さっきさ、スマホの充電があと2％でさ、

充電しなきゃっ、って充電器をさしたんだけどさ

途端に悲しくなって涙が出たんだ

ああ、わたしの状態ってこれか、それ以下なんだなって

充電が減っていくのがわかる

あと少しだよって、知らせてもくれる

ずっと使いっぱなしだったら減る一方なのは当たり前だ

2％、こんなギリギリにならないと充電しようって思わない

こんなに危険なことってないよな

なんなら何度も充電を空にしてる

そもそも、充電は空にならないとダメだって思ってるところもある

それがどれだけの消耗か、わかっているんだろうか

バッテリーは、その方が消耗がないのかもしれない

でも、わたしはどうなの

充電が減っていると知ってるの？

少なくなってくると警告は出ているの？

出ているけど無視しているだけなの？

そもそも警告に気付いてないの？

どれが警告かわかってないの？

でも、少し安心したんだよ

2％で充電しなくちゃって思ったことに

まだ続けたいって思ってるんだって

充電して、回復してまた続けようって思ってるって

少ない充電で、充電器を繋いだまま続けようとしたことには、怖くなったけどね

でもさ、やっぱり違うかも

わたしは一度、空っぽになりたいんだ

充電がゼロになったら、強制的に動かなくなる

そうなりたいんだなって、思った

それがひどく、悲しかった

充電がなくなるまで動いて、なくなったらなにもできない、なにもできなくて仕方がない、だって充電がないんだから

そう考えるとさ、恐ろしくも思うよ

残りわずかな充電を見て、あ、充電しなきゃ動かなくなるって思うことが

もう、やっとこれで動かなくて済むって、疲れ切って思ってたのに、勝手に充電されて強制的に動かされる

そんなの苦しくてたまらない、どうして休ませてくれないんだって絶望する

わたしのバッテリーは今、どれぐらいなんだろうか

少なくとももう数年は、100％は見ていない気がする

50とか30とかぐらいまでしか、充電器を繋いでられなくて、そうしたら当たり前にすぐに充電はなくなる

空っぽになる時だってくる

でも、たぶん、たくさん充電できない理由は、空っぽになりたいて思ってるのも関係してると思う

たくさんの時間、動いていたくないって思ってるんだと思う

ああ、わたしのバッテリーは故障してるか、老朽してるか、なってるんだろうな

もうそこが、わたしの100％だって思い込んでる

それぐらいでしかわたしは動けない、動きたくないって思ってる

ねえ、

2％に充電器をさしたとき、一番最初になにを感じたんだろう

まだ落ちないで充電器に繋げたことに安心した？それとも残酷さが身に沁みた？

そんな危うい状態に自分があることに絶望した？それとも安堵した？

どうして、涙が出た？

………。

行かなくちゃ、今日は約束があるんだ

外との約束があるから、わたしは今日もしぬことを選ばないでいられる