくさん出てきて、リップも結構発掘されたのです。「懐かしい!」って一瞬はしゃいだけれど、だいぶ古く(使えない状態に)なっていたので、全て処分しました。

今のところ、わたしは家で手を伸ばせば使えるところに置いておく用のポーチと、外出時に持っていく用のポーチを分けていて、外出時には2本までしかリップを持ち歩かないように意識しています。

今回の片づけを機に、改めて家用のポーチを整理して、自分が普段どんなリップを身の周りに置いているのか確認してみることに。


その結果、さすがに12本持ち歩いていた頃と比べると若干の成長が見られて、ポーチ内のリップ数は8本に減っていました。

リップたち

彼ら(彼女ら?)は、いつもわたしの唇を守ってくれている頼もしい戦士たち(スタメン)です。普段お世話になっているお礼を込めて、この場を借りて一本一本紹介していきます。



1. メンソレータム薬用リップスティック(ロート製薬株式会社)

言わずと知れたロートのロングセラー、大定番商品ですが、わたしも例に漏れず日に何回も使っています。

メンソレータムの具合が程よくて、余分な香りがなく、べたつかず、とにかく安い…!! 歯磨きをした後や、お風呂上りの最初のひと塗り、ちょっと唇が乾燥してるなというときなど、主に家にいるときに気軽に使い倒します。

使い心地に加え、お馴染みの深緑色のパッケージへの信頼感も相まって、もうこれがわたしのリップ戦士たちの中で最強といってもよいのではないかとすら思えるほどです。

最近はやりのご令嬢活躍漫画(悪役令嬢が世直しをしたりメインヒーローに好かれたり、気の弱い令嬢が急に前世の記憶を取り戻して別人のように生き生きと生活しだしたりする系漫画)に登場する主人公の令嬢ポジションに自分を据えてたとえるならば、このリップクリームは、『屋敷に味方のいない主人公の令嬢に、幼い頃から唯一親身になって仕え世話をしてきた姉のような侍女』ポジション……かな。


2. ニベア モイストピュアカラーリップ チェリーレッド(花王株式会社)

色付きのリップクリームで、発色はよいけれど派手ではなく、自然な『血色のいい唇』を作り出してくれるので重宝しています。

はっきりと色を出したいときは素のままの唇に、ちょっと控えめに色を出したいときはメンソレータム薬用リップスティックやその他リップバームを塗った後の唇に塗るとちょうどよい感じ。

赤・ピンク系の口紅やなんかでガッツリと色をのせた唇で食事をした後、ちょっとだけリップの色ムラを直したいなーというときなども、これをさっと塗ると濃くなりすぎずに色と艶が戻るので気に入っています。

このサポート力をご令嬢活躍漫画でたとえるならば、『普段は澄ました態度をとっているものの、常に主人公の令嬢の言動を注意深く見守っており、彼女がちょっとでも困った素振りをすると何も言わずに解決策をさっと提示したりいざというピンチのときには親身になって令嬢を助ける、優秀で情に厚い侍女』タイプといえるでしょう。


3. ハニーポンプ リップエッセンス(株式会社資生堂)

『唇用美容液』と書いてあるとおり、唇用の美容液として使っています。

ほのかな蜂蜜の香りも好みだし、パッケージもかわいいけれど、なんと言ってもこのアイテムの強さは値段です。唇用美容液はごまんとありますが、普段使い用として手を出すにはちょっと高い…!
気軽に買えて、がばがば使えて、どこの店でも手に入る唇用美容液の座においては、彼女の右に出るものはいないはず。

デイリー用の唇パックはもちろん、ちょっとしたグロスとしても役立ってくれます。

その姿はさながら、『敵対する派閥の貴族や、その家門の令嬢たちとのバトルで日々神経をすり減らしている主人公令嬢が、心から信頼・親愛を寄せて世間話から相談事まで話せる乳母(見た目は上品で気のいいマダムor老婦人だが、実は頭のきれる有能な職業婦人)』のようです。


4. Nule Nule オウトウキッス(株式会社ナチュラルプランツ)

題字はローマ字にしましたが、『ヌレヌレ』というシリーズ商品で、こちらも唇用美容液です。

3のハニーポンプリップエッセンスと違うのは、ヌレヌレはずばり『キス専用美容液』を謳っているところ。唇をきれいにするための美容液であるのはもちろん、見た目や香り、そして触れたときの感触を徹底的に追及した、パートナーとの『気持ちのいいキス』のために作られたアイテムです。

公式サイトでもデート用の使用が推奨されていたり、口コミもたくさん紹介されていますが、わたしは大事な日用の唇用美容液として大事に大事に使っています(普段使いするには少しだけお高い)。

塗るとツヤツヤ、しっとりとするのにべたつかず、他の唇用美容液と比べるとサラッとした使用感が気に入っています(擬音が大渋滞)。
疲れて唇が死んでいるときにたっぷり塗ってしばらく置くと、ふっくらした唇が復活するのも嬉しいところです。

そしてヌレヌレシリーズは、なんと言っても香りが素敵…!!
わたしが今使っているのはシーズン商品のオウトウ(黄桃)ですが、さり気なく香って、淡くかわいらしい印象です。

レギュラー商品もフレーバーによってガラッと印象が異なるので、服を選ぶような気持ちでコーディネートの一つとして選ぶのが楽しみでもあります。

商品紹介が長くなりましたが、これは要するに『悪役令嬢ものの漫画に登場する、正規のヒロインタイプ。ピュアな魅力で周囲を味方につけるが、どこか蠱惑的で、惚れた者を溺れさせてダメにしていく魔性の女』ということです。



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ポーチに入っているリップを紹介するだけの話のはずなのに、リップを頭の中で擬人化して妄想を楽しみながら書いていたら、そこそこの字数と膨大な時間をくっていました。しかも今日書いた4本中3本が、色のついていないリップという…。残りの1本だって色付きのリップクリームだし…。

反省します。すみません。

でもまだあと半分残ってる……。
ということで、残りの4本は次回また紹介します。

皆さんの唇にも潤いと幸せあれ!






長く続けることをモットーに励みます。