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2023年の仕事をふりかえる

noteで #今年のふり返り の記事をたくさんの人が書いているのを見て、ぼくも 2023年の仕事のふりかえりをしてみようと思います。ふりかえりっていいですね。こうして書いてみると、「よくがんばったなあ」とも思うし、「もっとできたじゃん…」とも思う。noteではポジティブなことを中心に書いています。

▪️編集担当本

2023年は5冊作りました。ぼくが編集の仕事に携わってから、いちばん本を作った1年になりました(営業と編集の兼務なのでそんなにたくさん本は作れません)。精一杯やれたし、いい本が作れたと思います。同時に、甘さや足りなさも痛感しました。今年はもっと本を作りたい。

2月 平野レミさん『エプロン手帖』
レミさんとの本もこれで3冊目。今回は土井善晴さんに帯の推薦文をいただきました。レミさんが和田誠さんに教わって撮った写真も52枚収録。レミさんは写真を見たとたん、当時のエピソードを事細かに話してくださいました。記憶力がすごいのはもちろんですが、写真には当時の記憶を思い起こさせる力があるんですね。実際に使ったハッセルブラッドも見せていただきました。めちゃくちゃ重かった。

3月 宮嵜守史さん『ラジオじゃないと届かない』
「ヒゲちゃん」ことTBSラジオ「JUNK」統括プロデューサーの宮嵜さんと一緒に仕事ができるなんて。「メガネびいき」、「バナナムーンGOLD」、「不毛な議論」……宮嵜さんが関わってきたラジオをずっと聴いてきたので、まさに好きなことを本にできた。ほんとうに楽しい仕事でした。各パーソナリティの方々のラジオに対してのリスペクトも感じられます。まじでおもしろい本です。宮嵜さんの仕事に対する姿勢も見習うことばかりでした。

6月 ジェームズ・サーバーさん作・絵/村上春樹さん訳『世界で最後の花』
村上春樹さんから翻訳を引き受けるとご連絡をいただいたときは相当に興奮しました。84年前、第二次世界大戦開戦時に描かれた本を復刊。いまも続く戦争について考えるきっかけをくれた本でもあります。ひとりでも多くの人に届ける努力をこれからも続けたいです。それを続けなければ復刊した意味がない。

8月 幡野広志さん『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』
ポプラ社Webサイトの連載を一冊に。幡野広志さんとつくったはじめての本です。古賀史健さんとの巻末対談を読むと「写真と文章の関係」がよくわかります。この対談をまとめてくださったのも古賀さんです。原稿があまりにもいいので、「これ読んでくださいよ」とまわりの同僚に声をかけまくりました。

11月 幡野広志さん『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』
この本をきっかけにぼく自身も写真をはじめて、おおげさじゃなく人生が変わりました。読者の方々に本が伝わっている手応えも感じています。イラストは幡野家全員が大ファンのヨシタケシンスケさんにお引き受けいただきました。間をとりもってくれた同僚にも感謝です。読んでくださった方々が少しでも「写真ってたのしい」と思ってくださることを願っています。

▪️イベント

2023年はたくさんイベントをしました。本の売り上げと集客を意識して、自己満足イベントにならないようにすることに注意しました。どれも充実していて、ぜんぶやってよかった。でも本作りと並行して、書店さんとのやりとりや原画展の設営、イベントの準備などを滞りなくやっていくのはなかなか大変でもありました。

・1月 益田ミリさん『小さいわたし』原画展 @東京堂神保町店(2022/12/1-2023/1/13)
『小さいわたし』原画展4箇所目。東京堂書店さんには2階にも素敵なスペースありますので、出版社の方はぜひご活用をおすすめします。

・2月 益田ミリさん『小さいわたし』原画展展 @三省堂書店名古屋本店(1/29-2/28)
これで5箇所目。地方での原画展ははじめて。開催後に書店員さんからいただいたお手紙を読んで、開催してよかったと心から思いました。

・4月『ラジオじゃないと届かない』トーク&サイン会 @青山ブックセンター本店(4/1)
宮嵜守史さん、ライターで『ラジオじゃないと届かない』の対談部分の構成を担当してくださった村上謙三久さん、辻の3人のトークイベント。たくさんの有名リスナーの方々ともお会いできてうれしかったです。

・4月『ラジオじゃないと届かない』オンライントークイベント @ジュンク堂書店池袋本店(4/28)
宮嵜さん、村上さん、オークラさんのオンラインイベント。スペシャルゲストのオークラさんは宮嵜さんと旧知の仲。おふたりだからこそできる濃いラジオトークでした。オークラさんともお会いできてうれしかったなあ。

・5月『ラジオじゃないと届かない』トーク&サイン会 @下北沢B&B(5/25)
ニッポン放送在籍時代、「ナインティナインのANN」や「オードリーのANN」も担当していた宗岡芳樹さんと宮嵜さんのトークイベント。このおふたりの対談もかなりアツかった。来場してくださったお客さんは「ハライチのターン!」リスナーの方がやっぱり多かった。

・9月『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』トーク&サイン会 @三省堂書店有楽町本店(9/3)
古賀さんの著書『さみしい夜にはペンを持て』との合同イベント。古賀さんと幡野さんのさすがとしか言いようがない息のあった対談でした。

・9月『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』トーク&サイン会 @青山ブックセンター本店(9/25)
この本の2回目のゲストは岸田奈美さん。幡野さんの写真ワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」をはじめるきっかけのひとつが、幡野さんが岸田さんに写真の撮り方を教えたこと。そのあたりのお話をあらためて振り返っていただきました。

・11月『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』書店訪問
三省堂書店池袋本店、ジュンク堂書店池袋本店、旭屋書店池袋店、東京堂書店神保町店、三省堂書店神保町本店さんに伺いました。サイン本をつくったり、色紙お渡ししたり。自分の担当編集本で著者と書店訪問をするのはこれがはじめてでした。どの書店さんもあたたかく受け入れてくださってありがとうございました。

▪️はじめたこと

今年はなんと言っても写真の1年。写真をはじめたことでいろんなことが好転していきました。

・1月 ワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」参加(1/29)
ワークショップに参加してから、毎日カメラを持って出かける日々がはじまりました。幡野さんが本でも書いている「写真は人生を豊かにする」を体感しています。ワークショップは2024年も開催します。ぜひご応募ください。

・2月〜 ワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」手伝い開始
お手伝いといってもいるだけですが、『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』の本作りには欠かせない時間でした。参加者の方々からは毎回刺激をいただきました。

・4月〜 幡野さんのラジオ「写真家のひとりごと」(stand.fm)の手伝い開始
ぼくは毎回ほぼうなずいているだけですが、写真の話を中心に配信。ワークショップ、ラジオ、本といろんな方法で写真のことを伝えられているのはすばらしいと思います。幡野さんはもちろん、一緒に収録している小池花恵さん、狩野智彦さんも毎回ありがとうございます。

・8月〜 note執筆をはじめる
月に記事を1本〜2本書く程度ですが、これまでのぼくからしたらすごい進歩です。書くことがたのしくなりました。今年はもっとたくさん書いていきます。

▪️ほか

・3月 TBSラジオ「たまむすび」出演(3/17)
『ラジオじゃないと届かない』の宣伝に、編集者おすすめのコーナーに出演させていただきました。ガチガチになっているぼくに、宮嵜さんが話しかけて緊張をほぐしてくれます。浅草キッド・玉袋筋太郎さんと外山惠理アナウンサーの優しさにも救われました。目を見て話してくれるってこんなにうれしいことなんだと実感。

・7月 日テレNEWS NNN のインタビューを受ける
『世界で最後の花』について、はじめてWEBニュースの取材を受けました。編集者として著者に取材を受けていただくようお願いしていますが、自分のしゃべったことが記事になるというこわさ(うれしさよりも断然こわさが大きかった)を実感しました。編集者の責任を自覚する機会にもなりました。

・10月 フランクフルトブックフェア参加
はじめての海外出張。はじめてのフランクフルトブックフェア参加。ミーティング設定や英会話には苦労しましたが、何冊か翻訳出版したいと思える本に出会えました。今年1冊は出したいと思っています。

2024年もがんばっていきます。

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